ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

竹中平蔵氏の退陣について

人材派遣大手のパソナグループが竹中平蔵会長の「8月退任」を発表した。竹中氏は2009年8月からパソナグループ取締役会長を務めていたが、このたび本人から「若いリーダーに託したい」と退任の申し出があったという。
竹中氏は慶大教授時代の2001年に小泉純一郎首相から経済財政政策担当相に指名され、その後、金融担当相、郵政民営化担当相、総務相などを歴任した。2013年1月には安倍晋三政権で、日本経済再生本部の「産業競争力会議」や国家戦略特区の特区諮問会議メンバーなどに就任した方である。加えて、オリックスも竹中氏の取締役退任を4月に発表している。

この竹中氏の突然の退陣報道について、ネットで解説を聞いた。
竹中氏の退陣を促した要因の一つは、今世間を騒がしている大手広告代理店電通の元専務で東京五輪パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事(78)が、大会スポンサーの紳士服大手「AOKIホールディングス」から多額の資金を受領した問題である。高橋氏の会社「コモンズ」はAOKIからコンサルタント料の約4500万円とは別に、約2億3000万円を受け取ったことが東京オリンピックに関連する汚職事件として捜査を受けているところであるが、竹中氏の突然の退陣はオリンピック汚職に関係することから退陣したのではないかと言う見方があると言う解説であった。

その根拠として、東京五輪組織委員会の現役職員が『報道特集』(TBS)の取材に応じ、パソナ電通による異常な人件費と中抜きの実情を告発したことから、東京五輪によってパソナグループと電通が暴利を貪っている実態が明らかになっていたからである。

「お金の流れというのは我々も疑問に感じるところではありますので、この実態を知ってほしい」と言って今回、組織委の現役職員がまず言及したのは、高額な人件費問題である。
問題の契約書は東京五輪の42会場のひとつである武蔵野の森総合スポーツプラザのもので、組織委は会場運営を大手広告代理店に委託している。契約金額は税込みで6億2304万円となっている。
そして、内訳書によると、会場運営計画策定業務のディレクターの1日当たりの単価は25万円、本大会に向けての準備業務を担うディレクターに1日35万円、会場運営業務にあたる運営統括に1日20万円という記述がある。組織委員会の現役職員は、「これらを同一人物が兼ねる場合もある」という証言をしている。つまり「計画の策定にあたった人がもちろん大会の準備業務もおこないますし、本番業務もおこなうということですので、同一人物に支払われる額は合計で1日80万円になる」と現役職員は答えている。
ちなみに内訳書を見ると、「準備業務」は1日当たり35万円×40日=1400万円、「計画策定業務」は1日当たり25万円×40日=1000万円、「運営統括」は1日当たり20万円×53日=1060万円が計上されている。つまり、1人に合計3460万円が流れるということになるのだ。


そして、この高額人件費について、組織委の現役職員はこう語っている。
「一般的な感覚からしてありえない数字。それにはやはり政治的なものが絡んでいたりとか、利権的なものが絡んでくるからこそ、こういった額になっているんじゃないかと推察します」

組織委の現役職員が口にした「政治的、利権的なものが絡んでいる」という指摘は極めて重要である。なぜなら、こうした高額人件費は、そのまま労働者に支払われるわけではないからである。
パソナグループは「人材サービス」分野で「東京2020オフィシャルサポーター」として東京五輪組織委員会と契約を締結している。東京オリンピックの会場運営を支えるスタッフの多くは派遣であり、人材派遣サービスはパソナにしか許されていない。43会場の派遣スタッフを頼むときはパソナに申し出る契約になっている。しかし、パソナのHPに掲載されている東京五輪大会スタッフ(職員)の募集概要によると、責任を担うマネージャーでもスタッフでも時給は1650円(深夜時間帯は125%の割増賃金)で、日給にして約1万2000円ほど。仮に1日合計80万円のディレクター職でも実際には日当1万2000円しか支払われないのだとすれば、パソナの中抜き率は98.5%にもなるのである。

これほどひどいことがなぜできるのかと疑問に思うが、パソナといえば、安倍元首相や菅元首相のブレーンである竹中平蔵氏が取締役会長を務めている企業だからであろう。そして、同社の2021年5月期の純利益予想額は、増減率で前期比約940%のプラス、前年の10倍強の数字になったようだ。

さらに、組織委は電通などの広告代理店に運営業務を委託しており、予算規模がもっとも大きいオリンピックスタジアムでは約35億円が支払われるというが、実際には電通などは下請け会社に再委託するだけである。だが、そこで電通などは「特別な報酬」を得ている。それが「管理費」である。オリンピックスタジアムの場合、管理費として10%を徴収している。つまり、業務は下請けに再委託するだけだというのに、3億5000万円あまりが広告代理店に渡る計算になる。

組織委の現役職員は「実際の現場の運営にあたるのは下請けです。我々は当然、直でその現場の業者とやりとりさせていただくこともありますので、広告代理店は契約の仲介をするのみという状況です」と証言している。しかも、組織委内部でも広告代理店を通さずに業者と直接契約すべきという問題提起があり、「直で事業者と契約させてくださいと異を唱えた部署もあった」ものの、「現状は以前と変わらず従前どおり、聞き入れてもらえなかった」と言う。組織委内部からも、仲介するだけで数億円もの巨額が電通などの広告代理店に流れることに「おかしい」という声があがったというのに、無視されてしまった──。これは東京五輪がいかに「政治的、利権的」であるかということの証左ではないかという声が現場から上がっていると報じていた。

このような実態が告発されていることから、オリンピック関連の汚職捜査が関係しての退陣ではないかという解説であった。このような告発があっているとは知らなかったが、事実とすれば厳罰に処してもらいたいと思う。事実であれば関係する政治家もお友達企業も即刻退陣してもらいたいと思う。