新型コロナウイルス対策で「ステイホーム週間」ということになり、自宅に篭っている。でも時には散歩もしたい。できるだけ人と接触しない場所で散歩をしようと思い、今日は津々谷の滝まで歩くことにした。
津々谷の滝は長崎市藤田尾町にある落差約20mの滝である。津々谷の滝は、新四国霊場であり昭和の初め頃から薬師如来像、普賢菩薩像、弘法大師像などが建立され、また最近も13仏の石像が寄進され霊場としての崇敬地になっている場所である。
青ピンのスタート地点は三和町元宮公園である。ここの公園は長崎市南部にある公園で野球、サッカーなどに利用できる広々とした多目的広場や遊戯広場、また宿泊施設である少年交流センターもあり、子供から大人まで楽しめる施設を備えた公園である。しかし、コロナの影響か今日の利用者は少ない。子どもの広場駐車場に車を停めて出発。
緑に囲まれた曲がりくねった山道を進む。道は登ったり下ったりしながらもすこしづつ高度を上げていく。そして、右手の視界が開けた先に青い海が見えてきた。港は三和町の為石漁港である。ここまで約2キロ、だいたい半分来たことになる。
風に揺れる木々の葉音を聞きながら、山の空気を味わいながら、花の美しさを楽しみながら歩く。白い花をたくさんつけた木が続く。小さな白い花が可憐で美しい。白い花をたくさんつけているこの木の名前は何だろうと思うが、わからない。白い花を通り過ぎてしばらく行くと、男の人に出会う。声をかけて「津々谷の滝」の道を尋ねる。二人で話をしていたら、突然、鳥が近くに飛んできて止まる。「イソヒヨドリですよ。私はこの鳥が好きでね。綺麗でしょう。」と男の人が言う。私は慌ててシャッターを押す。昨年、長崎市は新たなシンボルとして「市の鳥」を決定した。投票結果は1番はハト、2番はイソヒヨドリであった。残念ながらイソヒヨドリは「市の鳥」にはなれなかった。男の人はこのことを大変悔しがっていた。
教えられたように山道を進んできて、いつのまにかスタートして1時間を過ぎた。もうそろそろ「津々谷の滝」に着くはずだけどと思いながら歩いていくと目の前に赤い鳥居が現れた。赤い鳥居は「津々谷の滝」の入り口である。赤い鳥居の横には竜のモニュメントが置かれていた。
鳥居を潜っていくと金網の門扉があり開かないように紐で結ばれている。周りには鹿や猪の侵入を防ぐ金網が張り巡らせてあり、滝に行くにはこの金網の門扉を開けて入る。入ったらすぐに閉めて紐で結んでおく。滝までは足場の悪い山道を200mほど上っていく 。
やっとの思いで津々谷の滝に到着。思ったより水量が少ない。滝の周りには薬師如来、普賢菩薩、弘法大師、不動尊、十三仏などの石像が置かれ霊場の雰囲気に満ちている。
水量が多い時期は上の写真のような風景が見られ、流れ落ちる水の音が鳴り響くようだが、今日は滝の音もほとんど聞こえない。水量の多い時期にまた来たい。(参考)
帰りは今来た道を戻っていく。山の方を見ながら、今度はあの山へ登って見ようとか、あの山へ行く登り口はどこだろうとかいろいろ考えながら歩いていたら、足下、目の前に蛇がいる。思わず立ちすくんでしまった。踏まないで良かった。あと一歩二歩気づくのが遅れていたらと思うとゾッとする。蛇もビックリしたのか道路の途中で止まって動かない。山歩きは気が抜けない。
どんどん来た道を戻る。木の枝に白い札が下げられているのが目に入る。何だろうと思って近づくと「注意 罠あり」と書かれている。イノシシの捕獲用の罠が設置されているようだ。
枇杷の木の畑が続く。ここ三和町は枇杷の産地である。袋掛けが終わったようで枇杷畑は一面白い花が咲いているようだ。枇杷畑の横を通っていたら犬くんと出くわす。犬くんは立ち止まって私に警戒する。「警戒しないでいいよ。何もしないよ。」と言ってみたが、犬くんは来た道を戻って行った。犬くんから怪しいやつと思われたみたいだ。枇杷畑を過ぎたら出発点はもうすぐだ。
今日の8.92kmのウオーキング中に出会った人は5人であった。その中で道を尋ねるなど会話した人は3人で挨拶だけの人が2人であった。また、出くわした犬くんが一匹いた。 一日中家に籠るのは辛い。しかし、コロナは怖いし、発病したらみんなに迷惑をかけるから絶対かからないようにしなければと思う。
今後もできるだけ人に会わないようにしながらウオーキングを楽しみたい。