朝起きて、天気予報をチェックする。今日の降水確率は30%である。雨雲レーダーを見ると午前中、雨雲は当地に接近しないようだ。雨雲レーダーの案内に「しばらく雨は降りません」という表示が出ている。これから2〜3時間は雨が降らないということだから、伊王島大橋を渡って伊王島散歩に行くことにした。
伊王島大橋の袂にある道路公園に車を駐車して、ここから散歩を始める。ここはトイレや休憩施設がありウオーキングするのにとても便利な道路公園である。車が1台停まっている。私と同じ伊王島大橋ウオーキングでここに停めているようだ。伊王島大橋は2011年3月に開通した橋長876mの緩やかにカーブするシルエットの美しい橋である。
私は、伊王島大橋を渡るときの左右に何も遮るものがなく、青い海と青い空に囲まれる感覚が好きだ。今日も青い海と青い空に囲まれる開放感いっぱいの感覚を味わいながら歩いていく。伊王島大橋を歩きながら毎回感じることであるが、今日も「本当に、来て良かった」と思った。
風は穏やかに吹き、波は静かに寄せて返している。何もかも静かだ。夜明けは雲が一面空を覆っていたが、少しづつ青空が見えてきた。
朝日を浴びても、早朝で、海風を受けながらのウオーキングは暑さを感じない。日の光を受けて、周りの景色の色彩がより鮮やかになる。きれいな景色を見ながらのウオーキングは心が弾み、それだけで嬉しくなる。
伊王島大橋を渡り終えて橋の下に降りていく。そして、伊王島大橋を下から見ながら、海岸線に沿って進んでいく。このウオーキングコースの案内板には「海を見ながらのんびり歩こう!」と書いてあった。道路は広いし、しかも車はほとんど通らないし、確かにのんびり歩けるコースである。
海岸線に沿ってのんびり歩いてていく。ヤシの木が南国情緒を醸し出している。この海岸線にヤシの木はよく似合う。歩き疲れたらヤシの木陰のベンチで休憩。ここで海を眺めながらおにぎり食べたら美味しいだろうなと思うが、残念ながら今日は携帯していない。
「畔の岩這(あぜのいわばえ)」という場所に来た。この海岸は砂岩、頁岩、礫岩の互層からなる地質で、波の侵食によって、宮崎県青島の「鬼の洗濯板」にl似た風景が見られる場所である。
これから先は、橋の長さが100m程度の小さな橋を連続で渡っていく。最初の橋は「ふない橋」で次は順に「いそみち橋」「うしろひら橋」「にほんまつ橋」と続く。その橋の欄干には「スイミング」「ランニング」「自転車ロードレース」の様子が描かれている。この欄干のデザインを見てると楽しくなる。
小さな橋を4つ渡り終えたら、次はトンネルである。乗越トンネルは2001年に完成した長さ286mのトンネルである。トンネルの両サイドの入り口には伊王島を代表するレリーフが掛けてある。一つは「伊王島灯台」」で、一つは「伊王島教会」である。この道路をウオーキングするのは一年振りであるが、この道路をウオーキングするといつも楽しくなる。楽しくなる理由は青い海の広大な景色だけでなく、このレリーフや橋の欄干のデザインなどの楽しくなる仕掛けの効果も大きいように思う。
スタート地点から一番遠い場所へ来た。これからスタート地点に戻るが、帰りは海岸線から離れて山の方へ進み森林浴を楽しみながらウオーキングすることにした。だらだら坂を周りの植物に目をやりながら登っていくと緑のトンネルへと入っていく。このまま進み伊王島の馬込教会を目指す。
森林浴を楽しみながら進んでいくと教会の十字架が見えてきた。道は馬込教会の裏に出た。天主堂の尖塔越しに眺める海もまた格別である。教会は住民の半数以上がカトリック信徒である伊王島のシンボルである。
教会の横の細道を下ってバス通りへ向かう。道沿いの住宅の庭に赤やピンクや紫の色とりどりの花が咲いている。よく見たらサルスベリとアガパンサスである。サルスベリは白い花をよく見るがここは赤やピンクばかりである。アガパンサスは伊王島ではよく見る。時期が少し過ぎたからもう今年は見れないかなと思っていたら民家の庭先に見つけた。
花を眺めながら歩いてきて、振り返ると馬込教会が後ろに見える。伊王島は禁教時代には交通の便が悪いため、潜伏するには都合が良く、島原の乱以降、おもに天草方面からの隠れキリシタンが避難してきたらしい。現在の白亜のゴシック様式の天主堂は1931年(昭和6年)に熱心な信徒の勤労奉仕をはじめ、全世界からの多くの好意により完成したと言われている。
教会を過ぎればゴールは近い。
久しぶりの伊王島ウオーキングを楽しんだ。伊王島灯台コースはときどき歩いているが、今日の「伊王島大橋と畔の岩這えコース」は1年ぶりである。伊王島はいろんなウオーキングコースがあるから面白い。メタボ解消のためにウオーキングを推奨されている。梅雨が明けたら、早朝ウオーキングにさらに積極的に取り組もうと思う。