ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

桜前夜祭問題と民主主義

アメリカのカマラ・ハリス副大統領は大統領選挙の勝利宣言の演説で、

「民主主義は状態ではない、行動である」、その意味は民主主義は保障されているものではないということです。民主主義を私たちが勝ち取ろうという意思があり、守ろうとすることで民主主義は存在するのです。民主主義はあって当たり前と思わないでいてこそ強いものになるのです。民主主義を守るのは難しいことです。犠牲が伴うこともあります。しかし、民主主義を守ることは喜びがあり進展もあります。なぜなら、それによって、私たちはより良い未来を創ることができるからです」と言った。

 

私はハリスさんの演説を聞いて感動した。ハリスさんの民主主義発言は彼女の歩んできた人生で鍛えられ、彼女の思想となって発せられた言葉であると感じた。民主主義の実現のために血の滲むようような闘いをしてきた人の言葉だと感じた。彼女の一言一句が飾り物ではない本心の言葉、真実の言葉と感じた。

 

日本の政治家でこのような演説ができる人物が何人いるだろうか?原稿なしでは記者会見もできないような日本の閣僚では心に響く演説は無理だろうと思う。二世三世の世襲議員では民主主義のために血の滲むようような闘いの経験などしたことはないだろうし、そのような二世三世の世襲議員が国会議員の半数を占めている日本の政治状況に不安を覚える。

 

日本も民主主義国家である。ハリスさんが言われたように、その民主主義というのは空気みたいにいつも当然のごとく当たり前に私たちの社会に存在しているわけではない。民主主義は守る人がいてこそ、そこに存在するものである。世の中には民主主義が嫌いな人もいる。意図的に壊そうと思う人がいる。民主主義を嫌う人によって民主主義はいつも破壊の標的にされている。

 

今、我が国は民主主義崩壊の危険にさらされている。12月20日サンデーモーニングで安倍前首相の桜前夜祭問題が話題になった時、コメンテーターの青木理氏が民主主義の危機を強く主張していた。

 

現在、安倍後援会が主催した「桜を見る会」前夜の夕食会の費用補てん疑惑に関し、東京地検特捜部の捜査終結後、安倍前首相が国会招致要請に応じる意向を示したことに関連して立憲民主党安住淳国対委員長は「国民が見られる形にしないと意味がない。今年中に実現するのは当然だ」と述べ、衆参両院の予算委員会で説明が必要だと強調した。それに対して自民党は原則非公開の議院運営委員会の理事会での説明を検討していると伝えられている。

 

青木理氏はこのことに関して、

「今回の問題は、首相主催の桜を見る会という会合に(選挙区の)支援者やお友達を大挙招いて、前夜祭をセットしたものであり、トータルで見ると公費を使った有権者買収じゃないのかって思われても仕方ない構図である。そして、大事なことは、行政府の長が国権の最高機関たる立法府に行って説明を求められてこれまで30数回うそをついた。これは三権分立という民主主義の1番の基本をぶち壊すことを結果的に安倍さんはされてきたわけです。となれば国会に言って説明するのは当然です。偽証した場合には、罰則もある証人喚問という形で、行政府の長がうそついたのは一体どういうことだったのかってことを問い詰めるのが野党だけでなく与党の皆さんも怒って説明求めていく姿勢を示さないとこの国の民主主義の根幹が崩れていく」と青木氏は自身の考えを述べていた。私も青木氏の意見に同感である。

 

民主主義を壊すのは庶民ではない。民主主義を壊すのは権力者である。権力者の中にはその権力を背景に自分の利益のために、仲間の利益のために政策を行う人がいる。そのようなことを勝手にさせないために民主的なルールが定められてる。私腹を肥やす為政者にとって民主主義という民主的なルールほど邪魔なものはない。だから、腹黒い為政者は民主主義が大嫌いである。三権分立は民主主義の根幹である。民主主義の根幹が蔑ろにされていることに危機感を感じない国会議員など国会議員の資格はない。与野党関係なく国会議員には民主主義を守るために厳格な行動を求めたい。