ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

NYタイムズが報道拠点をソウルに移す

先日、ネットニュースで「ニューヨークタイムズがデジタルニュース部門の拠点を香港から韓国・ソウルに移す事を決定した」というニュースを見た。中国政府が、香港における言論の自由など人権を著しく弾圧する「国家安全法」を施行したことを受けたもので、「国家安全法」には「外国メディアの管理強化」も明記されており、今後どのような影響が出てくるか不透明として、NYタイムズは拠点を分散させる必要があると判断したようだ。

 

 

ニューヨーク・タイムズの香港脱出は当然と思うが、なぜ日本の「東京」でなく韓国の「ソウル」なのだろうと思ってニュースを読み進めるとその理由が語られていた。

  ニューヨークタイムズによれば、移転先としては韓国・ソウル以外にも、シンガポールバンコク、そして日本の東京も検討されたが、「ソウルを選択する様々な理由のなかでとりわけ、韓国は外国企業に対して友好的であること、報道の独立性が確保されていること、、主要なアジアのニュースにおける中心的な役割を果たしていることが、魅力的であった」と述べていた。

 

つまり、シンガポールやタイのバンコク、日本の東京は韓国ソウルに比べると、外国企業に対して排他的で、報道の独立性にかけると判断されたということである。

 

日本の報道の独立性については、私自身、日頃から不満に思っているところでもあり、反論できないのは日本人として、恥ずかしい限りである。

 

報道の独立性については、たとえばフランスに本部を置く国際的なジャーナリストのNGO国境なき記者団」が毎年、「報道の自由度ランキング」を発表している。

日本は、民主党政権時代の2010年には11位だったのに対し、第二次安倍政権発足以降急落し2013年53位、2014年59位、2015年61位、2016年72位、2017年72位、2018年67位、2019年67位。2020年は66位だった。安倍政権では低評価が続いている。

G7のなかで最下位なのはもちろん、日本より下にランクされているのは多くは独裁国家や軍事国家ばかりで日本は民主主義先進国とは言えない状態にある。

ここ数年、安倍政権によるメディアへの報道圧力によって日本に報道の自由がなくなってきていることは、国際社会で半ば常識になっているようだ。

 

安倍政権の報道圧力は、国連でもたびたび問題を指摘されており、2016年4月には、国連特別報告者、デイビッド・ケイ氏(米カリフォルニア大学教授)による調査で「日本の報道機関の独立性は深刻な脅威に直面している」と指摘された。

 

その中で、特に、安倍政権が放送法を盾に放送メディアに圧力をかけていることを指摘して、ケイ氏は、放送法4条に記されている政治的公平について「何が公平であるかは政府が判断するべきではない」とし、当時、高市早苗総務大臣が国会で「電波停止もありうる」と発言したことに関連して、「政府は脅しではないというが、メディアは脅しと受け取る」などと、政府による報道圧力を危惧した。そして、「政府は放送法4条を廃止して、メディア規制から手を引くべきである」と述べ、政府以外の独立行政機関が監督すべきだとの考えを示したが、今もって改善されていない。報道の自由度は低評価のままである。

 

日本では、北朝鮮の発表するニュースについて、あちらの国の発表は大本営発表だから信頼できないという人が多い。北朝鮮の報道を非難する人に対して、私は「日本は大丈夫ですか」と問いたい。私は日本も北朝鮮とあまり変わらないように思える。政府にとって都合のいいことは報道できるが、都合の悪いことは自由に報道できない環境下にある。国民に真実が伝わらない国つくりがなされている。日本という国は、国際的に報道の自由度は決して高くないことを国民全員がしっかりと自覚すべきである。全てはそこから始まるような感じがする。