ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

金比羅山と紅葉狩り

 

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G点から金比羅山山頂までの往復コース、距離4.2km、最低高度163m、最高高度366m、総上昇高度302m、消費カロリー754kcal、天気曇り、温度12度、湿度55%

各地の紅葉の話題をテレビで見て私も紅葉狩りに行きたくなった。近くで手軽に行ける場所ということで金比羅山に行くことにした。5〜6年前連れ合いと一緒に紅葉狩りに行った場所である。その時は一番良い時期で見事な紅葉であった。今年も期待しながら連れ合いと一緒に紅葉狩りを楽しんだ。 

 

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立山町金比羅山登山口から登ることにした。金比羅神社一の鳥居を通って登山口に進む。今日の天気は一日中曇りという予報であったが、一の鳥居の前で快晴になった。気持ちの良い青空である。心地よい陽の光を浴びながら「長崎金星観測碑・観測台」の案内板の前を通って登っていく。

 

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15分ほど登ってくるとニの鳥居に着く。この辺りから周りの林の中に赤く色づいた紅葉が見られるようになる。小鳥のさえずりを聞きながら登っていく。

  

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3の鳥居を過ぎた先に社殿、社務所の建物が見えてくる。金比羅神社到着。ここ金比羅神社境内は、昔から長崎市民にとって紅葉狩り景勝地である。案内板に「ここ金比羅山は古くは瓊杵山(二ギヤマ)または崇岳(タカダケ)と呼ばれ、天孫降臨の伝説が伝わる場所である。金比羅山という名称は宝永二年(1705)に吉祥院長慶が讃岐国から金比羅大権現の分霊をこの山に祀って以来、金比羅山(コンピラサン)と呼ぶようになった。弘仁年間(820)この地に神宮寺が建立され、明治維新(1868)になって金比羅神社と改称した」とある。

 

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社殿の周りの木々は錦の織物のように美しく染まっている。緑の葉も中には見られ、全山一色に染め上がるまでにはなっていないが十分楽しめる。錦秋の風情に時を忘れる。

 

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本殿の裏には奥の院へ通じる四の鳥居がある。四の鳥居の前には巨木がそびえたち、鳥居と巨木が向き合っているように立っている。木の前に鳥居がある真相は、昔々、鳥居を建てたとき、鳥居の前に木の種が落ち、そこで芽を出した若木を昔の人は取り除きもせず、邪魔者扱いもせず大事に育て、そのままその地で何十年もかけて成長した結果が鳥居と対面する巨木ができたそうだ。巨木と四の鳥居近辺は愛が満ちたパワースポットとして知られているところである。

 

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金毘羅神社を楽しんだ後は、折角だから金比羅山の山頂を目指すこととした。山頂には金比羅神社奥の院が祀られてある。山頂目指してしばらく行くと変わった形の岩が右手に見えてくる。「ドンク岩」である。この岩はカエルに似ていることから長崎弁でドンク岩と呼ばれている。ひよこに似ているということです「ひよ子岩」という人もいる

 

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ドンク岩を過ぎたら上り坂が山頂まで続く。急がないで一歩づつ登っていく。途中、下山中の人と行き違う。連れ合いが疲れている様子を見て女性の方が「もう少しで頂上ですよ。頑張って。」と声をかけてくれた。励ましを受けて歩みを進めると五の鳥居が見えてきた。五の鳥居の先には奥の院の祠がある。頂上到達である。

 

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頂上からの眺めは絶景である。長崎市内が一望できる。また長崎港方面を見ると遠く港外に続く伊王島や高島そしてその先は東シナ海に続いている。頂上での景色を楽しんでいたら、若い女性3人組が到着した。3人組が記念写真を撮るのを見ていたらシャッターが切れる直前一斉にジャンプして記念撮影に収まっていた。嵐みたいな演出に感心した。ジャンプの写真を褒めたのが縁で一緒に写真撮ろうと5人で記念撮影。若者からパワーをもらう。

 

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下山する途中、長崎県指定史跡の「長崎金星観測碑・観測台」に立ち寄ることにした。観測碑は登山道から150mほど外れて山に入っていく。道はきれいに整備されている。案内に従って進むとピラミッド型の記念碑があった。またその先には当時の観測台の遺構があった。案内板には「1874年(明治7年)12月9日、金星が太陽の前面を通過するという珍しい現象が105年ぶりに起こった。この現象を利用して、地球と太陽との距離を正確に求めるべく、欧米諸国は挙って東アジアに観測隊を送った。観測の適地とされた長崎では金比羅山でフランス隊のジャンセン一行が観測を行い成功した。」と書かれていた。

 

 

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今日の紅葉狩りは楽しいひとときを過ごすことができた。最近はコロナで人とのふれあいも控えねばならないご時世であるが、山ではみんな優しい。ソーシャルディスタンスを維持しながらも気持ちのいい愉快な会話を楽しませてもらえた。今日の紅葉狩りは美しい錦秋の美に触れただけでなく、山でやさしい気持ちに出会えたことも嬉しかった。