ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

野母崎夫婦岩ウオーキング

 

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S点をスタートして総合運動公園前で折り返し、G地点までのコース。距離6.34km、最低高度0m、最高高度35m、総上昇高度41m、天気曇り、気温26度、湿度85%

昨夜は強い雨が降っていたが、朝起きて雨雲レーダを見ると、「しばらく雨は降りません」と表示されたので、早朝ウオーキングに行くことにした。今日は、軍艦島を見ながら歩きたいと思ったので、軍艦島が見える野母崎コースのウオーキングに取り組んだ。

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スタート地点は黒浜海岸の夫婦岩である。ここに車を停めて歩き始めることにした。スタートする前に夫婦岩の間に見える軍艦島を撮影する。県指定天然記念物という案内板があったので読んでみると、ここ長崎半島は約6〜9千万年前にできた岩石で形成されているそうだが、この夫婦岩近辺の4キロにわたる海岸線は違った性質の岩石が見られ年代測定の結果、約4億8千年前という非常に古い生成年代であることが判明したと案内板に書かれてあった。激しい地殻変動の中で古い地殻の一部が新しい地殻に露出したということらしい。それにしても想像を絶する時間軸に息を呑む思いである。

 

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右手に海を眺めながら道はどこまでも続く。たまに車が通り過ぎていくが歩いている人は見かけない。この辺りも過疎化が進み、若い人が少ないと言う話を聞いたことがある。歩道にマンホール発見。マンホールの鉄蓋のデザインは野母崎町の町花である水仙の花が描かれている。

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進行方向の左手は山である。歩道のすぐ脇は茂みが続いている。その茂みは雑草が繁茂している場所も多いが、突然、垣根みたいに大きな白い花が続く。道路との仕切りのために垣根として植えられたような作りになっているが、自然に群生したようだ。グーグルレンズで検索したら「キダチチョウセンアサガオ」表示された。キダチチョウセンアサガオはエンジェルトランペットと素敵な名前で呼ばれることも多いらしいが、この植物は摂取すると幻覚や異常行動を起こす極めて毒性の強い植物のようだ。

 

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海側の岩場の先端を見て、ライオンの顔を想像したり、小島の形を見て、獲物を狙う猫の姿勢を想像したりしながら歩く。周りの景色を見ながらいろいろとイメージを膨らますが、強いインパクトのある自然の造形物の発見には至らない。

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堤防の壁にレリーフが飾られている。水仙と椿である。水仙野母崎町の町花であり、椿は長崎県の花木である。中でも、五島椿は全国的に有名であるが、ここ野母崎も椿の花が多いのかもしれない。

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野母崎総合運動公園到着。この運動公園の一角に10月、長崎市恐竜博物館がオープンするようだ。野母崎地区は恐竜の化石が多く出土していて、恐竜と関係が深いことからこの地に恐竜博物館ができることになったらしい。その工事が今、急ピッチで進められていて、総合公園も工事の為入場禁止になっていた。バリケードの外から戸外の子供広場を覗くと、マンモスだろうか大きなモニュメントが設置されていた。恐竜とマンモスは同じ時代の生き物なのかわからないが、オープンしたら是非見学したい。10月が楽しみである。

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総合運動公園から軍艦島を見る。遠くから見ると軍艦のように見えていたが、ここから見ると軍艦でなく、ビルが乱立した島というのがよくわかる。ここで折り返して、今来た道を戻ることにする。

 

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今来た道を戻っていく。行きの逆で戻りは左側が海で、右側は山手になる。南越(なんごし)バス停を過ぎて、さらにしばらく進み、右に少しだけ脇道に入ったところに墓碑があった。
墓碑には「南越名海難者無縁仏之碑」と刻まれてある。

この無縁仏之碑は、戦時中、三菱端島炭坑(軍艦島)に強制連行され、過酷な労働を強いられていた朝鮮人労働者たちがその辛さに耐えかねて海に飛び込み対岸を目指したが途中力尽きて溺死、その死体が南越名の海岸に漂着し、当時の村役場が「行旅病人」(ゆきだおれ人)として埋葬したものと言われている。話に聞いてはいたが、お参りするには初めてである。合掌する。

 

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南越から古里バス停までさらに戻る。古里は小さな漁港である。その港の広場に、フェンスに囲まれた大きな石碑がある。なんの石碑だろうかと思って近づいて見るが石碑ではなく岩山みたいな感じである。近所の人に尋ねると、この辺りは入江みたいな地形で、昔は道路のところまで海だった。海の中に岩山みたいな岩礁がそそり立っていた。その後、護岸工事で埋め立てが始まり、岩礁も埋め立ててしまった。岩礁の上の部分は、記念にそのまま残そうとなって現在のようになったということであった。

 

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古里港のまわりを歩く。防波堤の先端まで行ってみる。時間が止まっているような不思議な感覚がする。そよ風が心地よい。
古里バス停で近所の人と話をしていたら、夫婦岩に行くバスが来た。今日のウオーキングはここで終了して出発点にはバスで移動することにした。今日のウオーキングは4億8千万年前と現在を一瞬でワープしたようなウオーキングであった。ウオーキングをするといろんな刺激を受けるから楽しい。