ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

ときめきを感じない総裁選

サンデーモーニングを見た。

その中で、安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選が話題になった。自民党総裁選に立候補したのは石破茂元幹事長、菅義偉官房長官岸田文雄政調会長の三氏である。

総裁選挙は安倍政権の路線継承か修正かを争点として争われると思っていたが、実際には、総裁選は安倍政権の継承を掲げ、党内5派閥の支持のもと所属議員の8割の支持を取り付けている菅氏が楽勝で圧勝するようだ。

 

そのような状況の中、サンデーモーニングの各コメンテーターからは、国民目線から何一つときめきを感じない総裁選挙、安倍政権の負の側面まで継承する亜流安倍政権誕生選挙、自民党の国会議員による保身と打算の勝ち馬に乗るための総裁選選挙、道徳教育の推進を進めきた安倍政権が残したウソ、改ざん、買収などをそのまま放置して今後どうして道徳教育ができるのかなどの意見が出されていた。

 

毎日新聞の全国世論調査では、「次の首相に期待するのは安倍政権からの継続性か、それとも政策や政治姿勢の変化か」という質問に対して、「継続性を期待」は33%で「変化を期待」は55%であった。

 

菅氏は安倍継承を主張するが、それは身内の論理であって、決して国民の考え方ではない。安倍政権下の世論調査では改憲や安保法制、年金、消費税など個別の政策については6〜7割が不支持であった。また、モリカケ問題、桜問題、IR汚職、河合夫妻の選挙買収問題などの安倍政治の負の遺産も菅氏は継承することになるが、過去の解決済みの問題などという発言には納得できない。

 

安倍政権時代の世論調査で、安倍内閣支持の最大理由が、他に適当な人がいないということだった。これも虚構であったことが明確である。今回の総裁選の演説を聞いて、安倍首相や菅氏よりも石破氏や岸田氏の方がまともな政策と国家観を兼ね備えていることを知った。

 

この総裁選挙がときめかないのはメディアにも責任の一端があるように思う。総裁選のポイントを菅氏の勝ち方と2位争いなどと勝敗だけにこだわった報道を行い、総裁選後の人事をめぐる自民党内の身内の争いを重大事項のごとく報道するなどしているがこれほど国民を白けさせることはない。菅氏で決まりの諦めムードを助長するだけである。

 

自民党は、どうしてこのような内向きばかりの姿勢になるのかと不思議に思っていたら、「自民党政権が握っている既得権益を守るため、長期政権のよどみが詰まった見られたらまずい「パンドラの箱」を石破氏だと開けかねないと利害が一致して、寄ってたかって石破潰しと権力維持を目的で菅氏を担ぎあげている図である」と高千穂大学の五野井教授は述べている。

菅氏の演説を聞くと、日本国をこのような国にしたいという、国民から支持される首相としての日本の未来図も持っていないように思う。しかし、「自民党内では中身はともかくとして党益に反しない、支える側にとって都合の良い人選が行われる。それは腐った内向きの論理です。外交・安保の経験ゼロで安倍首相と同じく原稿棒読みの菅氏が各国のリーダーと渡り合っていけるとは思えない。」とも述べている。

 

「いまの自民党は党員・党友票を省いた総裁選が象徴的であるように、国民の多様な意見を聞くかつての国民政党の姿を自ら放棄している。菅氏の「安倍継承」とは人事を牛耳る官僚支配、疑惑隠し、メディア支配、身内びいきなどの独善的な1強体制を引き継ぐことを意味している」と法政大学の五十嵐教授は語っている。

 

サンデーモーニングのコメンテーターの皆さんの意見と同じようなことを五野井氏や五十嵐氏も述べている。自民党には自浄能力はないようだ。野党を大事に育てていかねばと痛感する。