台風の影響でしばらく天気が悪かったが、今日の天気予報は晴れである。今日は、久しぶりにサイクリングに行くことにした。サイクリングコースは香焼小学校を出発点にして伊王島の最西端にある灯台まで行って戻るコースである。
香焼小学校前をスタートしてすぐに香焼桟橋の前を通る。桟橋に停泊中の船に朝日が反射して眩しい。しかし、風が涼しい。台風が過ぎて秋の天気図になったのだろう。「小さい秋見つけた」というような感じである。しばらく行くと魚見大橋である。魚見大橋の下は上り坂になっている。頑張って上っていく


魚見大橋を通り過ぎると今度は下りになる。そして左手に海が開けてくる。海はどこまでも青く、空は雲ひとつない快晴である。涼しい爽やかな風を受けながら快走していくと香焼トンネルに出る。香焼トンネルを抜けると伊王島は近い。


香焼トンネルを抜けたら、目の前に伊王島大橋が見えてくる。伊王島大橋ができる前は船でしかいけなかった伊王島もこの大橋の架橋によって気軽に行けるようになった。伊王島大橋の白は青い海によく映える。また緩やかにカーブするシルエットが美しい。伊王島大橋から見える大きな島は高島である。高島の横に小さく見えるのは通称軍艦島と呼ばれる端島である。




伊王島大橋を渡って伊王島に入ると目の前に伊王島教会が現れる。昔、伊王島も隠れキリスタンの島であった。明治6年(1873年)禁教の高札が撤去されると伊王島の潜伏キリスタンは次々とカトリックに復活した。


教会の下を通って伊王島アイランドのメインストリートを進む。伊王島はリゾートアイランドである。テラスロッジ、ミナトホテルなどのホテルが立ち並ぶ。その横を過ぎていくと伊王島桟橋が見えてくる。伊王島アイランドには海路で上陸するのも楽しい。


ホテルを過ぎて温泉センターを過ぎると伊王島海水浴場に着く。伊王島海水浴場はスペイン語で「コスタ・デル・ソル」という名前がつけられている。「太陽の海岸」という意味らしい。ここには、海上アスレチックや2カ所の子供用プールなども設けられていて設備は充実している。。この時間まだ人気はないが、今日も賑わいそうだ。


「コスタ・デル・ソル」の長いビーチを往復して、次は伊王島灯台へ行く。これから海抜0メートルから今日の最高高度78mへ一気に上っていく。今日一番のハードワークである。頑張って自転車のペダルを踏んで進んできたが、とうとう、途中から自転車を押して上っていく。そしてようよう到着。伊王島灯台は慶応2年(1866年)全国8ヶ所に設置された灯台の一つである。灯台からの眺めを愉しむ。灯台には岬カフェがあるがまだ開店していない。いつかこのカフェでコーヒーを飲みたい。


伊王島灯台までは往路であったが、伊王島灯台を満喫した後は帰路になる。帰路は「千畳敷き」、「俊寛僧都の墓」、「畦の岩這」を通って行くコースである。
最初の「千畳敷(せんじょうじき)」へ下って行く。千畳敷は安元3年(1177)頃、平家謀反の罪で捕らえられ、この伊王島に流されてき人たちがこの岩場で舞をしたという言い伝えがある場所である。
舞舞台の千畳敷を見た後は、平家打倒の陰謀(鹿ケ谷の陰謀1177年)が露見し捕縛され、島流しの刑でこの地に流され、この伊王島で亡くなったと言われている俊寛僧都の墓にお参りする。俊寛僧都の墓碑の横には北原白秋の歌碑が建っている。歌碑の案内には
「昭和十年、北原白秋は伊王島を訪れ、俊寛の哀史に心打たれ、歌を詠んだ
いにしえの 流され人も かくありて すえいきどおり 海をにらみき」と記されている


俊寛僧都墓碑へお参りした後は、「畔の岩這(あぜのいわばえ)」に行く。「畔の岩這」は海岸の岩が、波の浸食によって宮崎県青島の「鬼の洗濯板」に似た風景が見られる場所である。この場所は海に沈む夕日を眺める絶好のポイントと聞いたことがある。今日は朝日だから関係ない。今度夕日の時間にも来てみたい。


「畔の岩這」を過ぎたらあとは右手に海を見ながら、海岸線を走る。潮の香りを感じながら山の緑と青い空と青い海に囲まれてのんびりとペダルを踏む。時折、ランニングする人、サイクリングする人とすれ違う。お互い笑顔であいさつする。ランニング女子のファッションはオシャレでカッコイイ。


伊王島大橋が見えてきた。伊王島大橋を渡りきれば出発点は近い。 伊王島灯台から帰るとき、灯台の出口に『「また来てね」ボード』が置いてあった。日本語だけでなく韓国語、英語、中国語でも書いてあった。英語、中国語は分かったが韓国語は全くわからなかった。あとで調べたら「ト マンナヨ(またお会いしましょう)」という意味であった。
一番近い隣国である韓国や中国の言葉を学びたいと思った。


左:伊王島大橋 右:また来てねボード
爽快なサイクリングでした。また挑戦したい