ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

茂木四国八十八ヶ所霊場巡り その1

青点から赤点までのコース。距離9.54km、最低高度43m、最高高度367m、総上昇高度236m、消費カロリー1,260kcal、天気曇り、気温19度、湿度72%

弘法大師(空海)は、774 年讃岐の屏風ヶ浦(現在の香川県善通寺市)に生まれ、遣唐使の一行 として唐に渡った後、真言宗の開祖となった方である。讃岐で生まれた弘法大師は、度々四国で修行をし、八十八ヶ所の寺院などを選び四国八十八ヶ所 霊場を開創したと伝えられている。この弘法大師が開いた八十八ヶ所霊場を巡礼することが遍路で ある。当初の遍路は、修行僧などが中心だったが、弘法大師に対する人々の信仰(弘法大師信仰) の高まりと共に、今も多くの方が日本全国から遍路に訪れている。

合わせて、弘法大師を信仰する人々によって、より身近に弘法大師の遺徳を偲び信仰を深めるために、また四国八十八ヶ所霊場に行くことが困難な人のためにという目的で全国各地に八十八ヶ所巡りの霊場が創られてきた。四国八十八ヶ所霊場各札所の「砂」をそれぞれ集め、その「砂」を札所と 考えて「砂」を踏みながら参拝する「お砂踏み」をすることで、実際に遍路をしたことと同じご利益があると考え、あまた各地で八十八ヶ所霊場巡りが行われるようになった。これらのの霊場巡りは、全て四国八十八ヶ所霊場巡りを模して創られたもので、四国以外の場所でも四国霊場ほどのご利益がいただけるように願い、「四国」の名前がつけられている。これらの霊場巡りは「地四国」と呼ばれ、全国に点在している。

 

今回の巡礼路である「茂木新四国八十八ヶ所巡り」は、茂木町の住民、吉松万吉氏が明治 30 年に創設を思いたち、 茂木を中心に藤田尾から田手原までにまず 21 体の本尊を安置し、大正 14 年に吉松万吉氏死去後も、妻子が遺志 を引き継ぎ昭和 4 年秋に全八十八ヶ所の本尊の安置を終えたと記されている巡礼路である。

 

私たちは、今回先達の指導のもと茂木四国八十八ヶ所巡りを行うことになった。計画では6〜7回に分けて行う予定である。今回は第一回目ということで六本松から山川河内(さんぜんごうち)までのコースで行うことになった。

六本松バス停で下車し、先達から今日のお遍路について説明と注意を受ける。「今日のお遍路コースはバスの便が少ない地域です。2〜3時間に一本しかバスがありません。できるだけ多く霊場巡りをしたいと思いますが、皆さんの体力とバスの便との兼ね合いでどこで切り上げるかを判断します。今日のお遍路では、いつも明るい挨拶を行ってください。挨拶は自分の方から行ってください。挨拶は出会った人だけでなく、動物や虫に至るまで生きているもの全てに挨拶を行なってください。そして、それを習慣にしてください。」リーダーの注意を受けてお遍路を開始する。今日最初の札所である第四十九番霊場にすぐに到着。ご本尊は釈迦如来である。整列して般若心経を唱和する

 

次に第31番札所へ行くご本尊は文殊菩薩である。整列して般若心経を唱和する。文殊菩薩真言は「おん あらはしゃ のう」である。真言を3返繰り返す。

 

続いて道路の案内表示に従って58番札所へ行く。お堂の中にお地蔵様と一緒に千手観世音菩薩がお祀りされている。整列して整列して般若心経を唱える。千手観世音菩薩真言は「おん ばざら たらま きりく」である。3返唱える。

 

次は75番札所へ行く。75番札所のお堂は田手原町公民館の敷地の中にあった。公民館の敷地に子供用の遊具が置かれていて、75番札所のお堂はその遊具の先にある。75番札所のご本尊は薬師如来である。般若心経を唱和する。

 

次に細い山道をかき分けて進んでいくと小さなお堂があった。看板の字が薄れてきているが第72番札所である。ご本尊は大日如来である。整列して般若心経を唱える。

次に人家の脇を通って行くと古いお堂があった。お堂の両脇に二つ看板が立てられてある。第78番札所と第28番札所である。ここは78番札所の阿弥陀如来と28番札所の大日如来がお祀りされている。整列して般若心経を唱和する。

 

これまでの札所は集落の中の平地に設けられていたが。次の21番札所は1キロ程先の山の中にある今日の札所巡りで一番高いところにある札所である。集落の高度は250mであったが21番札所は360mの高台にあるこしき岩公園の先にある。これから高度差100mほどの上りが続く。平地は楽だが登りは辛い。やっとの思いでこしき岩公園に到着。公園の東屋で小休止する。公園広場を過ぎて山道へ入って行くとこしき岩神社の鳥居が見えてきた。

 

鳥居の手前を藪の方に進むと小さな古いお堂があった。第21番札所である。中には弘法大師とご本尊の虚空蔵菩薩が祀られている。整列して般若心経を唱和する。

 

一番高い場所にある21番札所をお詣りしたらあとは下りが続く。六本松から始まった田手原地区の札所巡りを終えて、次の札所がある山川河内地区へ約1時間かけて下りていくと第16番札所のお堂に出た。ここのご本尊は千手観世音菩薩である。整列して般若心経を唱和する。時刻は12時半を過ぎているので、ここのお堂で昼食をいただく。昼食を済ませたら近所の方から琵琶のお接待を受ける。この甘い枇杷の品種を尋ねると「夏だより」とおっしゃった。

 

昼食を済ませたあと、再び札所巡りを再開する。16番札所から10分ほど下ったところに第30番札所はある。ご本尊は阿弥陀如来である。整列して般若心経を唱和する。

 

30番札所の次は24番札所に行く。24番札所は集落のはずれの山の中にある。ここから4〜500mの距離であるが上りは辛い。やっとの思いで16番札所に到着。ご本尊は虚空蔵菩薩である。整列して般若心経を唱和する。時間は13時40分。ここでリーダーが決断する。ここから最寄りのバス停まで30分。そしてバスの時間は14時40分とその次は18時5分。次の札所巡りに行くと14時40分のバスに間に合わないので、今日の札所巡りをここで終了します。今から最寄りのバス停へ向かいます。

 

最寄りのバス停日吉に到着。休憩しながらバスが来るのを待つ。バス停の前から橘湾が見える。その先に見えるのは島原半島で、一番高い山は1359mの雲仙岳である。八十八ヶ所巡りは修行として始まったとお遍路の案内書に書かれていたが、八十八ヶ所巡りは今も昔も確かに修行だと思う。