自民党の杉田水脈議員の「回答は差し控えさせていただく」という言動に批判が殺到している。杉田氏は先月26日の衆院倫理選挙特別委員会で、過去に「統一教会の信者の方にご支援、ご協力いただくのは何の問題もない」とツイートしていた件について聞かれ「個人的な投稿について見解の表明を差し控えたい」と答えた。杉田氏は伊藤詩織さんに「枕営業の失敗ですね」と中傷したツイートに「いいね」を押し、東京高裁から名誉毀損と認定された。これについても「係争中の案件なので詳細は控えたい」と述べた。1日の参院内閣委でも「『いいね』を押したのは事実か?」と問われ「控えさせていただく」と繰り返した。杉田氏は総務政務官という要職に就いている方である。日本の国会においては「政治倫理綱領」で「国会議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない」定められているが、そのことも理解されていないようだ。
杉田氏は今、伊藤詩織さんに「枕営業の失敗ですね」と中傷したツイートに「いいね」を押したことで話題になっているが、過去にも様々な問題発言をされている方である。その一部を記す。
杉田議員は、性暴力などをめぐり「女性はいくらでも嘘をつける」と発言し批判の声が広がると、当初、発言を強く否定していたが、逃げきれないことを悟ると一転して発言を認めた方である。また、杉田氏は「保育所や学童保育はコミンテルンや共産党などの日本を貶めようとする勢力が日本を弱体化させるために仕組んだ施設」と主張している。シングルマザーについては、配偶者による暴力が離婚の原因であっても「そんな男性を選んだのはあなた」などと主張している。保育所の増設に反対し、「『誰もが利用できるのが当たり前、利用する権利があると考える』のは、大きな間違いである」「『保育園落ちた』ということは『あなたよりも必要度の高い人がいた』というだけのこと。言い換えれば『あなたは必要度が低いので自分で何とかしなさい』ということ」と主張している。「世の中に『待機児童』なんて一人もいない。子どもはみんなお母さんといたいもの。保育所なんか待ってない。待機してるのは預けたい親でしょう」と主張している。「学童保育所は鍵っ子が可哀想だということで、共産党が主導してつくったサービスで、”学童保育"は共産党用語であり、自治体では用いません」と主張している。また、杉田氏は女性差別の存在を否定し、男女平等は悪という主張のもと、「女子差別撤廃条約」「男女共同参画社会基本法」の撤廃、廃止を繰り返し主張している。「私は、女性差別というのは存在していないと思う。女子差別撤廃条約には、日本の文化とか伝統を壊してでも男女平等にしましょうというようなことが書いてあって、これは本当に受け入れるべき条約なのか」と主張している。
LGBT支援の広がりについても「旧ソ連崩壊後、弱体化したと思われていたコミンテルンは息を吹き返しつつあります。その活動の温床になっているのが日本であり、彼らの一番のターゲットが日本」であり「夫婦別姓、ジェンダーフリー、LGBT支援などの考えを広め、日本の一番コアな部分である『家族』を崩壊させようと仕掛けてきました」と主張している。
「日本は、男女の役割分担をきちんとした上で女性が大切にされ、世界で一番女性が輝いていた国です。女性が輝けなくなったのは、冷戦後、男女共同参画の名のもと、伝統や慣習を破壊するナンセンスな男女平等を目指してきたことに起因します。男女平等は、絶対に実現し得ない、反道徳の妄想です。 男女共同参画基本法という悪法を廃止し、それに係る役職、部署を全廃することが、女性が輝く日本を取り戻す第一歩だと考えます」と主張するなど、教育・育児・LGBTなどに関しても特異な考えを持っている方である。
このような異常な考えの持ち主がどうして国会議員が務まるのか不思議でしょうがない。国会議員の年収はさまざまな手当を含めると年間で5千万円になるらしい。私たち庶民の感覚からするとすごい厚遇である。しかもまともな仕事をしているならともかく、まともでない思想思考の持主が国会議員をしていることは国を危うくすることでもあり厚遇を受け続けることは許せない。このような議員は落選させて、国会から追放したいと思うが、日本においては、国民が杉田水脈氏を落選させることは難しいらしい。なぜなら、杉田氏は、小選挙区ではなく、比例区から選出された国会議員だからである。
杉田水脈氏はもともと日本維新の会に所属していた政治家で当落を繰り返していた時、桜井よしこ氏が杉田氏を気に入り安倍元首相に推薦し、安倍元首相も「杉田さんは素晴らしい」と絶賛し、自民党比例中国ブロックからの出馬が決まった方である。彼女を国会議員として当選させ、彼女を要職に就かせているのは自民党であり、杉田水脈氏は素晴らしいと自民党に勧誘した安倍元首相でありそれを引き継いだ岸田文雄首相である。
先日、自民党の茂木幹事長は会見で「人事は全て、適材適所で実施している」と強調していたが、その適材適所の人事で不適格の烙印を押されて辞任が続いている。杉田水脈政務次官も適材適所で実施したというのであれば、自民党の思想思考というものがまともでないということになる。もはや自民党には政治は任せられないとつくづく思う。