今年の7月中旬から保健師さんのアドバイスを受け、3か月で3キロ減量を目指すメタボ減量作戦に取り組んでいる。食事の量を制限することで簡単に減量できると言われて取り組んできたが、指示通りの食事に変えたら、確かに体重の増加が止まった。そして、わずかであるが減量していった。そのような時、食事制限と同時にウオーキングをすると、さらに確実に減量につながることが実感できた。現在のところ、ウオーキング効果も相俟って、減量成果は目標のー3kgを超えてー4.5kgである。3か月の期限が迫る中、ここまできたら保健師さんにー5kg達成を報告したいのでさらにウオーキングに取り組むことにした。今日のウオーキングは長崎半島、岳路(たけろ)地区である。
ウオーキングのスタート地点である岳路運動公園広場に車を停める。ここは夜間照明設備のあるグランドである。入り口には表札(名前のテープは剥がれて読めない)を兼ねた鉄製の看板が設けられている。椰子の木みたいな木は椰子の木でなく地元の特産品である枇杷の木だろうと思う。カッパが描かれているようだが、なぜ、カッパが描かれているのかわからない。地元の人に尋ねようと思うが人通りは全くない。
きれいに整備された歩道を歩いていく。右手
は大海原である。ちょうど右斜め前には軍艦島が見える。雲の様子もすっかり変わって秋空になった。つい先日まで、熱風に悩まされていたのが嘘みたいだ。
きれいに整備された歩道を快適に歩いてきたが、これから右折して、歩車道の区別がない狭い道路をどんどん下って海岸まで降りていく。途中、崖下に小島が見えてきた。大きなカエルのような感じの小島である
岳路海水浴場まで下りてきた。ここの海水浴場の砂は白砂ではない。緑色の砂である。なぜ砂の色が緑なのかは玄武岩質のマグマが地下深部で徐々に冷えてできたことによるらしい。この時期、遊泳客は見ないが、海水浴場のトイレ掃除をしている人がいた。挨拶しながら話をする。この方は、地区の公共施設の掃除をボランティアでやっているということであった。私が車を駐めてきた岳路運動公園と岳路海水浴場を担当していると話されていた。全く頭が下がる思いがする。
砂浜だけが緑色ではない。岩場の海の色も緑に見える。近辺を見回すと釣り人がいた。何を釣っているのかと思い近くに寄って聞いてみたら、キス狙いということであった。この岩場の先は砂地になっていてここはキスの生息地らしい。いいことを聞いた。私もいつかここでキス釣りを楽しみたい。
岳路海水浴場のはずれに立派な石垣が組まれている場所がある。石段の先には蘇鉄や椰子が鳥居を囲むように生い茂り、鬱蒼とした鎮守の森を作っている。ここまできたらお参りしなければという気持ちで鳥居をくぐっていく。鳥居の石の額には三浪社とあった。また、鳥居の柱に刻まれた文字は明治廿五年と読める。そしてその先には大きな石の祠がが祀られてあった。ここは地元の方の氏神様なのだろう。
岳路海水浴場を中止とした岳路海岸を満喫した後は、上り坂に挑戦しながらゴール地点に戻ることになる。これから高低差70mほどの上りに挑む。挑むと言っても急な坂ではない。1km以上かけながらの70mの上りだから緩やかである。上り坂を楽しむ感じである。
道の両側には草木が茂っている。その両側をキョロキョロしながら上っていく。道の周りにはいろんな色の彼岸花が見える。赤い彼岸花が見えるが、盛りを過ぎたようで真っ赤な色合いではない。白い彼岸花も見える、そして、今が旬なのだろうショウキズイセンの黄色の花がとても色鮮やかである。
さらに上っていくと「オシロイバナ」が出迎えてくれた。オシロイバナは、夕方から芳香を放つ花を咲かせるため、夕化粧(ユウゲショウ)という別名があると聞いたことがある。ホステスさんを連想する花である。
草むらの中にクズの花を見つけた。このクズの花を見るたびに思い出す短歌がある。「葛の花踏みしだかれて 色あたらし この山道を 行きし人あり」この歌の作者は大阪生まれの国文学者で民俗学者として有名な釈迢空(しゃくちょうくう、折口信雄)である。この歌は大正13年壱岐で詠まれた歌と言われている。この歌を思い出すたびに壱岐をまた訪ねたいと思う。
道の両側の草木を観察しながらゴール地点に到着。ゴール地点の運動公園の花壇にはいろんな色合いのランタナが咲いていた。いろんな色のランタナを見ていると、SMAPの「世界に一つだけの花」を思い出す。今日も心地よい汗をかいた。帰宅して体重測定が楽しみである。ウオーキングは減量効果も楽しみだが、同時に、歩くと知的好奇心を刺激するものに出会うのが良い。今日もたくさん刺激をもらった。