ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「維新ぎらい」を読む


大石あきこさんが「維新ぎらい」を出版した。大石さんは、れいわ新選組衆議院議員である。大石さんはもともと大阪府の職員をされていた方で、その方がどうして政治家を志すことになったのか、そのきっかけは何だったのかなど疑問に思っていたので早速読むことにした。

著書の中で大石さんは橋下知事との対面について語っていた。
「初めて橋下徹氏と対面したのは2008年3月13日、大阪府庁の朝礼の場であった。大阪府知事に当選した橋下氏が職員に向けて訓示をするというので朝礼に出席した。朝礼には30歳以下の若い職員だけが集められた。中高年の職員との間に一線を引くことで、『君たち若手こそが改革の主役である』というメッセージを送りたかったのだろう。朝礼の場で、『古くさい公務員体質を一掃するつもりで自分は府知事になった。府庁を変えるのは知事でも幹部でもなく、第一線の職員であるみなさんである。若い職員の皆様なら共感してくれるはず・・』約300人の職員にそう伝え、意見があるなら言って欲しいと言う橋下知事に、私は立ち上がって言った。『ちょっと待ってくださいよ。どんだけサービス残業やっていると思ってるんですか。今の府庁に問題はありますよ。でも、それは職場で職員が信頼関係をつくり、上も下もなく府民のための仕事を本気で議論することでしか解決しません。あなたは若い職員に、上司に不満があれば自分にメールを送ってなどときれいことを言うが、職場をバラバラにしているだけ。さらに職員と府民をも分断している。あなたのやろうとしてることは逆ばかりだ。』次第に場の空気が凍りついていくのが分かりました。終了後に廊下を歩く橋下知事の表情は鬼のような形相だったと職員から聞きました。

選挙の時から、『自治体経営に革命を起こす』と言って、テレビで英雄のように取り上げられ、府庁に乗り込んできた橋下知事。誰かが『あなたのやってることは、人権侵害だ』と声を上げなければ、公務員をはじめ、すべての労働者がひどい目にあうと考えました。

私の橋下知事への抗議発言は世論を大きく二分しました。橋下人気が絶頂の頃だったので、改革派知事に楯突くヒラ職員は、世間には目障りだったのでしょう。市民からも『橋下さんに文句を言うのか』と抗議が殺到しました。府庁への抗議電話は1,000件に上り総務部の電話はパンクしました。窓口に『革命戦士のいる部署はここか』と言って直接乗り込んでくる年配の男性もいた。インターネットの掲示板には2万件のスレッドがたち大炎上した。『今から刺しに行くので深夜バスに乗る』といった殺人予告まであり、気が休まりませんでした。

振り返れば、私はあの時をきっかけに自分の中の何かが変わりました。一夜にして一個人としてバッシングを受ける人生にシフトしたのです。『過去の大石あきこには戻れない。この先どう生きるのか』と問われている気がしました。人としての尊厳は手放したくない。でも不当な圧力には抗うしかない。闘うのか、撤退するのか『よし闘おう』と決めた転機でした。

本来勝ち目のない戦いと言われる選挙に出る理由は何なのかと問われたとき、大石さんは次のように答えていた。
「リスクを取ってでも戦う理由は何なのかと聞かれると、もちろん一つには純粋にこの社会を何とかしなくてはいけないという正義感や危機感です。それに、もう一つの素直な気持ちとしては、『一生懸命生きている人間を踏みつける権力者を、踏みつけ返して二度と踏みつけられないようにさせてやりたい』ということに行き着きます。子供の頃から、自分自身が誰かに支配されるのが、耐えられませんでした。そして、『不正義と闘いたい』『闘わないまま、その権力者のいいようにされるのは生きた心地がしない』という自分ができ上がりました。『維新が嫌いなら引っ越せばいいじゃないか』そう思う人もいるかもしれません。でもデマで統治を続けてる人たちを倒さないと、やっぱり気が済まない。同じ気持ちで、この世の不条理を『絶対許せない』と闘っている人が大阪にもたくさんいます。日本にも世界にもたくさんいます。だから、自分の考える力、動く力、反発力を全部使って、その『闘う隊列』に私は入ろうと思うようになり、そこからはずっと一直線です。

「日本の経済界は、資本主義的競争の行き詰まりの中、自分たちの生き残り戦略を、今まで以上の弱肉強食の道に見出しました。その先にあるのは、今まで以上の格差社会であり、自己責任だとして『下の層』が淘汰されていく地獄のような世界です。それを先頭に立って突撃隊として成し遂げようとしているのが維新です。維新は雇用を不安定にする規制緩和政策を推進し、社会保障の切り捨てを推進しています。維新が推進する弱者切り捨て政策をそのまま自由にさせてはいけない。私は、この維新と闘える新しい政治潮流を作りたいと考え、その際に必要な仲間は、山本太郎だと思いました。そして、2020年2月、山本太郎が代表を務めるれいわ新撰組衆議院議員選挙予定候補者として政治活動をスタートしました」と語っていた。

私は、日本の政治家には金儲けのために政治家になった人が多いのではないかと思っている。政治家になるといろんな利権話に顔を突っ込むことができる。より利益の多い方に力をかしてやると感謝されてより利益を得ることができる。これほど美味しい話はない。これができるのが政治家で、実際、東京オリンピックでは多額の税金が投入され利権として吸い上げられたと言われている。そういう政治家が多いといっても全部ではない。少ないがまじめに真剣に日本を良くしたいという思いで政治家を志す人もいる。大石あきこさんもそのような少数派の一人である。少数派である真面目な政治家がどんどん増えていって欲しいと思う。反社団体である統一教会の力を借りたいと思う人は利権政治を目指すことと同じであり、本来政治家の資格はない。今後の大石あきこさんに大いに期待したいし、さらに大石あきこさんに続く女性が日本の政界に出現することも期待したい。