薬草で健康第2回を受講する。今日のフィールドは長崎市郊外のこしき岩公園である。今日は快晴に恵まれ青空の下、たくさんの草花との出会いを楽しんだ。
集合地点に行くと先生はすでに到着して手には草の葉を抱えておられる。何の葉ですかと尋ねると「ウドの葉です」と教えてもらった。「うどの大木」と言う言葉があるけど、うどは木でなく草類らしい。「うどの大木」という言葉の意味は、うどの茎は長くなっても柔らかく材としてはつかえないところから、体ばかり大きくて役に立たない人のたとえに使われるが、うどの新芽や茎や葉は食用にも薬用にも使える大変有益な薬草ということであった。食用としては葉は天ぷら、茎は拍子切りにして生で食べるようだ。薬効としては打ち身などの湿布薬を始め頭痛、歯痛、神経痛など鎮痛剤として効果があるらしい。
草にわとこの白い花が一面咲いている。この草にわとこは肥沃地に集団で生えるらしい。漢方では葉を擦って汁をヘルペスの患部につけると治りが早いと言われている。葉や根を乾燥させ粉末にして入浴剤として使用するとリューマチに効果があると言われている。
オニタビラコは日当たりの良い道端や庭にによく生えているキク科の越年草である。長い茎の先に黄色い小さな花が多数つく。茎の上部には葉は少ない。コオニタビラコは春の七草の「ほとけのざ」のことなので、混同されてオニタビラコも七草がゆにつかわれることがあるが間違いである。食用可能である。乾燥した葉は煎じて飲むと解熱鎮痛、抗炎症の効果があるらしい。
ムラサキ色のきれいな花をつけている植物を見ていたら、先生が「それはムラサキケマンという毒のある植物です」と言う。全国各地の主に低地の草地に普通に生えている植物ということであった。ムラサキケマンの花は茎の上部に総状につき花の形は筒状である。誤食すれば、嘔吐、呼吸麻痺、心臓麻痺を起こすと言われている。
先生が地面を指して説明を始めた。ネギ見たいな植物が一面生えている。
のびる(野蒜)と言う名前でユリ科ネギ属の多年草で、全国の野原、河原の土手などに自生しているそうである。昔からニンニク、ニラ、ネギ、ラッキョウと共に 五葷(ごくん)に数えられ、根元に球根状の白い部分がありこれを食用とするそうである。
のびる(野蒜)は葉もたべられるが、葉の形はネギのように筒状ではなく、断面がV字型でニラの様な感じである。のびる(野蒜)は春に野原や土手で、ヨモギなどと共にたくさん見られ、いくらでも採れるので機会があれば収穫してみてくださいとのことでした。ただし、タマスダレとかスイセンなどの有毒植物の葉と似ているので間違わないようにと注意を受ける。
アキカラマツは全国に分布し、水はけの良い日当たりの良い場所を好み主に山野の草地に生育しているようだ。長野県高遠の城下町では昔から、日干ししたアキカラマツを高遠草と呼んで胃腸薬として用いていたという話であった。茎を乾燥させたものを煎じて服用すると腹痛、下痢止め、食あたり、食欲不振などに効能があるという。
フユイチゴは秋に赤い果実を採って食べたことがある。しかし、赤い果実がないときは関心もなく葉を見ても教えられるまで、それがフユイチゴとはわからなかった。フユイチゴはつる植物のように匍匐して地表を這い、高さはせいぜい30cmである。縁には細かい鋸歯がある。また裏面 いは細かい毛がある。
ハコベは、英語で“chick weedヒナ鳥の雑草”と呼ばれ、日本でも「ひよこ草」ともよばれ、小鳥たちが大好きな野草である。もちろん、人間も食用可である。苦味もなくホーレンそうに近い味がするらしい。食用としては天ぷらや和え物に活用できる。また乾燥させたハコベと塩を混ぜ合わせ粉末にして歯磨き粉として使うと口臭予防の他、歯肉炎や歯槽膿漏にも効果があるとされている。
今日のゴールであるこしき岩公園のグランドに到着。グランドの隅に休憩用のフジ棚が作られて、フジの花が見事に咲いている。フジの花は枝に先端から出て下に垂れるように伸び時には100cmにも達し、多数の花をつける。フジは強い日当たりを好むため公園など日光を遮るものがない場所に藤棚を設置して木陰作りに利用されていることが多い。
今日も山道を歩きながら、先生の後を追ってあれこれと教えていただいた。話を聞きながらなるほどなるほどと納得しながらも名前は次々に忘れていく。先生から「さっき出てきたこの草花は何ですか」と問われまともに答えたことがない。それでも先生は、また同じように教えてくれる。新しく知識を得ることは楽しい。やさしい先生に甘えてこれからもついて行こうと思う