ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

11/28香焼散歩

 

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香焼散歩 距離6.06km 上昇高度132m 時間1時間59分 天気曇り 温度13度 湿度78%

最近は体に良いこと何もしていない。寒くなってきたこともあり、室内に引き篭もることが多くなった。昨夜から雨が降り、今日も雨で外出できないのではとあきらめていたら、朝から日が射してきた。久しぶりに身体を動かしたいと思い散歩に出かけることにした。

 

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香焼第二児童公園

出発前の準備運動をするために香焼第二児童公園に行く。身体をほぐすために久しぶりにラジオ体操をする。前後左右に身体を伸ばす。身体が硬くなっているのを実感しながら、少し痛いのを我慢して筋肉を伸ばす。久しぶりの運動は気持ちが良い。身体がほぐれたところで、この第二児童公園を出発点にして散歩を開始する。因みに地元ではこの公園のことを公園内にある遊具のABCから「ABC公園」と呼んでいる。

 

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出発点から200m進んだらウオーキングコース2番ポストに着いた。ポストの周りは石蕗の黄色い花が咲き乱れていた。満開時期を少し過ぎて、花びらが落ち始めているのも見られる。今日の散歩は至る所で石蕗の歓迎をうけた。

 

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散歩道は車道に並行して作られた歩道である。昨夜の雨でまだ道路は濡れている。この時間の車の交通量はほとんどない。朝の静かな時間を小鳥の鳴き声に耳を澄ましながら散歩する。これから先、右手の視界が開けて右手に海を眺めながらの散歩となる

 

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海が見えてきた。遠く沖合いに大きなタンカーが停泊しているのが見える。曇の多い朝であったが、今は青空も見れるようになった。海の深みのある青と空の明るい青とのコントラストを楽しむ。
 

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散歩道はここから車道と別れて公園内の遊歩道に入っていく。公園は香焼総合公園という大きな公園である。その海老瀬側入り口から入る。

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公園内の遊歩道はもちろん車は来ない。だから安心して散歩ができる。この公園を早朝散歩に使う人は多いが、都会と違って混雑することはない。私が散歩するときは4〜5人の人と会う。それ以外にみかけるのは小鳥さんと猫さんくらいである。

右手は海になるが木々が茂り海は見えないところが続く。その中を進んでいると右手に下りていく道があるので右手に曲がって海側に下りていく。

 

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人ひとりが通れる細い山道を下りていく。落ち葉を踏みしめながら下りていくと潮騒の音とともに海の匂いが感じられる。

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突然、視界が開けて大海原が飛び込んでくる。ここは釣りのポイントである。日曜日には、釣り師がここに陣取って大物を狙う場所である。確かに大物が釣れそうな予感がする。いつか私も挑戦してみよう。

 

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釣りポイントから戻り、再び進んでいくと右手に伊王島大橋伊王島が身近にみえてきた。また、伊王島教会の荘厳な白い建物もはっきり見ることができる。

 

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石蕗が群生している広場を過ぎてゆっくりペースで上っていく。ゆるやかな上り坂をゆっくりゆっくり上る。少し汗ばんだような感じがする。ここで、着ていたウインドブレーカーを脱ぐ。海の方から吹く風が心地よい。

 

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上り坂を上りきるとカナリーヤシが植えられている芝生広場に出る。標高103m今日の最高峰である。この芝生広場には東屋と低学年向け遊具が設置されていて日曜日は子供連れの家族で賑やかである。

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芝生広場のすぐ横は駐車場である。今日は朝早いので駐車場には1台しか駐車していない。駐車場の上の建物は管理棟で、その上の方には展望台が見える。展望台からは五島灘や長崎港を見渡すことができ、絶景のビューポイントである。

 

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今日の最高峰である香焼総合公園を過ぎたら、あとは下り坂で出発点に戻っていく。総合公園を出たら、大きな石碑が建っているのが見える。「日中不再戦」の石碑である。案内板には「われわれは中国侵略の歴史の反省に立ち、日中両国人民が再び戦わないことを固く誓い、戦争を知らない新しい世代にこの願いを正しく語り継ぐためにこの石碑を建立する」とある。

 

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総合公園を出ると、車道に並行している歩道を歩いていく。夏は雑草が生い茂り歩道が見えなかったり、繁茂した雑草で歩道を歩けないようなこともあったが、さすがにこの季節になるとそのようなことはなく歩きやすい。

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道に沿って歩いていたら「遠見番所跡」という案内看板が立っている。これは鎖国時代の名残を示す遺跡である。長崎は日本で唯一の外国に開かれた港であったが、許可しない異国船が入港しないか常に見張りをする必要があった。長崎港の周りには多くの遠見番所が設けられて警戒にあたっていた。香焼の遠見番所もその一つでここには狼煙台の跡がある。異変があれば狼煙を上げていたらしい。

 

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遠見番所を過ぎてゆるやかな坂を下っていくと。大きな榎の木が出迎えてくれる。長崎市指定天然記念物になっている「豊前坊社のエノキ」である。樹高20m、根回り4m樹齢は約200年と言われている。昔から神木のように大切にされ、集落の変遷を見守ってきた木である。

 

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豊前坊社を過ぎてさらに下っていくと、右手に海が見えてくる。海を挟んで対岸には

隣町である深堀が見える。そして、その先には長崎で最高峰の八郎岳が見える。八郎岳は長崎市にある標高589.8mの山で九州百名山の一つである。長崎は八郎岳から伸びた山並みが長崎市をぐるっと城壁みたいに囲んでいる。この山並みこそ鎖国時代に長崎を隔離する上で有効な地形であったようだ。

 

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右手に海と山並みを見ながら進んでいくと左手にお寺が見えてくる。香焼山「円福寺」である。この円福寺弘法大師空海が開いたと伝説が残る寺である。そして香焼という町名も空海の伝説から付けられた名前である。

“香焼”という地名は弘法大師空海の焼香伝説に由来していると言われている。香焼伝説では804年(延暦23年)、弘法大師空海遣唐使として入唐する折、暴風雨にあって香焼島(当時は島)に避難した。弘法大師空海は御香を焚いて仏に感謝し祈りを捧げたという。その時の御香の芳しい薫りが一面に染み渡り、以後この地を香焼と名付けたと伝わっている。その御香を焚いた場所がこの円福寺内の祠であるという伝説が残されている。

 

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弘法大師空海さんの伝説などを思い起こしながら進んできたら目の前に香焼教会が見えてきた。香焼教会が見えたら、ゴールは近い。時計を見たらスタートしてすでに2時間になろうとしている。あまりにもゆっくりし過ぎたかもしれない。少し慌てて早足でゴールに向かう。そして無事循環コースを終了。

 

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久しぶりの香焼散歩であった。石蕗の黄色い花に至る所で出会った。今日の散歩の収穫は今年の石蕗の花にたくさん会えたことだろう。一期一会である。先日のJR九州観光列車の旅で出会った余命2〜3年という同年代の男性は、「最後は好きな趣味だけしてあちらへ行こうと思っている」と言って写真撮影の旅をしていた。「風景写真は二度と同じ写真は撮れない。一期一会です。」と言っていた。その真剣な生き方に心打たれた。学びたい。