ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

小中学生10年間で100万人減少

長崎新聞の第1面に「小中学生10年間で100万人減少」という記事が掲載された。
ショッキングな見出しに記事を読むと「少子化の影響で、小中学校に通う児童生徒が大幅に減っている。2020年は全国で児童生徒数は約950万人となり、2010年より100万人近く減少した。国の統計を基に、10年間で児童生徒数が30%以上減った自治体数を共同通信が調べたところ、全国1892市区町村のうち346に上ることが判明した。特に郡部では過疎化も相まって学校の統廃合や休校が加速している。小中学校数は20年に2万9793校となり、10年間で3000校も休廃校になった。
児童生徒数が極端に少ない小規模校は、多数が参加する部活動ができないなど学習機会の確保が課題で、自治体は工夫や発想の転換で豊かな学びの場を提供することが求められている。教育の質の向上や合理化のため、小中一貫の「義務教育学校」や複数の自治体が共同で設置する「組合立学校」など学校の形態も多様化している。
都道府県別の減少率では青森と福島が25%以上、秋田、岩手が20%以上と東北地方が目立つ。増加したのは東京だけだった。」

少子化が進んでいるのは以前から言われ続けてきたので当然といえば当然の結果であるが、日本の根本問題と言われ続けながら何一つ政治的には解決できていないことを見せつけられて暗澹たる気持ちになった。

少子化問題は日本国だけが直面した世界で初めての問題ではない。ヨーロッパ諸国はすでに何年も前から、少子化問題に直面し、国難として捉えて少子化問題の克服に取り組んできている。だから、それらの国々の取り組みを参考にすれば解決策は見出せると思うが、我が国の政権与党は無策できたようだ。

例えば、フランスは家族給付の水準が全体的に手厚い上に、特に、第3子以上の子をもつ家族に手厚く有利になっているのが特徴である。また、かつては家族手当等の経済的支援が中心であったが、1990年代以降、保育の充実へシフトし、その後さらに出産・子育てと就労に関して幅広い支援策を広げ、必要に応じてそれらの支援策を選択できるような環境整備が行われ、すなわち「両立支援」を強める方向で進められている。

スウェーデンでは、40年近くに渡り経済的支援や「両立支援」施策を進めてきた。多子加算を適用した児童手当制度、両親保険(1974年に導入された世界初の両性が取得できる育児休業の収入補填制度)に代表される充実した育児休業制度、開放型就学前学校等の多様かつ柔軟な保育サービスを展開し、男女平等の視点から社会全体で子どもを育む支援制度を整備している。また、フィンランドでは、ネウボラ(妊娠期から就学前までの切れ目のない子育て支援制度)を市町村が主体で実施し、子育てにおける心身や経済の負担軽減に努めている。

外国では、若い人が子供を出産し、育てることについて住宅政策を含め、経済的支援をはじめ手厚い支援策が設けられ、子供を育てることに関して不安を取り除く様々な支援策が実施され、その結果出生率を回復して少子化に歯止めをかけている。日本も外国も子育てに関する問題は本質的に同じであり参考になることも多い。しかし日本ではそこまで徹底してやっただろうか。逆に、自己責任を強調するばかりで、さらには若い人の労働環境を破壊して、若者の40%は非正規雇用という劣悪な労働環境に押しやって、結婚することさえままならない、ましてや結婚しても子供も産めないような環境に押しやってしまったのが現状ではないか。これでは少子化対策の真逆の対策ではないかと怒りさえ覚える。

先月であったか、アメリカの電気自動車企業テスラの創設者であるイーロン・マスク(Elon Musk)氏が日本の人口が2021年、過去最高の64万4000人減少したという記事について、「当たり前のことを言うが、出生率が死亡率より高くなるような何らかの変化をもたらさない限り、日本は消滅するだろう」とツイートした。彼は人口を増やす努力をしなければ、日本は消滅の危機にあると警告したのである。まさにその通りだろう。日本の為政者はイーロン・マスク氏の警告を心に留めていただきたい。

安倍元首相の国葬の話が話題になっている。岸田首相は、安倍元首相が憲政史上最長となる8年8カ月にわたって首相の重責を担ったことなどから国葬を表明した。私は国葬反対である。なぜなら、8年間も日本国首相の座にあり、日本の根本問題と言われてきた少子化問題に全力で取り組まなければならないにもかかわらず、真逆の対策で少子化に拍車をかけた責任は大きいと思う。このような無策の元首相を国葬する気にはとてもなれない。