ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「3ジジ放談」を見る

平野貞夫さん、佐高信さん、早野透さんの3ジジ放談をネットで見た。

 

今日のテーマは「危険な3ジジ!菅の正体〜企てを見逃すな」であった。私はこの放談のフアンで時々見ているが、時事放談を3人の爺じが行うので3ジジ放談というようだ。早野さんが司会役で、平野さんや佐高さんの情報や意見を引き出していくが、3人の歯に衣を着せない話は世の中の動き、流れを見る上でとても参考になる。とくに政治については、テレビでは多くのコメンテーターが政権に忖度した意見や政権におもねる話をすることが安倍政権でも菅政権でも多く見られ、テレビの話は信用できない状態にある。しかし、3ジジ放談はダメなことはダメとありのままに意見をいうし、現在起こっていることを深く掘り下げて解説してくれるのでわかりやすい。こういう番組はNHKの教育テレビで流してもらいたいと思うくらい良い番組である。

 

まず、最初の話題は大阪都構想についてであった。

大阪都構想住民投票が行われて橋下氏、松井氏、吉村氏などの維新の会が推進する都構想が二度目の敗北をした。この都構想の計画は菅政権の中枢を担う竹中平蔵が関わっていて、大阪の都構想は菅政権と密接な関係にある。この都構想の目的について、推進する維新の会は二元行政を一元化して無駄を除く、公務員の整理、効率的行政の推進など立派な名目を掲げているが、都構想を推進する本当の目的は大阪市の公共資産を外資に売却することである。大阪には外資が狙っているさまざまな公共資産がある。例えば、大阪市の地下鉄事業、水道事業、スマートシティ事業、IR事業(カジノ)などそれらの公共資産を売却しやすくするための手段が都構想であるという説明であった。仮にそれらの資産を外資に売り飛ばすと一時的には黒字になるが、しかし、それは日本解体を意味することになる。竹中平蔵を始め維新の会がいう規制緩和行政改革は全て外資に公共資産を売却するという利権につながっている。

今回、二度目の住民投票の敗北を受けて、敗北直後、松井市長、吉村府知事ともに、今後都構想を提案することはしないと言っていたが、2日後、両氏は今後、住民投票はしない。維新の会と公明党府議会、市議会の各議会の過半数を占めているので府と市の行政一元化の条例を作って都構想を推進するということを言い出した」という話であった。どうしても公共資産の売却という利権を諦めきれないらしい。

 

続いて、学術会議任命拒否事件について語っていた。

学術会議の問題から話が色々な方に飛んだ。例えば、辺見庸さんが菅首相の顔は特高顔であり公安警察顔だといったところ、図星をつかれた菅首相は怒ったと言う話があるという話だったり、菅政権の底は大阪都構想の底でわかったように利権である。現在の自由民主党は昔の自由民主党とは違う。今のは自由利権党もしく自由世襲党と読んだ方が正しいかもししれないと言っていた。話が的確で面白い。                          

 

佐高氏が学術会議問題に関連して野党に提案していた。

学術会議の問題を国会で論戦するときに、野党はぜひ、菅内閣内閣官房参与を務めている高橋洋一東洋大学教授の件を菅首相に問いただしてもらいたい。なぜなら、高橋洋一教授は窃盗事件で逮捕され、東洋大学を懲戒解雇になった教授である。窃盗事件で逮捕歴のある教授は内閣官房参与という表舞台に出る資格はないと思うが、学術会議任命拒否問題を見ると、窃盗犯は良くて、批判的な人はダメというように思える。高橋洋一教授の任命と学術会議の任命拒否の菅首相の見解を尋ねて欲しいと言う意見を述べていた。どんなに素行品行が悪くても政権に批判的でなければ重用する。しかし、どんなに品性が良くても批判的であれば重用しないというのは日本国の利益にとって、また社会の尺度から考えて、逆ではないかと思うが菅首相の考えを尋ねてほしいという意見であった。

 

また、平野氏は学術会議事件について、

学術会議任命拒否事件は学問の自由の侵害であり、異なる意見を認めないという議会制民主主義の破壊に関わる問題であると語っていた。共産党の志位委員長の国会発言の中に、菅首相のことを正常な議会人とは認められない。日本国はかつて国家を大きく破壊する分水嶺に入ったことがあるが、学術会議任命拒否事件は今まさに、国家を破壊する分水嶺に入ろうとしていると指摘していた。平野さんは、志位さんの厳しい糾弾を支持しながらも、菅首相はその分水嶺をすでに超えたと述べ、日本国は、菅内閣によって完全にカモフラージュ・デモクラシーのファシズム国家になりきった。それが菅首相の学術会議任命拒否事件であると平野氏は断言していた。

 

最後に佐高さんが話を結んでいた。菅首相と同じ秋田県横手市むのたけじさんがいた。むのさんは戦後、朝日新聞を辞めて、郷里の横手市で「たいまつ」という小さな新聞を出版していた。地方の政治、経済など市民生活に直結する事柄に注目し、真実を追求し続けてきた。そして「たいまつ16年」という本を出したとき、たいまつ誌上でむのさんから批判されてきた市長、市議会議長など3名からお祝いをしようと申し出があった。「あなた方を批判してきた私を、なぜ祝ってくれるのか」とむのさんが彼らにたずねたら、「あなたは私の悪口を言った。批判をした。あなたは私の敵だから、大事にするんだ。(批判されたら、次はもっと賢くなり成長できるからね)」と彼らは言った。この横手市の市長には民主主義の根本思想がしっかり根付いていたとむのさんは語っていた。菅首相には秋田の郷里の先輩から民主主義の根底にある思想をしっかりと学んで欲しかったと佐高さんは述べていた。

 

3ジジ放談で3人の軽妙な語りとやりとりを聞くと楽しくなる。国難ともいうべき深刻な状況には違いないが、3ジジに学び、笑いを忘れないようにしたい。