ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

長崎市恐竜博物館に行く

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長崎市恐竜博物館が今年10月に野母崎町にオープンした。私は、外観は見たことはあるが、館内にはまだ入ったことはない。小学生の孫が冬休み入った機会に一緒に恐竜博物館に行くことにした。長崎の恐竜博物館は全国で3番目の恐竜専門の博物館だそうだ。長崎市では国内で初めてティラノサウルス科の化石を始め、さまざまな恐竜化石が発見され、日本有数の恐竜化石産地として知られるようになったことから博物館の誕生に至ったようだ。その恐竜が長崎にいたのは、約8,100万年前のことらしい。太古の長崎の様子を想像しながらお楽しみくださいとパンフレットに書いてあったが、長崎に長年住んでいるが太古の長崎の姿が全く想像できない。

 

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恐竜博物館の広い駐車場に車を停めて、入り口の方に歩いて行くと、ティラノサウルスの大きな像が出迎えてくれる。来館者はこの像と一緒に記念撮影して入館する人が多い。私たちも先例にならって像の前で記念撮影をして入館する。

 

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2階から見た1階常設展示室

入館すると、冬休みでもあり、児童や幼児の親子連れで結構混雑している。恐竜の展示室は1階の常設展示室と2階の常設展示室があり、案内に従って1階の展示室から見学していく。1階の広い、高い吹き抜けの展示室には、さまざまな恐竜の化石標本が所狭しと置かれている。私は恐竜の知識は全くないので一つ一つ見ていく。

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ティラノサウルス骨格標本

長崎では10m級のティラノサウルスの化石が一部出土しているが、オランダのナチュラリス生物多様性センターは、非常に保存状態が良い全長13mに及ぶ6700万年前のティラノサウルスを基に全身骨格を復元し、学術的に高い評価を受けている。そして、それは“トリックス”と名付けられた。その“トリックス”のレプリカを長崎市恐竜博物館は譲り受け、常設展示室に展示している。このトリックスは年齢約30歳と推定されている。このような大きなティラノサウルスの仲間が太古、長崎にいたのは事実らしい。なぜ、滅亡したのか、種が断絶したのかそのことが気にかかる。

 

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Allosaurus (アロサウルス)

アロサウルスジュラ紀後期(1億5500万年〜1億4500万年前)の北アメリカに生息していた大型肉食獣脚類に属する恐竜である。特徴的な頭骨は、素早い開閉に適した顎関節を持っている。顎には後ろに曲がり細かいギザギザの切り込みのある歯が並んでおり、噛み付いて獲物を捕らえていたと考えられる。

 

 

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Camarasaurus(カマラサウルス)

ジュラ紀後期(1億5500万年〜1億4500万年前)の北アメリカ大陸で最も栄えていた草食の竜脚類恐竜の一種である。大型で首の長い恐竜で4足歩行をしていた。全長9〜18m、推定体重20トンに達するが、同時期の竜脚類としてはそれほどおおきくはなく、それが大きく繁栄した理由と考えられるようだ。

 

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Gallimimus(ガリミムス)

ダチョウ恐竜とも言われている2足歩行の獣脚類である。歯を持たないため、フラミンゴのように口先で濾しとってエサを食べていた説と胃石の化石が見つかっていることから植物色であったとする説がある。全長4〜6m、推定体重440kgで中生代白亜紀後期(約7,000万年前)のゴビ砂漠に生息していた。現在のダチョウのようで、チーター並みの速度で走ることができ、最速恐竜の一つであったと考えられている

 

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Velociraptor(ヴェロキラプトル)

ヴェロキラプトルは、中生代白亜紀後期(約7,000万年前)の東アジアに生息していた小型肉食恐竜で獣脚類に属す。化石はモンゴル、中国、ロシア東部から発見されている。羽毛などは発見されていないが、骨に見られる証拠から体の一部に羽毛を持っていたことがわかっている。

 

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ティラノサウルス復元ロボット

2階の常設展示室に行く。2階からは1階の展示室を、上から眺めることができるように設計されている。2階展示室の最大のポイントはティラノサウルスの復元ロボットである。全長約6mのロボットは最新の学説に基づき羽毛や鱗などを再現している。また臭いを嗅ぐ様子や吠える様子はリアリティーを感じる精巧さである。このロボット・ティラノサウルスは全長6mだからすごく大きい。しかし、長崎で発見されたティラノサウルスは全長10mだからもっと大きい。オランダのトリックスは全長13mだからロボット・ティラノサウルスの倍以上である。ロボットを前に実際のティラノサウルスの迫力を想像する。

 

孫と一緒に恐竜博物館を見学した。見学する前はあまり興味も関心もなかった。しかし、いろんな恐竜を見て、解説を読むうちに興味が出てきた。7000万年前に生きたこれらの恐竜を実際に見た人は誰もいない。だから、恐竜は人間が勝手に作った想像の生き物と思われないでもない。しかし、恐竜は実際に存在した生き物であること、それも化石の発見によって人間の叡智を集めて、限りなく真実に迫っているということを知って驚くことばかりであった。7000万年前に生きた生物を事実として表すことができる人間の叡智は素晴らしいと賞賛せざるを得ない。人間は素晴らしい。