ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

終活と片付け

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周りを見渡すと物に囲まれているという感じがする。子供たちが巣立っていき、部屋が空いたことから自分の部屋として六畳の部屋二つを使っている。いつのまにか部屋が物で溢れるようになってきた。連れ合いから終活の時代を生きているのだから物を片付けてくださいと言われている。自分の部屋だから誰にも迷惑をかけていないからどうしようが自由だと思うが、終活を踏まえると片付けが必要かなと思うようになった。

「片付け」と言うと「こんまりさん」こと近藤麻理恵さんの事を思い出した。こんまりさんは片付けコンサルタントで「人生がときめく片づけの魔法」が世界でミリオンセラーになった人である。確か2015年の米「Time」誌が選ぶ「世界でもっとも影響力のある100人」に選ばれた人である。そればかりか『TIME』が選ぶ「21世紀においてもっとも影響力を持つ世界の人物」の50人のうちの1人に、こんまりさんは選ばれている。日本人としてはたった一人だけである。こんまりさんは「人生がときめく片づけの魔法」を世界で1200万部売って印税だけですでに20億を超える収入を得たと言われている。こんまりさんが莫大の利益と引き換えに、世の中に出した価値というのは「モノにはマイナスの価値がある。物をなくしたらプラスの価値が生まれる」ということらしい。私は「3種の神器(電化製品)」の時代に生きてきた昭和世代である。戦争で何もかも無くし無一文から、モノを得るために努力するように教えられ生きてきた世代である。昭和世代には「モノにはマイナスの価値がある。物をなくしたらプラスの価値が生まれる」という価値観は理解しがたものがある。だから、私はモノに埋もれていくのかもしれない。こんまりさんの名前は知っているが実際にこんまりさんの本は読んだことはない。早速、図書館に行ってこんまりさんの「人生がときめく片づけの魔法」を注文した。こんまりさんのその本は現在、在庫にはないが、漫画版なら在庫があるといわれた。「漫画本で結構です」と言って借りてきた。

こんまりさんの「人生がときめく片づけの魔法」漫画版の登場人物は、主人公である29歳の独身OL千秋さんときれい好きなイケメン男子とこんまりさんの3人である。
物語は、片付けができない、ゴミ屋敷みたいな部屋に住んでいる千秋さんが、きれい好きなイケメン男子と出会い、何とか自分も片付けをしたいと思ったことで片付けコンサルタントのこんまりさんに片付けを依頼するということで物語は展開していく。

千秋さんは片付けを依頼したことで片付けコンサルタントのこんまりさんが片付け作業をして部屋をきれいにしてくれるものと思っていた。しかし、初日こんまりさんは作業は何もしないで、ここでどのような暮らしをしたいのか次回までに考えてくださいと言う宿題を出して帰っていった。つまり片付けはあなたの理想の暮らしを考えることから始まりますと言うことであった。

片付けるためには、片付けるという決意が絶対必要らしい。どうしても片付けができない女性という意味で「片付けられない女」という言葉が使われるが、そういう人はいないとこんまりさんは言う。片付けは、片付けるという決意さえあれば誰でもできることらしい。ただ、一旦片付けてもリバウンドでまたきれいな「お部屋」を「汚部屋」にしてしまう人がいる。自分がどのような暮らしをしたいのかという理想像を持たない人は「汚部屋」に戻るらしい。だから、片付けるためには「決意」と「理想」が絶対に必要とこんまりさんは千秋さんに語っていた。

千秋さんの片付けに対する決意と理想の暮らしを、こんまりさんはコンサルタントとして千秋さんから引き出してそれを一緒に確認して、そこから始めて片付け作業に入っていくことになる。

片付け作業は全て千秋さん本人が行う。こんまりさんは片付けのやり方とアドバイスだけを行い、もちろん作業はしない。千秋さんが物を捨てる。千秋さんが物を整理する。そうすることによって千秋さんの心の中にはさまざまな心の葛藤が生じる。そこに、こんまりさんの考え方、判断は迷いを断ち切るような鋭い切れ味を発する。

モノに囲まれることは裕福でなく束縛されること。モノに囲まれることは心が満たされるのではなく心が身動きできないほど不自由になること。モノを片付けることは心を自由にしてもっと心をときめかせることとこんまりさんは語っている。それがこんまりさんが世界中の人々に与えた価値である。
終活の私に残された時間は少ない。それでも、残された少ない時間を心をときめかせるようにと思う。こんまりさんの言葉を実践したいと思う。