ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

世界は今、世界は電力タダの時代

立教大学教授で経済学者の金子勝さんと日本のエネルギー学者である飯田哲也との対談番組をネットで見た。内容は「電気代0円時代を目指そう」という衝撃的なものであった。

 

2011年3月11日の東日本大震災以後、しばらく太陽光発電風力発電などの自然エネルギーによる再生可能エネルギーがもてはやされたが、再生可能エネルギーは不確かで安定性にかけるという議論から、現在の日本は現実的選択として火力発電、原子力発電をベイシックロード電源として考え、自然エネルギーへの移行は頓挫している状態にあると思う

 

 

下記は日本の電力会社による「原子力発電について、エネルギー問題と原子力」の広報である

 

1 資源・エネルギーをめぐる問題

日本のエネルギー自給率は8%、資源の多くを輸入に頼っています

日本はエネルギーの大量消費国でありながら、エネルギー自給率がわずか8%と低く、エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っています。特に日本が必要とするエネルギー資源の中では石油が4割を占めていますが、そのうちの86%を、政治情勢が不安定な中東地域からの輸入に依存しています。

そういった状況の中で、いかにエネルギーを多様化し、安定的に資源を確保していくかが重要な課題となっています。

 

2 エネルギーのベストミックス

電気をつくるうえで大切なこと

エネルギーの安定供給・環境保全・経済性といったそれぞれの側面で、各発電方法には様々な特徴があります。

エネルギー資源が乏しい日本では、資源をいかに確保するかといった問題とともに、地球環境に配慮しながら、経済的に、長期的に安定して電気をつくることが大きな課題となっています。

エネルギー資源価格は世界の資源消費量の増加、中東での政情不安、投機活動等により、今後も大きく変動する可能性があります。

 

火力発電は発電コストに占める燃料費の割合が高く、資源価格の変動により発電コストが大きく変動し、発電時のCO2排出などの課題があるため、発電時にCO2を排出せず、価格安定性や備蓄性に優れた原子力発電や、輸入燃料を必要としない太陽光・風力発電等の再生可能エネルギーの活用も大切です。 

そのために、火力・水力などの発電、原子力発電、再生可能エネルギーによる発電をバランスよく組み合わせ、それぞれの特徴を最大限に活用した「エネルギーミックス」を進めています。

「エネルギーミックス」はエネルギーの安定供給、環境保全、経済性の3つを調和させた政策です。(3Eの調和)

 

3 原子力発電の位置付け

原子力は今後も必要な電源です

現在、そして未来に向けたエネルギーについて考えた場合、安全を前提とした3Eの同時達成の観点から一つのエネルギー源に頼るのではなく、複数のエネルギー源をバランスよく組み合わせる「エネルギーミックス」の考え方は必要不可欠です。

 

安定供給が可能なウラン燃料

原子力発電の燃料となるウランは海外から輸入していますが、石油とは異なり産出国が偏っていないほか、政情の安定した国々に分散しているので、供給が安定しています。

 

ウランは少しの量で大量の電気をつくることができ、1度取り替えると1年以上発電できます。

また、使い終わったウラン燃料は再処理することで再び燃料として使用することができ、準国産エネルギーと位置づけられています。

 

また、発電コストの面でも、他の発電方法と比べて遜色のない水準です。

 

 

2014年時点での、国の試算による発電コストは、太陽光発電が1kWhあたり約30円、石油を使った火力発電が約30円以上と高い傾向にあります。

天然ガスを使った火力発電は13.7円程度、石炭を使った火力発電は12.3円程度です。

原子力の発電コストは、10.1円程度と他の発電方法と比較しても遜色ない水準です。また、原子力発電は化石燃料に比べて発電コストに占める燃料費の割合が小さいため、燃料価格の変動による影響を受けにくいという特徴があります。

 

 

日本は東日本大震災原発による大規模被害を経験したにもかかわらず、相変わらず原発は重要な電源と位置づけその再稼働に腐心している。

国が率先して推進しているエネルギー政策についてはやむを得ない選択という理解をしている人も多いと思うが、世界の動きは想像を超えるものであった。

 

エネルギー学者の飯田哲也さんの話によると、2011年の東日本大震災以後、世界ではエネルギーについての大転換が起きているという話であった。直接、大被害を被った日本では変化は起こらないで、遠いヨーロッパでは東日本大震災原発事故から学び、それを教訓にエネルギー革命が起こったということであった。

 

原発依存からの脱却、化石燃料依存のエネルギー政策からの脱却を目指した動きが今、爆発的な進展を見せているという話であった。

 

現在、世界では風力、太陽光などの再生可能自然エネルギーの価格が1kWhあたり1円になったという話であった。なぜ、そうなったかというと10年来の技術の革新的進歩と量的拡大によるコスト低下、そして蓄電技術の進歩の効果が重なってゼロ円時代に近づきつつあるという話であった。

 

特に中国の太陽光発電風力発電の技術革新はめざましく、世界が1極集中的に再生可能エネルギーの技術の進歩に取り組んだ成果が今明確に現れてきたという話であった。

 

そして、その成果は、国際再生エネルギー機関の予測では30年後の2050年までに再生可能エネルギーが全発電力量の86%に達するという予想も現実的になりつつあると言う話であった。(ドイツでは2050年までに再エネルギー100%予想)

エネルギー政策について日本は完全遅れをとったというより、ガラパゴス化したのではと思った。

 

昨年12月に行われたCOP25の会議において小泉進次郎環境相が「化石賞」を受賞した。日本はより効率的な火力発電を世界に輸出しようとしているのだが、そもそも火力発電がなくてもエネルギーは確保できる時代に世界はきている、ということをつきつけられたようだ。それでも効率の良い火力発電と原発ということを謳い文句に輸出しようとしている国、日本は世界から笑い者になり続けるしかないのではと心配になるばかりでなく、日本の誇る科学技術が世界から取り残されていく恐怖を感じざるを得ない話であった。