伊王島アイランドにスパができたと聞いた。子供連れで楽しめる愉快な施設という話である。関東に住んでいる孫が来た時に使えるかもしれないと思い、下見に行くことにした。
月曜日、午前10時半、駐車場にはたくさんの車が停まっている。かなり人気のようだ。入口の看板には「大型温泉、スパテーマパーク長崎温泉 Ark land spa」と大書きされている。ここの場所は以前は「島風の湯」という温泉施設があった場所である。「島風の湯」という温泉施設の中にさらに楽しいパークという要素を取り込み、施設を拡張してスパテーマパークとしてオープンしたようだ。
玄関を入ると、靴を脱いで靴箱に靴を入れる。施設の中の料金清算はこの靴箱のキーで管理される。温泉入浴料、スパ利用料、レストラン料金などはキーをかざして記録し、退場する際に一括清算するシステムになっている。フロントで受付をして水着、タオルなどを受け取り入場する。入場したら左に行くと「スパテーマパーク」まっすぐ廊下に沿って進むと温泉施設である。まず「スパテーマパーク」に行くことにする。
気持ちの良い板張りの廊下を進んでレストランの前を通りロッカールームに行く。ここで水着に着替えてスパテーマパークに進む。スパテーマパークはいろんな形の温水プールがいくつも並んでいるような感じである。子供たちが楽しそうに温水プールで遊んでいる。
スパは温泉を楽しむ施設である。いろんな温泉の楽しみ方ができるように様々なスパが準備されていた。
まず最初に、ウエルネス・ウオーキングスパ(水深1.1m) に行く。案内には「気持ちのいい独特の浮遊感を楽しめる水中ウオーキングスパ」とあった。このスパだけはトレーニングができる。ここは水中歩行しながら筋肉を鍛えることができるスパである。 関節に負担がかからないトレーニングなので膝が弱い方には最適である。私は1周約40mのコースを5周歩いてみた。最初の1〜2周はスイスイだが3周目からは足にかかる水の抵抗が急に重くなる。速度も落ちる。でも最後までやり通した。その結果、太ももがこわばる感じになった。普段から鍛えていないから水中歩行200mでもきつい。体力の低下を自覚する。
次に、ボタニカル・サークルスパ(水深1.1m)に行く。このスパは森の中の湖をイメージされているような作りである。水の色は森の木々の色を写して緑である。中心の円形部分はベンチになっている。そのベンチに座って肩までつかると天井の緑が水面に映り、まるで森の中の湖に入っている感じになる。身体の力を抜き、水に体を委ね、植物の緑に囲まれて自然と一体化した世界を満喫する。
リビングスパ(水深0.6m) に行く。リビングスパはリビングをそのまま水中に作っている。床はリビングだからフローリングである。ウッディな雰囲気が気持ちを和ませる。周りは椅子になっていてその前にはテーブルが置かれている。自宅のリビングでくつろぐように、水中リビングで足を伸ばしてくつろぐ。
インドアジャグジー(水深0.6m)へ行く。 このプライベートジェットバスが室内にも、屋外にもたくさん設置されている。それにこのジェットバスの水流の質が調節できるのが良い。波から揺らぎまであり、また強弱の調節も意のままである。プライベート空間でジェットバスを自由にのびのびと楽しめるのがいい。
次にシルクバス(水深0.6m) へ行く。「シルクバスはミクロ単位の超微細気泡をたっぷり含んだお湯が、マイナスイオンの放出や美肌マッサージ効果を促進して優しくお肌を包み込む新感覚のお風呂です」と案内にある。若い女性二人が先に入っていた。「おじさんも一緒に入っていい? 」と聞くと、「どうぞ、どうぞ、」とお二人とも歓迎してくれた。「あなた達は二人とも肌は綺麗だし、色は白いし、シルクバスに入る意味がないみたいね」と言ったら「そんなことありません」と謙遜して笑っていたが、そのうち二人とも出て行ってしまった。おじさんが余計なことを言ったかなと反省する。
次に屋外のインフィニティ寝湯(0.35m)に行く。この寝湯は横になってリラクゼーションを楽しめる施設である。温泉に浸り、海を見ながら水面に浮かぶヒノキに足を乗せて、海に浮いているかのような心地よい感覚で心身の疲れを癒すことができる。このリラクゼーション効果は伊王島温泉の泉質が潮湯であることからタラソテラピー(海洋療法)による効果と言えるのだろう。この寝湯は気持ちがいい。
屋外施設にはデッキチェアーの寝湯が楽しめる施設もあった。その先には天然温泉をそのまま楽しめる岩風呂が作られていた。目の前に広がる海を眺めながら、海風を感じながら自然の恵みを感じると心が安らぐ。
小学生からは大人と一緒にいろんなスパを楽しめるが、幼児には深すぎて難しいかなと思っていたら、しっかりと幼児用温水プールも準備されていた。ここでは小さい子どもさんたちが仲良く遊んでいた。ここの施設のいいいのは浮き袋など遊び道具が全て準備してあるので持ち込む必要がない。手ぶらで来て十分楽しめるのがいい。
いろんなスパを楽しんで疲れたので少し休憩したいと思った。ロッカールームに戻り水着から館内着に着替えて“ブックテラス”と呼ぶ休憩室に行く。休憩室は広くてきれいである。そして使い方自由である。どこでも気ままに使い方自由である。部屋の中央に置かれている大きな本は階段でもあり椅子でもある。また、昼寝したければハンモックでもテントでもカプセルでも自由である。
休憩室の奥にはウッドデッキが作られている。海が見えるウッドデッキで潮風を受けながら陽光を浴びながらひと時を過ごすのも悪くない。私は休憩室でコーヒーを飲みながら本を読んでいたら眠くなった。カプセル式の個室で昼寝を楽しんだ。
「アークランドスパ」は楽しい。暑い湯に入る温泉もいいが、体温に近い温度の温泉に入り、温泉水の浮力や水圧を利用して体に心地よい刺激を与えると楽しみながら心身のリラックスを得ることができる。これはくせになりそうである。孫が楽しめるかを下見に来たが、スパは孫以上に高齢者が1番楽しめる施設だということがわかった。また行きたい。