ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

虚空蔵山に登る

f:id:battenjiiji:20200528193214j:plain

虚空蔵山は長崎県佐賀県との県境に位置する山である。山容がマッターホルン峰に似ていることから九州のマッターホルンと呼ばれている山である。この山容に惹かれて、登りたいと思う人が多い山である。山頂の祠には山名の由来となる虚空蔵菩薩が祀られている。私も初挑戦することにした。

 

f:id:battenjiiji:20200528195420j:plain
f:id:battenjiiji:20200528234530j:plain

赤ピンからスタートして矢印方向に進む周回コース。距離3.10km、上昇高度260m、天気晴れ、温度21度、湿度48%

 

f:id:battenjiiji:20200528201802j:plain
f:id:battenjiiji:20200528201635j:plain


虚空蔵山へのルートはいろんなルートがある。私は川棚町の木場登山口から登ることにした。高速道路を東彼杵インターで降りて川棚町を目指す。川棚町から林道を通って木場登山口(海抜350m)に到着。そこで準備運動をして登り始めようとすると登山道の入り口に川棚町長名で登山自粛の張り紙がある。緊急事態はすでに解除されているのだから、早く剥がせばいいのにと思って見ていると駐車場にいた人が「その自粛の貼り紙について、役場ではそのような貼り紙はしていないという返事でした。あの貼り紙は自粛警察によるものです」という話であった。ここにも自粛警察はいるのかと驚く。

 

 

f:id:battenjiiji:20200529101215j:plain
f:id:battenjiiji:20200529101553j:plain

登り始めると踏み固められた細い山道の坂が杉林の中に続いている。森林浴を楽しみながらリボンを見ながら登っていく。林の中の小道を歩きながら時々深呼吸をする。清浄な空気をいっぱい吸って吐き出す。空気が美味しいと感じる。この爽やかな空気には森林浴効果でよく言われるフィトンチッドマイナスイオンが多く含まれているのだと思う。栄養のある森の空気は私にとってご馳走だ。

 

f:id:battenjiiji:20200529143022j:plain
f:id:battenjiiji:20200529143059j:plain
左:展望所案内板 、右:展望所方向の藪

しばらく行くと展望所の案内板を発見。展望所と書かれていることは良い景色が見れる場所があるという意味だと理解して寄り道したいと思うが、道がない。道は藪になっていてそこに行くには藪漕ぎしていく必要があるようだ。次回、冬場に来た時に行くことにして今回は断念する。

 

f:id:battenjiiji:20200529145218j:plain
f:id:battenjiiji:20200529145823j:plain
左:新道旧道分岐案内板、 右:さらに続く杉林

高度500mまで登ると、新道旧道の分岐点に到達する。案内板にあるように旧道は家族連れコース、新道は冒険コースとある。冒険コースは危険度が高いだけでなくかなり急勾配の体力を要するコースらしい。私は迷わず勾配の緩やかな家族連れコースを選択する。案内に従って杉林が続く旧道を緑を楽しみながら登っていく。

 

f:id:battenjiiji:20200529151938j:plain
f:id:battenjiiji:20200529152213j:plain
左:岩石が露出した山道 、右:頂上近くの石段

落ち葉が降り積もる土道を登ってきたが、いつの間にか土道がなくなり、岩石が多くなる。足元に注意して、石を踏みしめながら滑らないように注意して登って行く。ロープが設けられている場所が多くなってきた。頂上に近づくとしっかりと組まれた石段がある。誰がいつこの石段を作ったのだろうと思う。昔の人に感謝して石段を登る。

 

f:id:battenjiiji:20200529155333j:plain

虚空蔵山頂上から川棚町方面遠望
f:id:battenjiiji:20200529155631j:plain
f:id:battenjiiji:20200529155743j:plain
左:大村市方面遠望 、 右:高見岳(538m)

虚空蔵山の頂上に到達。頂上からの景色はとても良い。特に西方面と南方面は断崖絶壁になっており遮るものが何もない。下を見ると怖い。1番視界良好な場所に陣取ってそこでお昼を取る。食事を終えて下山の準備をしているとご夫婦の二人連れが登って来られた。「どのルートから来ましたか」と尋ねると冒険コースを登ってきたという。女性が「冒険コースをやっとの思いで登ってきた。怖いしとてもきつかった。上りはどうにか来れたが、下りは無理。下りは家族コースを行きます」と話されていた。お先に失礼しますと言って下山する。もちろんコースは予定通り冒険コースをとる。

 

f:id:battenjiiji:20200529163057j:plain
f:id:battenjiiji:20200529163233j:plain
左:痩せ尾根の冒険ルート 右:痩せ尾根の鎖場

頂上から下りたらすぐに冒険コースの分岐がある。そこを左に折れると尾根に乗る。尾根伝いに進んでいくと道はだんだんと細くなり痩せ尾根のルートになる。左右は断崖の痩せ尾根のデコボコした山道が続く。先ほどの女性が怖かったと言われていたのはこのことだと納得する。このような痩せ尾根の登山道を時には鎖を頼りながら慎重に降りていく。 

 

f:id:battenjiiji:20200529164650j:plain
f:id:battenjiiji:20200529164750j:plain
左:下山した西登山口 、右:西登山口で出迎えてくれたヘビさん

冒険コースを時間をかけて下山し、西登山口に無事到着。ここから出発点の木場登山口まで林道を約20分ほど下っていく。のんびり出発点目指して林道を歩きはじめたら道の真ん中に蛇がいる。その場所が気に入っているのか動かない。お邪魔しないようにソッと通ることにした。
 

f:id:battenjiiji:20200529165811j:plain

川棚町から見た虚空蔵山

今日は思い立ったが吉日とばかり念願だった虚空蔵山に登ることができた。森林浴とともに痩せ尾根登山のスリルも味あうことができた。今は快い疲れとともに念願が果たせた満足感に浸っている。この山容はいつ見ても美しいと思う。これが低山だけど九州百名山に数えられる所以である。