ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

古賀茂明氏の政治解説を聞く

 ユーチューブで古賀茂明氏の政治解説「日本は本当に戦争をするのか、しないのか・・・本質の議論を期待する」を聞いた。その中で古賀氏は「防衛費増額、異次元の少子化対策、そして賃上げなど岸田首相が掲げる政策に、野党からは「防衛増税するなら解散すべき」という声も上がり、増税に焦点が当たっているが、元経産官僚の古賀茂明氏は「議論のピントがずれている。日本は戦争をするのか、しないのかという本質に関わる議論がない」と指摘していた。古賀氏の解説を聞き本当にそうだと思った。国会では本質の論議をしてもらいたいと思う。

 安倍元首相は「台湾有事は日本有事」という発言を繰り返していた。その意味は、中国が台湾に武力侵攻したら、日本は台湾のために戦うということであった。戦争さえも辞さないということであった。岸田首相は安倍元首相の政策「台湾有事は日本有事」をそのまま引き継ぎ、さらに中国を仮想敵国として軍備増強が絶対必要と強調し、そのために増税を打ち出している。その増税策に対して、国民が拒否反応を示していることを踏まえて、野党は増税するなら解散総選挙をすべしという主張をしていることについて、古賀氏は疑問を投げかけていた。

 古賀氏の話を要約すると次のとおりである。台湾は中国の一部であり、台湾問題は中国の内政問題であるということは世界政治の常識である。日本も中国との平和条約の中で台湾は中国の一部ということを明確に認めているし、アメリカも同様に米中条約により台湾は中国の一部ということを認めている。台湾が中国の一部であることは、国際的に認められている事実であるから、その意味で中国が台湾に武力侵攻する理由はない。しかし、中国が台湾に武力侵攻するシナリオが全くないわけではない。それは台湾独立の動きである。中国の一部であるはずの台湾が独立の動きを見せたら、中国は見過ごすことはしない。台湾独立の動きがあれば、中国は武力侵攻しても独立を阻止する強い意志を持っていることは中国が明言していることでもある。

 アメリカの世界戦略の中で、中国の台頭がアメリカの脅威になるということが言われている。そして、現在、米中対立はますます厳しくなってきている。そういう中、アメリカはアメリカの軍事研究機関に依頼して台湾独立についての軍事演習のシュミレーションを実施しているという事実をもとに、古賀氏はアメリカが台湾独立問題でどのような計画を描いているのかを明らかにした。

 アメリカは中国の台頭を阻止するために、台湾独立問題を利用しようとしている。台湾独立を誘導して中国に軍事介入させようと画策しているようだ。そして、現在のウクライナ戦争のように戦争の長期化で、ロシアの国力が低下しているように、台湾独立で中国に戦争させて、中国の国力を低下させる計画が進んでいる。台湾独立問題のシュミレーションでは日本の参加なしでは計画が成り立たないと書かれている。中国が台湾に軍事侵攻した場合、アメリカは日本の基地から中国に反撃を行う。沖縄だけでなく日本国内にある全ての米軍基地はもちろん、日本国内全てが戦争状態になる。中国から見ると、アメリカの反撃を抑えるためには日本の米軍基地を叩く必要があり、日本は中国から無数のミサイル攻撃を受けることになる。台湾有事になった場合、戦場になるのは台湾でなく日本であるとシュミレーションには書かれている。そして、戦争が長期化することで、日本国内全てが壊滅的に破壊されるが、それによって中国も国力を消耗していく。
 この報告書では、台湾有事の主戦闘国は日本と中国である。アメリカは遠くから援助する形で行う計画のようだ。まさに大国ロシアと戦うウクライナ国民の役割を、今度は大国中国相手に日本国民が演じるシナリオがアメリカによって描かれているということであった。台湾有事は日本の参加なしでは計画できないと書かれていて、さらに、アメリカとの同盟関係が壊れることを一番恐れる日本は、この計画にNOと拒否することはないとも書かれているそうだ。さらに、台湾独立問題の戦争に参加する国は日本とアメリカだけで、世界の他の国々はどこも参加しないと書かれている。世界の国々は、台湾独立問題はアメリカの画策で、日本はアメリカに使われて代理戦争に駆り出されているだけの愚かな国というのを知っているからどの国も中国の台湾武力侵攻が起こっても参加しないようだ。

そのシナリオが、日本防衛のための軍備増強という掛け声の中で進んでいるということであった。日本に何事かあれば、アメリカが日本を守ってくれると信じこまされてきた日米安保条約であるが、その守られているはずのアメリカによって代理戦争をやらされるというシナリオである。このまま行くと、必ずアメリカによって米中戦争の代わりの、日中戦争をやらされるということであった。

 岸田首相の意味のわからない説明に納得して本当にそれでいいのだろうか?日本が今、直面している問題は、増税する、しないの問題ではない。日本は戦争するのか、しないのかという問題である。本当にアメリカの覇権国家維持のために代理戦争を中国としたいのか、日本の若者を中国との戦争で死なせて良いのか、台湾有事は日本が戦場になるというのに、日本国民はそれでも戦争をしたいのか、しっかり国会で議論をしてもらいたいと思う。

 

「日本は戦争を絶対にしない、台湾有事だろうが何だろうが戦争は絶対にしない、日本にとって台湾有事の最大のテーマは、台湾有事からいかに逃げるかということに尽きるということを心ある政治家、政党は、今国会において勇気を持って主張して欲しい」と古賀氏は語っていた。私も古賀氏に同意する。今国会において真剣に国会論戦してもらいたい。