ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

茂木四国八十八ヶ所霊場巡り その2

青点をスタートして赤点までのコース。距離13.2km、最低高度3m、最高高度86m、総上昇高度286m、天気曇りのち晴、気温29度、湿度77%

 

昨日までは1日中雨が降り続いていたが、今日は、茂木四国八十八ヶ所霊場巡りの日である。今日の天気は曇りところにより一時雨という予報である。雨に打たれながらのお遍路も辛いが、猛暑の中のお遍路も辛い。幸い今日は曇り一時雨という予報なので、暑さは少し和らぐようだ。曇りを期待しながら、今日のお遍路の出発点である日吉バス停に集合する。日吉バス停前から雲仙岳を望むと雲が低く立ち込め雲仙・普賢岳の頂上は雲の中である。

今日の参加者はリーダーである先達を含めいつもの五人である。今日の八十八ヶ所巡りを始める前に先達の話を聞く。「茂木四国八十八ヶ所霊場巡りの続きの2回目を実施します。皆さんにはこの八十八ヶ所巡りを単に歩いたということではなく、あわせて、八十八ヶ所巡りの作法をしっかり身につけていただきたいと思います。例えば、各札所の前に立ったとき、最初に、よろしくお願いしますと挨拶をしますが、僧侶である私は印を結び、真言を唱えながら行います。僧侶が印を結ぶときは袈裟の袖の中で他人の目に触れないように行うというしきたりがあります。皆さんは袈裟を着てないので袖の中に隠せませんが、他人の目があるときは真言を声に出さず、心の中で唱えてください。また、各札所で懺悔、三帰、三竟、十膳戒、発菩提心、三昧耶戒、開経偈、般若心経、龍華、光明真言、御宝号、回向の順でお勤めをしていますが、その勤行次第をそれぞれが自分で行えるようにしてください。皆さんが、八十八ヶ所巡りの案内する立場になったときに勤行次第を指導できるように皆さん自身がしっかり身につけてください。そのような気持ちで今日の八十八ヶ所巡りに取り組んでください」

 

今日最初の札所は、第19番霊場の橋池山立江寺延命地蔵菩薩である。まず、お堂の前に立ち、習ったばかりの印を結び真言を心の中で唱える。そして、お賽銭をあげて勤行次第に沿ってお勤めを行う。ちなみに、ここのお堂では毎年七月二十三日に地蔵まつりが行われる。この祭りに飾られるそうめんは昭和50年「太田尾地蔵まつり飾りそうめん」として長崎市指定無形民族文化財に指定されている。

次は第六十九番霊場の七宝山観音寺である。ご本尊は聖観世音菩薩である。真言は、「おんあろりきゃ そわか」である。勤行次第の中で真言を三返唱える。ご詠歌は「観音の大悲の力強ければ おもき罪をも引き上げてたべ」意味は観音さまのご慈悲は大きいので大きな過ちを犯して地獄に落ちた人をも引き上げてくださるという意味かなと思う。たべは古語で与えるの尊敬語である。

 

次は第六十七霊場の小松尾山大興寺である。ご本尊は薬師如来である。薬師如来は仏世界のお医者さまである。左手にもたれているのは薬壺で、右手は手のひらを向けて怖がらなくてだいじょうぶだよとおっしゃっている。薬師如来のご尊顔を拝見すると確かにそんな感じがする。

第六十七番札所を参拝した後、そこからさらに山の方に向かう。次は第二十六番霊場の龍頭山金剛頂寺である。ご本尊は薬師如来である。真言は「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」である。勤行次第の中で三返唱和する。


本山である二十六番霊場の龍頭山金剛頂寺高知県室戸市にあるお寺で、眼下に太平洋が広がる景勝地に建てられたお寺であるらしい。それを模して作られた茂木二十六番札所も高台にある。参拝を終え戻りながら眼下に広がる橘湾を見る。厚い雲はどこかに行ってしまい、青空が見えてきた。曇りで涼しかったのがこれから暑くなるようだ。

 

二十番霊場霊鷲山鶴林寺へ行く。ご本尊は地蔵菩薩である。地蔵菩薩は釈迦の入滅後弥勒菩薩が出現するまでの間、現世に仏が不在になってしまうため、その間衆生を救う菩薩であるとされている。真言は「おん かかかび さんまえい そわか」である。勤行次第の中で三返唱和する。ここのお堂は広くてよく風が通る。お堂の一角でお昼をいただき休憩する。毎年七月二十三日に行われる地蔵まつりの「飯香浦(イカノウラ)飾りそうめん」は長崎市指定無形民俗文化財である。

次は八十番霊場の白牛山国分寺へ行く。ご本尊は十一面観世音菩薩である。十一面観音は文字通り十一の顔を持つ観音さまである。あらゆる方向に顔を向け、全ての人を救済してくれるという

 

四十三番霊場の源光院明石寺へ行くご本尊は千手観世音菩薩である。あらゆる手法で人々を救う観音菩薩の慈悲を象徴している姿である。

 

四十五番霊場の海岸山岩屋寺へ行く。ご本尊は不動明王である。不動明王は悪を断ち仏道に導くことで衆生を救済する役目を持つご本尊である。

 

太陽を遮る雲がなくなり直射日光を直に浴びながらのお遍路になった。つぎは九番霊場の正覚山法輪寺である。ご本尊は涅槃釈迦如来である。

 

次は三十五番霊場の医王山清滝寺である。ご本尊は薬師如来である。九番霊場は平地にあったが三十五番霊場は山の中である。炎天下、山の中腹目指して坂道を登っていくのは辛い。私は皆さんに遅れながらようやく到着。勤行の後、休憩をとり水分補給を行う。

 

次は八十七番霊場補陀落山長尾寺である。ご本尊は聖観世音菩薩である。聖観世音菩薩は苦難除去、現世利益、病気平癒、厄除け、開運、極楽往生など幅広くご利益があるとされているご本尊である。

暑さに耐え今日最後の十二番霊場の摩蘆山焼山寺へ行く。ご本尊は虚空蔵菩薩である。虚空蔵菩薩は無量の知恵と福徳をそなえ、人々の願いを満たし救うという菩薩さまである。般若心経を唱和しながら勤行を行う。

 

十二番霊場で今日のお遍路終了である。対岸には島原半島が見える。お遍路は終わったが、ここから最寄りのバス停である茂木町まであと一時間ほど歩かねばならない。茂木の町に着いたらアイスを食べようとか、ビールを飲もうとか楽しいことを想像しながら茂木に到着。今日も無事に八十八ヶ所巡りをすることができた。ただただ感謝である。