ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

サイクリングを楽しむ

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青点をスタートして青点に戻るコース(走行線が途切れている部分はトンネル)、距離19.38km、最高高度99m、最低高度0m、上昇高度293m、天気晴れ、気温18度、湿度63%
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雲一つない好天に恵まれた日曜日、伊王島灯台へのサイクリングを楽しむことにした。スタート地点は香焼町シンボルパークである。香焼町造船の町である。シンボルパークには「愛と平和」の像とともに造船を示す大きな錨がモニュメントとして置かれている。

 

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シンボルパークをスタートして小さな坂を越えたら海が見える。そしてそこは香焼港(本村桟橋)である。今は陸続きになり定期船は運航されていないが、昔、香焼が島であった頃は、この港が香焼島の玄関口であった。香焼港を左に見ながら進み、次は魚見大橋が架かる坂道に向かう。朝日が上ったばかりで日陰は少し暗い。魚見大橋は切り通しの頂上を結ぶ橋である。この橋へ行くには脇の階段を登ることになるがこれが結構良い運動になる。ときどき運動のためにこの階段を上り下りする。

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魚見大橋の坂道を上り切ったら下り坂になり、しばらく行くと、左手に海が開けてくる。そして道は一直線に伸びている。雲一つない青空の下、爽やかな秋風を感じながらペタルをこいでいく。「サイクリングは地球を感じて走る喜びがある」というようなコメントを自転車の番組で聞いたことがあるが、何かわかるような気がする。

 

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左手に海を眺めながら気持ちよくペタルを漕いで走ってきて、次はトンネルに向かう。この香焼トンネルは、これから行く伊王島大橋の取り付け道路の一部として2003年にできた全長603mのトンネルである。トンネルを快適に走る

 

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トンネルを抜けると伊王島大橋である。私は伊王島大橋のこの緩やかな上りが大好きである。ここを通りながら、周りの空の青さと海の青さに包まれる時、私は海の上を飛んでいるような錯覚に陥いる。そして、何処か未知の場所に向かって行くような感じがする。何かいいことが起こりそうな予感を感じる場所である。いつ来てもここは楽しい。今日も絶好の秋晴れの中、青さが際立つ。

 

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橋の上から左手を見ると遠くに軍艦島が見える。右手には西彼杵(ニシソノギ)半島が見える。450年前、遠くヨーロッパを出港した南蛮船は伊王島西彼杵半島に挟まれたこの海域を通って長崎に入港した。大海原をみると、昔の人はナビがない時代に、どうやって長崎まで来れたのかしらと不思議に思う。

 

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伊王島大橋を渡り切って、伊王島に入るとすぐ目の前に白亜のゴシック様式の立派な教会を目にする。伊王島の馬込教会である。ここ伊王島は住民の半数以上がカトリック信徒であり、教会は島のシンボルである。これからクリスマスにかけてライトアップされるとさらに美しく荘厳な雰囲気を見ることができる。

 

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現在の伊王島は「やすらぎ伊王島」という名前のホテルなどが立ち並ぶリゾートアイランドになっている。観光客の方が島内のサイクリングを楽しめるように伊王島町内は自転車道が設けられてあり、自転車乗りにとって快適である。

 

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伊王島島内に入るとピンクのノボリが至る所に立てられている。ノボリには「ツール・ドちゃんぽん」と書かれている。それに、ずいぶん自転車が多くなった。しかも私のママチャリ仕様ではなく本格的なレース仕様の自転車だ。「ツール・ド」は自転車レースのことだが、では「チャンポン」は長崎のこと?などと考えながら他の自転車についていくと「ツール・ドちゃんぽん」の開会式場に到着。市長さんが歓迎の挨拶をされていた。今日はここ伊王島アイランドを発着点に野母崎一周の「ツール・ドちゃんぽん」という自転車レースが行われるようだ。距離、約80kmのレースらしい。今日は自転車レースにはもってこいの天気である。健闘を祈りながら、私は目的地の伊王島灯台を目指す。

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目的地の伊王島灯台に到着。伊王島灯台は、慶応2年(1866年)に米英仏蘭4カ国と結ばれた江戸条約によって全国8カ所に設置が予定された灯台の一つである。日本で初めての鉄造六角形の洋式灯台明治4年(1871年)に完成したものである。灯台は高台に設置してあるので自転車で来る時はずっと上りで大変であった。展望を楽しんだ後は岬カフェで水分補給しながら休憩を取る。

 

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岬カフェで休憩して体力が回復したので帰路に着く。出発しようとして足元を見るとマンホールの蓋にアニメが描かれている。消火栓のマンホールには消防自動車が描かれている。他にも展望台近くのマンホールには展望台が描かれ、千畳敷という岩場近くのマンホールは、ここで平康頼が舞を奉納したいわれから舞姿が描かれている。伊王島のマンホールの蓋は面白い。

 

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伊王島灯台をスタートしたらずっと下りである。自転車にとって余裕の区間が続く。秋とはいえ、今日の日差し強く直接受けると暑い。そいう中、緑のトンネルがとても心地よい。快適に下ってきたら乗越トンネル入口にでる。

 

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トンネルを抜けると右手に海が見えて来る。平坦な道路が海岸線に沿って伸びている。秋の日差しを受けながら海風を感じながらペタルを漕ぐ。車の通行はほとんどない。自転車レースはこの道を通らないのか一台も見ない。快適に走っていると目の前に伊王島大橋が見えて来た。

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伊王島大橋を戻っていく。行きの上りは緩やかだが、帰りの上りは少し急で速度が遅くなる。ゆっくりゆっくり漕ぎながら上っていく。途中左手を見ると三菱重工香焼工場の大型クレーンが見える。そしてその先には長崎港入口に架かる女神大橋が見える。


 

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伊王島大橋を渡り終えると香焼に入る。帰りは北側道路を通ってゴール地点のシンボルパークを目指す。北側道路を進み、坂を上って行くと香焼総合公園前に出る。この公園の展望台からの眺めも素晴らしい。香焼総合公園を過ぎたら、また下りである。下り切ったところから後は平地になる。そして、左手は海が見えて来た。左に海を見ながら進んでいくと、対岸の伊王島が見えてきた。さっき通った白い教会が今では小さく見える。

久しぶりに自転車を楽しむことができた。今年の夏は暑過ぎて、自転車は滅多に乗ることはできなかったが、サイクリングにとって良い季節になった。チャンスを作ってまたサイクリングに出かけたいと思う。