ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

茂木町散歩

二日前の朝、起きたら右肩が痛い。右腕が上がらない。首筋も痛いし寝違えたのだろうと考えて首筋に湿布薬を貼った。翌日も痛みは続く。首筋というよりやっぱり肩の方が痛いから肩のほうを重点に湿布を貼って様子を見ることにした。一夜明けて、やはり痛みは続いている。今日は整形外科で診てもらおうと思い通院することにした。私のかかりつけの整形外科は長崎の茂木町にある。自宅から少し遠いが先生が親切で優しいので整形外科はここと決めている。久しぶりに茂木へ行く。

診察してもらって、「骨に異常はない。痛みは骨ではなく筋肉の筋です。痛みの病名はいわゆる五十肩です。痛みがしばらく続くけどこれ以上酷くならない。必ず痛みはとれてくるから安心して」と言われた。私は70代である。70代で五十肩だから悪い話ではない。そう思うと少しくらいの痛みは我慢しようと思った。

 

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赤点をスタートして、「茂木植物化石層」を回り「潮見崎観音」迄の往復コース。距離4.1km、歩数5516歩、最高高度18m、最低高度1m、上昇高度45m、消費カロリー255kcal、天気曇り、気温27度、湿度68%

茂木は自宅から車で30分の漁業と農業の町である。小さい頃は親戚もあったので、時々この町に遊びに来ていたが、親戚の方も亡くなり知り合いもいなくなった今はめったに訪ねることはない。

診察が終わって、久しぶりに茂木の町を歩いてみたくなった。今日、急ぐ用事は特にない。茂木の町を散歩することに決めた。

 

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茂木港の駐車場に車を止めてここをスタート点にして散歩することにした。茂木港は天草の冨岡を結ぶ高速船が就航している。天草まで45分の船旅である。ここから天草はとても近い。コロナが収束したら天草へも行きたいと思う。

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茂木植物化石層は小学校時代に授業で習った記憶がある。そして小学校時代に一度来たはずだが、当時と近隣の様子が変わっているので小学校時代の記憶と結びつかない。案内板を読むと「明治12年にスウエーデンの探検家が長崎に立ち寄った際、この地区で植物化石を収集し、本国に持ち帰って研究し、この植物化石が新生代第三紀鮮新世の終わりごろ、1000万年前のものと発表した。これは、日本の新生代植物化石の最初の記録となった」とある。

 

 

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植物化石層を見た後は、潮見崎観音に向かう。途中茂木神社の前を通る。茂木神社の鳥居には茂木町漁業組合 大正十二年六月建立と刻まれている。また、境内には恵比寿様の像がたくさん祀られている。茂木が昔から漁業の町であることがわかる。

 

 

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茂木神社にお参りした後は、弁天橋を渡る。渡り終えた橋の際に大きな石碑が建っているので見ると、「茂木枇杷記念碑」と彫られている。その案内文を読むと「今から、180年ほど前の天保の頃、茂木の女性が中国からもたらされた枇杷を長崎でもらい受け、その種を茂木の庭園に蒔きたるものを茂木枇杷の起源とする。その種から生まれた枇杷が品種改良を重ねながらこの地から長崎県内はもとより全国に拡がり、またアジア各地にも輸出され好評を博している」と書かれている。枇杷の生産量は爾来、長崎県が全国でトップであることは知っていたが、それは一人の女性の尽力がその起源と書かれている。宝の山をもたらした女性の先見の明に驚嘆する。

 

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左に海を眺めながら、茂木の町を歩いていく。しばらく進むと鳥居が見えてきた。ここから潮見崎観音の参道が始まるようだ。歴史を感じさせる石段を上っていく。

 

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144段の石段を上りきったら、一気に展望が開け、潮見崎観音にたどり着く。眼下にひろがるのは橘湾で遠くに雲仙岳が見える。景色を見ながら呼吸を整えて観音様に参拝する。

 

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御堂に上がり観音様にお参りする。潮見崎観音は十一面観音という説明があるが、お顔は一つなのに、どうして十一面観音と呼ばれるのだろうと不思議に思う。疑問に思いながら御堂を出て帰ろうとしていたら、ちょうど若い女性がお参りに来たので、その方に十一面観音とはどう言う意味ですかとお聞きした。私から質問された若い女性は、「私も詳しくは存じあげないのですが・・・」と謙遜されながら、私を御堂に導き説明してくれた。観音様の頭部に十一面をつけていることから十一面観音と呼ぶそうだ。私は不勉強でそれを知らず、観音様の頭部は冠をかぶっていらっしゃると早合点していた。年だけとって無知な人だと思われたかもしれないが、そう言うそぶりはすこしもせず、笑顔でていねいに教えていただいて感謝である。

茂木町の散歩を楽しんだ。茂木の町をゆっくり歩くのは、50年ぶりだろうか、いやそれ以上60年ぶりかもしれないと思う。茂木は小さい頃に馴染み親しんだ土地である。茂木を歩くと懐かしさを感じる。茂木は私にとって心の古里である。