ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

金比羅山へ登る

S点をスタートして中腹にある金刀比羅神社を経て金比羅山頂上まで行き戻る往復コース。距離4.2km、最高高度366m、最低高度168m、天気晴れ、温度20度、湿度35%

先日、ローカルニュースで金刀比羅神社の境内が新緑で鮮やかであるというニュースを見た。金刀比羅神社は、金比羅山の中腹にある紅葉スポットで有名な場所である。最近は紅葉シーズンだけでなく新緑のシーズンも出かける人が多いようだ。最近の運動不足を補うため、新緑の金刀比羅神社を楽しみながら金比羅山へ登ることにした。

 

金比羅山には西山から登ることにした。駐車所に車を停めて出発する。出発してすぐに石の扁額に金刀比羅神社と書かれた大きな鳥居がある。ここから金刀比羅神社の参道が始まる。そしてすぐ横に長崎金星観測碑の案内板が立っている。昔、金刀比羅神社の近くで金星観測が行われたようだ。帰りには金星観測碑にも立ち寄ってみようと思う。参道は日差しを遮るものはない。上りで息を切らしながら、しかも日差しを受けながら、ゆっくり登っていく。

 

休み休み日差しを受けながら上って来て第二の鳥居に到着。第二の鳥居は経年劣化のため一部破損しているので、現在補強工事中のようである。第ニの鳥居から先の参道は樹木が茂り、日差しを遮ってくれる。日陰に入ると元気が出る。さらに心地よい風が頬を撫でる。元気を取り戻して一歩一歩上っていく。

 

気持ちの良い日陰の参道を上って来たら、いよいよ第三の鳥居に到着。第三の鳥居も古いので年代を見たら明治30年と記されている。すでに125年もこの場所に立ち続けていることになる。第三の鳥居は境内入り口である。第三の鳥居の先には色鮮やかな新緑の木々が見えてきた。

 

金刀比羅神社の境内には樹齢100年以上、高さ20メートル以上のカエデが社殿を囲むように多数生育して、今まさにカエデの新緑の季節を迎えている。カエデの色鮮やかな若葉が日差しを浴びたり、風に揺れたりしてさまざまな美しい情景を作り出している。紅葉の美しさにも心惹かれるが、この新緑の清々しさにも心惹かれ、さらに心安らぐ思いがする。

 

この新緑の美しさをどのように撮影したらいいのか迷っていると、先客の女性の方が写真を撮っていた。その方におすすめの写真スポットはありますかと尋ねたら、写真の中に上手に狛犬を入れるといい写真が撮れますよとアドバイスしてくれた。女性のアドバイスを受けて新緑の狛犬に挑戦。うまく撮れたかどうかわからないが、配置を考えて撮影効果を上げる手法は今後も活かしたい。

 

金刀比羅神社で新緑に包まれて休憩した後、金比羅山の頂上を目指す。しばらく行くと広場に出る。この広場は、春に長崎の風物詩であるハタアゲが行われる場所である。広場の横の階段を登っていく先にドンク岩が見えてきた。ドンクは長崎の方言でカエルのことで、カエルに似ていることから、昔からドンク岩と呼ぶ。

 

左:ハルリンドウ      右:シャガ

ドンク岩を過ぎて頂上を目指して登っていく。登りが続きペースが落ちてくる。休み休み登っていると、カメラのアドバイスをしてくれた女性が下りてくる。「頂上までもうすぐです。途中、リンドウが咲いてましたよ。」リンドウ?「そうです。青い花のリンドウです」と教えてくれた。リンドウは秋に咲く花ではないのかなと思いながら青い花を探しながら頂上まで登っていく。頂上までの途中で見た花はハルリンドウとシャガの二つだけであった。リンドウは秋の花とばかり思っていたが、ハルリンドウという春に咲くリンドウがあるのを初めて知った。

 

金比羅山頂上に到着。最近の運動不足がたたって登頂に時間がかかったようだ。頂上からの眺めは最高である。北部方面は見えないがそのほかは視界が利く。頂上で休憩していると男性が一人登ってきた。挨拶して話をする。その方は人工膝関節をの手術をしてそのリハビリのため毎日登ってくると話されていた。ゆっくりであれば頂上まで登れるようになって嬉しいと話されていた。

左:長崎金星観測碑   右:経緯度原点確定の地記念碑

頂上で展望を楽しみながらお昼をいただく。頂上で食べるお弁当はまた格別である。頂上でたっぷり休憩をした後、下山する。下山の途中、金星観測碑に立ち寄る。「明治7年(1874)12月9日、金星が太陽の前面を通過するという珍しい現象が105年ぶりに起こった。この現象を利用して、地球と太陽との正確な距離を求めるべく、欧米諸国は挙って東アジア各地に観測隊を派遣した。観測の適地となった長崎では、フランス隊がここ金比羅山に観測地点を設け、また、アメリカ隊は隣の星取山に観測地点を設けた。そして、明治7年12月9日、太陽面を通過する金星の観測に成功した。併せて金星観測のほか天文観測により長崎と東京との経度差の観測を行い、日本最初の経緯度原点値を決定した」と案内板に書かれている。

久しぶりの山歩きはいろんなことを私に教えてくれた。新緑に包まれる心地よさ、ハルリンドウの可憐さ、雄大な景色、金星観測から地球と太陽の距離を測定する知への冒険、外に出ると思わぬ発見に出会うことができるから楽しい。