ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

辻元清美さんの再起を期待する

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衆院選で落選した立憲民主党辻元清美衆院議員をネット番組で久しぶりに拝見した。その番組で、辻元さんは司会者の質問に答えて、いろんな話をされていた。今回の衆院選挙については、戦っている時に今までと違う違和感を感じることがあったらしい。それは、選挙協力をお願いすると、たびたび「あなたは大丈夫よ!」と言われたことである。「あなたは大丈夫よ」という言葉を言われるたびに、「いやいや、そんなに安心させんでください」と言いながらお願いをして回ったということであった。選挙では、一人の支持者は1票ではなく周りに九人の同調者を広げて10票に該当すると言われるが、反対に「あなたは大丈夫よ」という言葉は1票しかないと同じことと言われている。そういう意味で何かいつもと違うものを感じた選挙であったようだ。辻元さんは今回落選したことで、「私はみなさんに支持されていないのではないか、政治家という仕事を続けていいのだろうか」と考えることもあったようだ。辻元さんは今まで8回選挙に出馬して、今回の選挙の獲得票数は歴代3位の票数だったらしい。選挙には敗れたが、私は決してみなさんに支持されていないということではないと思ったし、反面、私が落選したことにより、安倍首相など祝杯を上げているのではないかと思うと、このまま引退するわけにはいかないと思ったりしているというようなことを話していた。

私は、ぜひ辻元さんには再起してほしいと思う。衆院選で辻元氏が落選した際、元文部科学次官の前川喜平氏(66)は「日本が辻元清美代議士を失った損失は計り知れない」と投稿されたが、私も前川氏と全く同意見である。

先日、辻元さんの著書「国体委員長」を拝読した。そこには、辻元さんが“国体委員長”として、公文書を隠す・捨てる・改ざんする安倍政権と対峙したさまざまな事柄が書かれていた。そして、多くの人が評価している通り、辻元さんの国体委員長としての最大の成果は安倍政権下での「憲法改悪」を二年間、一歩も前に進めず事実上不可能にしたことだと思った。

辻本さんは、著書「国体委員長」の中で、憲法をめぐる暗闘について次のように述べている。
憲法とは国民を守るものであり、総理大臣や国会議員など権力者を縛るものです。例えば憲法21条に「言論の自由」があります。これは「国民の言論の自由を侵害するような権力行使をしてはいけません」と権力者を縛っているわけです。同様に、憲法14条に「男女平等」がありますが、これは「女性差別は認めない」と規定しているので、たとえ議会の多数派であっても、男女差別を容認するような法律は作ることができないのです。憲法9条は平和主義を謳っています。憲法は国民が権力者に守らせる規範であり、国民が守るルールではないのです。これが「立憲主義」の基本的な考え方です。総理大臣が、自分が遵守しなければならない憲法が気に入らないから変えたいというのは、本末転倒なのです。安倍改憲はその本末転倒のことをやろうとしているわけで、狙いは立憲主義の否定です。

憲法改正には三つの原則があると考えています。
主権在民なので多数の国民から「ここを改正してほしい」という具体的な声が上がって、国会で議論を進めるという正当な順番の原則です(権力者による改正ではない)
②  法律で対応できることは法律でまず対応する原則です
③  国論を二分するような論点は、憲法改正にはなじまないという原則です。
政党が自分たちのイデオロギーで「改憲案」をまとめたり、自分たちの考えを国民に押し付けることは、立憲主義国の憲法改正の常軌を逸脱した「押し付け憲法改正」です。安倍政権の憲法改正はまさしく「押し付け憲法改正」です。
国民の側から「ここを改正してもらいたい。そうでないと人権が侵害されてしまう」といった要望があって初めて国会で議論に入るのが道理です。しかし今のところ、国民の大多数から「憲法のここを変えてくれないと困る」という声は聞こえていません。

2000年に憲法改正の発議をする「憲法調査会」(2006年、憲法審査会に変更)が設けられました。憲法調査会が設置されてから20年たった今日まで、安倍総理がいくら望んでも憲法は改正されませんでした。その最大の理由はただ一つ、変える必要がなかったからです。変えないと困ることがあるのなら、とっくに変えているわけです。安倍総理憲法改正自民党の党是だ、祖父の代からの悲願だ、と強硬に押し進めようとしても国民がついてこないのです。そこまで改正にこだわる安倍改憲立憲主義の破壊の可能性があると危機感を感じます。

そもそも憲法改正のプロセスは各党の改憲案を出し合ってその中から選んで改憲しましょうというやり方は取りません。それは、憲法調査会以来長く会長を務められた自民党中山太郎会長が決めた憲法論議の原則です。国民の声によく耳を傾けて、必要な項目があれば国会で受け止めて議論しようということで、この考え方は保守としての自民党の知恵だったと思います。中山会長はこのようなやり方を「熟し柿方式」と呼んでいました。安倍政権になってから、そうした保守の知恵はことごとくないがしろにされてしまったと感じます。』などと語っていた。

辻元清美さんには、何としても次の選挙に立候補して、勝ち抜き、国会にもどってきてほしいと切に願う。現在の日本の政治は2世3世などの世襲化した金儲けのための政治屋で占められ、今だけ金だけ自分だけの政治が横行しているように思う。国民の立場に立って政治を行う政治家が希少価値になっている今、辻元さんはその貴重な政治家の一人である。ぜひ、日本にまともな政治を取り戻すために辻元さんにはこれからも活躍してほしいと心から願う。今後に期待したい。