ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

JR九州観光列車の旅 その2

 

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遊歩道から見た球磨川

人吉では駅長おすすめの厳選お宿「清流山水花あゆの里」に宿泊。11月17日(日)気持ち良い目覚めで起床して早朝散歩をする。ホテルは球磨川の岸辺に立地しているので、ホテルを出て球磨川沿いに作られた遊歩道を朝日を浴びながら散歩をする。今日も秋晴れの良い天気になりそうだ。

 

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青井阿蘇神社の鳥居

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青井阿蘇神社の赤鳥居と楼門

しばらく歩いていくと、大きな鳥居が目に入る。近づいて行くと、ここが国宝に指定されている青井阿蘇神社である。

青井阿蘇神社は大同元年(806年)に創建された人吉球磨の総鎮守である。人吉球磨の安寧を祈り1200年の歴史が息づく場所である。壮大な茅葺楼門を見るとまさに国宝であることを納得する。

 

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「五木の子守歌」石碑

散歩を続けていくと、一つの石碑に出会う。何の石碑だろうと思い近づいてみると、五木の子守歌の歌詞が書かれている。「おどま ぼんぎりぼんぎり  ぼんからさきゃおらんど  ぼんがはよくりゃ  はよもどる」そしてその下には説明文が刻まれていた。

「五木の子守歌と呼ばれ、全国民に愛唱されている歌謡曲は、もと球磨盆地の村々で年期奉公の子守娘がうたい広めた伝承の民謡である。いつの頃、いづれの乙女が歌い出たかもとより知るよしもないが、いまここに歌碑を刻み、これら無名の詩人、音楽家達に永く心の花束をささげます」と記してあった。

 

五木の子守歌は心に染みついている曲である。私も小さい時この子守歌で子守をされたり、あやされたりしたかもしれない。この民謡はこの地で作られ、伝承されてきたことを知ってこの地が身近になった。旅は心の琴線に触れる発見があるから面白い。

 

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今日の私のJR九州観光列車の旅は人吉駅から始まる。人吉駅は相良氏居城である人吉城をイメージして作られている駅舎である。ここから10時8分発の「いさぶろう・しんぺい1号」で吉松に向かう。

 

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いさぶろう・しんぺい1号

特急「いさぶろう・しんぺい」は熊本と鹿児島の吉松を結ぶ列車である。吉松行きが「いさぶろう」、熊本・人吉行きが「しんぺい」と明治時代の鉄道の偉人にちなんだネーミングになっている。沿線には急勾配を上るためのループ線や前進後退を繰り返しながらジグザグに上るスイッチバックがあるなど変化に富んだ路線である。また日本三大車窓の景色も楽しめる人気の高い路線である。

 

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大畑駅(おこばえき)駅舎

大畑駅は日本で唯一ループ線上に存在するスイッチバックの駅である。待合室の壁に名刺を貼ると立身出世するという言い伝えがあり、待合室の中といわず外といわず壁一杯名刺がはられていた。

 

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D51型蒸気機関車

沿線にある矢岳駅SL展示館では「デコイチ」として親しまれたD51型蒸気機関車を展示してある。そこに立ち寄って記念撮影をする。「デコイチ」に近ずくとその大きさに圧倒される。

 

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日本三大車窓の「矢岳越えの絶景」

この旅のハイライトは日本三大車窓に数えられる矢岳〜真幸(まさき)間で見られる「矢岳越えの絶景」である。えびの盆地越しに霧島連山の雄姿をのぞむことができる。眺望を楽しめるポイントでは車内アナウンスがあり、ビューポイントで列車が一旦停車してくれる。思う存分写真を撮り終えると列車はまた動き出す。

 

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はやとの風

吉松駅で「いさぶろう」を降りて、ここで鹿児島行きの「はやとの風」に乗り換える。「はやとの風」は「薩摩隼人」の鎧をイメージして漆黒の車体になったようだ。吉松から霧島を抜け、桜島を望みながら鹿児島中央駅に至る特急列車である。

吉松駅を発車した「はやとの風」は築110年の木造駅舎の「嘉例川駅」(かれいがわえき)に停車する。嘉例川駅は古き良き時代の温もりを今に伝える山里の無人駅である。

この駅には「にゃん太郎」というオス猫が住んでいるということであったが、今日は病気療養中ということで不在であった。

 

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はやとの風」から見た桜島

秋の色に変わり始めた霧島の山々の様子を楽しんでいたら、いつのまにか錦江湾が見えてきた。そして錦江湾の一角に噴煙を上げる桜島雄大な姿が現れた。刻々変わる桜島の勇姿を眺めていたら「はやとの風」は鹿児島中央駅に到着した。

 

 

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鹿児島中央駅構内

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指宿のたまて箱

鹿児島中央駅に到着したら、今日の最終目的地の指宿に向かうため「たまて箱」に乗る。竜宮伝説が伝わる指宿に因んで「たまて箱」という列車の名前になったようだ。名前だけでなく、浦島太郎の黒髪が煙とともに白髪に変わったということから、海側は白、山側は黒というユニークな車体の列車に仕立てられている。また乗降口では白い煙が出されていて、たまて箱らしい演出がなされていた。

 

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「たまて箱」車内

指宿のたまて箱は略称「いぶたま」と呼ぶようだ。この「いぶたま」の車内の特徴は

海側に設けられたカウンターシートである。カウンターシートに座り錦江湾を眺めると、まるでクルーザーのデッキにいるような感じである。カウンターシートに身を任せ、海を眺めながら美味しいコーヒーをいただく。美味しいコーヒーがさらに美味しく感じる。

コーヒーを飲みながら「いぶたま」は予定通り指宿に到着。今日の観光列車の旅を無事におえる。