ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

山本太郎氏の街頭記者会見

山本太郎氏は元参議院議員である。残念ながら前回の参議院選挙で落選して今は国会議員ではない。今は政党である「れいわ新選組」の代表を務めており、そして、現在「れいわ新選組代表」として元参議院議員としての政治活動の報告をしながら全国行脚をされている。山本氏はこの全国行脚を街頭演説会と呼ばずに街頭記者会見と呼んでいる。その理由は一方的に自説を述べるのではなく、聴衆から質問意見を受けてそれに答える形の双方向型の対話会見を行っているからである。
 
私は10月末に行われた大分での3時間に及ぶ山本氏の街頭記者会見をユーチューブで拝見した。
 
その中で聴衆から、様々な意見質問があった。
水道民営化についてどう思うか?現政権はなぜそれを行うのか?
萩生田文科大臣の「身の丈」発言をどう思うか?
英語試験に民間企業を参入させる目的はなぜか?
ホームレスの避難所排除の問題についてどのように考えているか?
教員のブラック労働について対策はあるか?
など様々な意見質問を受けながら対話会見が進められていた。
 
そのような中、聴衆から「あなたは偽善者だ!カッコつけるんじゃないよ!」という声が上がった。その声に対して山本氏は貴重なご意見に感謝しながら理由を聞いた。
 
以下、山本氏の発言を書き起こす。
今度の参議院議員選挙の結果を見て
「どうしてあなたが受からずに障害者を受からすカッコつけをやるんだ。あなたが国会の中にいないと意味ないでしょう」というそういう見方もあると思います。
あなたが当選しないで重度身体障害者を二人国会に送り込んだことで「あなたはかっこつけだ」「あなたはあざとい」とかいう言葉を投げられたこともあります。私はあざといでもなんでもない。
今度の選挙で3人当選する予定でいたが、二人しか当選できなかった。私は国会の中で確実に物事が動くような人材をを国会に送りたいという思いで二人を送り出した。その結果確実に動いている。国会のバリアフリー化ができた。バリアフリー化だけでなく、二人はさらに重度障害者が社会に出て働けるように学校で学ぶことができるように動いている。現実は、重度障害者は社会に出て働けないし外に出て学校で学ぶことはできない。そのような補助は出ない。現在の国の考えは基本的に、重度障害者は自宅にいなさいという考え方である。それを彼らは重度の訪問介護を使えるように広げるように当事者として動いている、変えようとしている。日本は障害者の権利条約を批准している。そして、日本では来年パラリンピックが行われる。しかし、日本は条約を批准はしているがその責任を果たしていない。そのような状況では、パラリンピックを呼ぶ資格はまだない。それを当事者の方に動いてもらって変えてもらうのが1つの目的である。
 
そして障害者の方に国会に入ってもらう、もう1つの最も重要な目的の1つは
"日本という国がただでさえ生きづらい世の中ではないか"ということです。日本では生産性で人間の価値が計られている。会社であなたはどんな役に立っているの?この国であなたは役にたっているのか?と常に問いかけられる社会、それが今の日本ではないか。何かしらの利益を生みださなければ生きてていいとなかなか思えない社会、これが現在の日本である。そのため、死にたい、消えたいと思う人たちがたくさんいる。そんな社会で生きていくなんて地獄じゃないか。
 
これを変えるためには、政治の場に生産性で物事を語らせない人たちに議論に入ってもらう必要がある。見た目に、一見生産性なさそうだよね、あんな人たちを国会に出てもらってどうするのか?生きていると思わなかった、動かないからと言われる人たち、でもとんでもなく生産性の高い人たちです。一人は事業所の副所長をされている方、一人は地域で重度の障害者の社会参加ができるように取り組んだ方など誰にでもできないことをやっている方です。かれらが国会の場に入っていって生産性で人間の価値を決めさせないということを進めていくために重要だから入ってもらった。ある意味国会にミサイルを撃ち込んだと同じくらいの衝撃を与えたかった。そしてお二人は確実に動かしています。
 
人間を切り捨てる社会を止めようという戦いの火蓋を切って下ろすために、絶対に必要な人材として才能溢れるお二人の重度障害者に参加してもらった。人間の価値を生産性で計られる社会が加速していったら、人間が生きてる期間、期限を決められる社会になるということです。「あなたは役に立っていないのに、まだ生きるつもり?」高齢化社会になったら、寝たきりになったら、「あなたのせいでみんなコストかかるんだよ」そういう社会になっていきかねないということを危惧しています。
 
実際そういう発言をしている政治家もいる。麻生副総理です。2016年6月北海道小樽市で『90になって老後が心配とか訳のわからんことを言っている人がテレビに出ていたけど。「お前いつまで生きてるつもりだ」と思いながら見ていました』と発言しています。
 
麻生副総理はいつまでも生きられるでしょう。高度な医療を受けながら。明日のことを心配せずに。代々築いてきた財産で生きていけるでしょう。
でもそうでない人たちに対して、現在の権力者はどういう社会を作っていくかというと命の期限を決めると思いますよ。いつまで生きてるつもりだ。今でさえ、おまえは生きてる価値あるのか?という空気の中で生きている。苦しんでいる人いっぱいいます。年に2万人が自殺する国。50万人が自殺未遂している国。これについて、どうしてこんな世の中なんだとみんなで考える時期にきている。
 
このことについて社会が壊れている、世の中が壊れているとみんなで考えなければいけないのに、そんなことを考える余裕もないというところまで追い込まれている人も多い。このように考える余裕もなく、また諦めてしまい投票にもいかない人が50%もいる国が現在の日本です。
 
そして、政治を諦めている人が多い状況は、生産性で人間の価値を図ろうとする勢力の思う壺である。国民が選挙に足を運ばないことを喜んでいる人たちがいて、その人たちが日本の政治を自由に操っているのです。
 
日本では非正規という立場に追い込まれ切り捨てられている人たちがいる。将来を頭に描くこともできない人たちがいる。そのような人たちが労働者の40%を占めている。非正規は家を持てない。ネットカフェ難民の四人に一人は家がない人という現実がある。そしてその70%は非正規労働者である。
どうしてこんな世の中になったのか。みんなが政治を諦めた結果がこんな世の中をになったのです。
 
逆に、政治を諦めなかった人たちが、今この国の政治を自由に操っています。企業側に立つ人たちです。全有権者の三割の人たちが政治を自分の思う通りに自由に操っているのです。全有権者の3割に支持された政治家が法律を自分たちの都合のいいように法律を変えているのです。自由に労働コストを安く抑えるために派遣法改正という法律を作り非正規労働者を作ってきた。その結果、労働者の40%が苦しんでいるのです。「ホワイトカラーエグゼンブション」という残業代ゼロ法案も労働者を苦しめることはわかっているのに企業側に立って法律ができていく。外国人労働者受け入れも同様です。企業側の要望に沿って低賃金の外国人労働者が入れられる法律が作られていく。その結果日本の労働コストはいよいよ安くなる。企業側が得する法律ばかりが作られ、そのしわ寄せはすべて国民が被る仕組みが作られている。
 
政治に無関心であることは自分で自分の首を絞めていると同じです。政治に参加して、企業側に立つ政治に歯止めをかけよう。政治に参加してそして、自分が幸せを感じることができる国を作ろう。未来に希望が持てる国を一緒に作ろう。みんなの力を合わせてこの国を変えよう。どうか皆さんの力を貸してください。
 
山本氏の街頭記者会見を聴いて、山本氏の意見にもっともだと思った。山本氏は大分での会見で聴衆から「お前はバカだ」と絡まれていた。山本氏は自分は16歳で芸能界に入りすべて順調であった。30過ぎまで挫折を知らなかった。30歳過ぎた時に原発事故が起こり、原発は人間を不幸にすると思い意見を言った。すると、そういう発言すると仕事できなくなるよとアドバイスしてくれる人がいた。利口だったらそのアドバイスに従ったかもしれないけど、バカだからこの道を進んでしまったのかもしれない。でも、後悔はしていない。この国を国民主権の政治を取り戻すまで皆さんと力を合わせて進んでいきたいと語っていた。応援したい。