「メダカに学ぶ生物学」という本を読んで、メダカに興味を持った。子供たちが家を出てからは、もう何年も生き物を飼うことはしなくなった。でも今回、生き物に対する好奇心からメダカを飼いたいなあと思った。昔、子供が金魚を飼っていた時の水槽を出してきて点検すると問題なく使えるようである。そこで6月18日、趣味としてメダカを飼っている友達の家に行って10匹のメダカを貰ってきた。
もらってきたメダカは楊貴妃4匹、シロメダカ6匹の合計10匹である。それと同時に水槽の掃除当番として小さなエビを4匹もらった。楊貴妃というメダカは改良を重ねて、朱赤の体色になったメダカの品種で観賞用メダカのブームを引き起こしたメダカである。赤い体色から楊貴妃という女性的な名前がつけられているが雌とはかぎらない。
また、エビはヤマトヌマエビという川エビである。この川エビはメダカと相性が良く共存するそうだ。川エビを混泳させるメリットは川エビが水槽に発生する苔の掃除とメダカのエサの食べ残しの処理をするそうだ。
10匹のメダカをもらったが、最初は雌雄の区別がよくわからなかった。ヒレの形で雌雄を判別するという説明を受けていたが、微妙な違いがわからないまま放っていた。そのような中、1匹のメダカがお腹のところに卵をひとかたまりにして付着しているのを見つけた。卵をお腹につけているメダカは間違いなく雌であると確信した。
「メダカに学ぶ生物学」を読むと産み出されたメダカの卵は、受精してしばらくの間は、お腹に付着しているらしい。
卵をお腹につけたまま泳いでいるメダカを毎朝見ていたら、この卵は毎朝、産卵していることに気づいた。前日に産卵した卵はしばらくはお腹につけたまましているが、時を見て、水草にこすりつけて放置するようだ。。水草などにこすりつけられた卵は、そこで発生が進むらしい。
水草にこすりつけられた卵を観察していると、1週間くらいすると白い卵の中に黒い点が見えてきた。この二つの黒い点はメダカの目ではないだろうか?水草にこすりつけられた卵は水に揺られながら卵の中で細胞分裂しながらメダカの器官を一つづつ確実に作っているのだろう。孵化まで無事に発生が進むことを祈るばかりである。
卵の中に二つの黒い点が見えて4〜5日経った。毎日この黒い点のある卵の様子を見るのを楽しみにしてきた。ところが、今朝は黒い点のある卵が見えない。どこを探しても見えない。なくなっている。あの卵は食べられてしまったのだろうか?いや、大きなメダカが食べるというので、メダカがいない容器に移したのだから食べられるはずがない。では、どうして卵はないのだろうと目を凝らして水槽をみていくと、小さな小さなメダカが泳いでいる。体長2〜3mmの小さなメダカさんが元気そうに泳いでいる。無事孵化完了。泳ぎも上手い。
別の水草を除くと卵が4個見つかった。黒い点がはっきりしている。孵化も近い。新しく水槽を準備しなければと思う。