ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

前川喜平さんの講演を聞く その2

前川喜平さんの講演後、受講者との質疑応答があった。その中で高校生から次の質問があった。
「日本に期待できるものがあまりない。世の中がますます不景気になる中で日本にこのまま住むより、英語を勉強して外国に住んだほうがいいのではと友達と話したりすることもあります。私は、18歳になって投票権を持つようになりました。私はどうしたらいいのでしょうか。ご意見をお聞かせください」
その質問に対して前川さんは次のように答えた
「そういう考えを持っている方は、これからしっかりと勉強して、日本の内閣総理大臣をめざしてください。世の中は変えられるということを信じて自分が日本を良くするのだという意識で取り組んでください。確かに一人ではできないでしょう。だから同じように考えている人たちと繋がっていって下さい。もちろん一人であっても無力ではありません。微力であっても無力ではありません。日本をもっと良くしよう、いい世の中を作ろうと思っている人たちの一人一人の力を繋ぎあって、もっと大きな力にしていってください。いい世の中を作ろうという動きを自分の範囲で作っていってください。そうすれば必ず良い世の中は作れます。今日がだめでも明日がある、明日がだめでも明後日があると未来に希望を持って運動を続けていくことです。未来に希望を持つことが大事なことです。

しかし、日本が本当にどうしようもないくらいだめな国になってしまったら、私もこの国を出ようと思っています。その時はどこの国がいいかなとか考えます。半分冗談でありますが、日本が今のプーチンのロシアみたいに、日本に独裁者が生まれて戦争を起こし、もうここにはおられなというような状態になったら日本を出て、どこの国に行こうかと考えざるを得なくなる。現実に世界では独裁政権のロシア、ベラルーシミャンマー、香港などから出て行っいる人が大勢いる。そこにいたら、最後は殺されてしまうという状態ですから出て行くしかない。日本だって、まかり間違ってそのような社会にならないとは限らない。緊急事態条項を憲法に加えようという動きがあるが、憲法に緊急事態条項を加えることは独裁政権を認めることと同じですから、独裁政権が誕生する危険はないとは言えなくなる。第二の安倍晋三さん、第三の安倍晋三さんみたいな人が出てきたら必ず独裁政権が誕生する可能性が高いと思います。日本はそういう段階にきているのです。そのような世の中に社会にならないようにしていく努力はこれからも必要ですし、やっていかなければなりません。しかし、それでも取り返しがつかない独裁政権が誕生するようなおかしな国になってしまったら、その時は私もみなさんに亡命を勧めます。日本を捨てなさいと言うでしょう。でも、そうならないように若い人たちにそのような思いをさせないように、私たち現役世代が何とかしてそのようなことにならないように頑張るしかないということです。そのためには、緊急事態条項を含めての憲法改悪を絶対阻止しなければならないと思います」

この質疑応答を聞きながら、2015年8月、自民党の武藤貴也議員が、安全保障関連法案の反対デモをしている学生団体「SEALDs(シールズ)」について、「SEALDsという学生集団が自由と民主主義のために行動すると言って、国会前でマイクを持ち演説をしてるが、彼ら彼女らの主張は「だって戦争に行きたくないじゃん」という自分中心、極端な利己的考えに基づく。利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、非常に残念だ。」「戦争に行きたくないは、利己的個人主義だ」と投稿して炎上したことを思い出した。そもそも日本国憲法は平和主義を主張しているのであって、戦争できる国にしようとする法案そのものが憲法違反であるにもかかわらず、戦争反対を非難するなど国会議員としてもってのほかと言うしかない。発言を受けて、いろんな国会議員がその発言を非難したが、当時の安倍首相は意見を述べず、「幹事長に任せている」とだけ述べた。また当時の菅官房長官は「政府としてコメントしない」と述べるにとどめた。
2015年に多くの人によって非難された「戦争反対は利己主義」という主張は、緊急事態条項が成立すれば、この発言が大手を振ってのさばるようになるのだと思った。そして現在のロシアのように誰も戦争反対を言えなくなるのだと思った。そのような悪夢のような世の中、社会にしないように憲法改悪は絶対阻止していかねばと改めて思う。