ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

大坂なおみさんを賞賛

 

 

テニスの4大大会の一つである全米オープン女子シングルス決勝で大坂なおみさんが元世界ランキング1位のビクトリア・アザレンカさんに1ー6、6ー3、6ー3で逆転勝ちして2年ぶり2度目の優勝を果たした。

大坂なおみさんの復活の姿を見れて大変嬉しい。

 

ビクトリア・アザレンカさんとの決勝戦は決して楽な試合ではなかった。第1セットではアンフォースト・エラー(自己ミス)を13本を出すなど集中力にかける試合展開であった。コートチェンジの時にはタオルで頭を覆い、不安な様子を見せていた。試合中にフォアハンドストロークを大きく外すといらだった大阪選手がラケットを地面に投げる場面もあった。結局6ー3で第1セットを先取され苦境に立たされた。全米オープンの決勝戦では第1セットを先取した方が勝利するというジンクスがあるほど重要な第1セットであったが、落としてしまった。

不安な幕開けの試合展開であった。

 

「このまま1時間以内で負けたりしたら恥ずかしすぎると、そればかり思っていた」と試合後にその時のことを語っていた。「このまま一方的に負けることは我慢できない。相手に勝つことを意識するより、相手への闘争心を燃やしたい。第2セットからは全てのポイントで相手に挑み続けよう。相手に挑み戦い続けよう。」そう思いながら自己を奮い立たせていた。

 

大阪選手は、昨年のウインブルドン(全英オープン)で1回戦敗退を喫した。その試合ぶりから大坂選手はメンタルの弱さを指摘されることがあったが、今回、大坂選手は精神的たくましさを身につけていた。

第2セットで大坂選手が0ー3と引き離されそうになった場面で、強烈なフォアハンドでピンチを脱しアザレンカに傾いていた大局を引き戻した。崩れないたくましさが試合の流れを大きく変えた。その後は一進一退する場面ではミスを抑え耐えに耐え、チャンスで猛攻をしかけ優勝を決めた。

全米オープンの優勝は、苦境でも自分を見失わない大坂選手の強さという精神的成長の賜物であったように思う。

 

今回、大坂なおみさんはテニスの活躍によって全世界から注目を集めるとともに、彼女が人種差別に抗議するマスクを着用し続けたことによりさらに注目を浴びることにもなった。

 

彼女は今回、決勝までの試合数と同じ7枚のマスクを準備して試合に臨んだ。そのマスクには人種差別の犠牲となり亡くなった黒人の名前がプリントされていた。彼女は試合ごとに違ったマスクをつけて試合に臨み、約束通りに全てを披露した。私は今回決勝までの7枚のマスクを準備したが、人種差別による被害者はこの7人だけでなくもっともっと多いという現実はとても悲しいと語っていた。

優勝直後のインタビューで「あなたがマスクに込めたメッセージは何か」と問われ、大阪選手は「このマスクを見て皆さんが何を思うかが大切です。疑問に思うことが大切。みんなが話をすることが大事。考えるきっかけになってほしいと思う」と語っていた。

大阪選手は自信たっぷりにプレーするだけでなく、確信に満ちながらも淡々と、自らの影響力を社会正義の推進に生かしている姿は素晴らしいと思った。

 

選手としても社会人としても大坂選手は素晴らしいと書いてきたが、私が1番好きな要素は彼女の発言いわゆる「なおみ節」である。

全米オープンの表彰式で、準優勝のビクトリア・アザレンカさんが「また、決勝で大坂選手とプレーしたい」と言ったことについて大坂選手は「あなたには敬意を表します。あなたは、決勝でまた、私とプレーしたいと言っているが、私は二度としたくない。あなたは強すぎる。」と答えている。大阪選手の見事なジョークでの切り返しにはいつも喝采を送っている。