ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「神なき時代の日本蘇生プラン」を読む その3

「チャットGPT」が話題になっている。チャットGPT(ジーピーティー)とは、「Generative Pre-trained Transformer」の略で、米国の企業であるOpen AI社が開発した、人工知能(AI)を使ったチャットサービスである。人間の質問に対して、まるで人間のように自然でクオリティの高い回答をするそうだ。2022年11月に公開されるとまたたく間に注目を集め、利用者数が急増中らしい。チャットGPTは自然な会話ができるだけではなく、メールを作成したり、詩や小説を書いたり、表計算ソフトの関数を作成したり、プログラミングもできるし、料理の献立を考えたり作曲をしたりすることも可能らしい。これによって、人間の仕事が奪われてしまうのではないかという心配の声があがっているというニュースも流れていた。「チャットGPT」はすごい、これから先どうなっていくのだろうと思っていたら、「神なき時代の日本蘇生プラン」の中でもAIの発展に伴う未来について語られていてさらに驚いた。

 近年、AI(人工知能)は著しい進化を遂げている。そして、2045年にはその人工知能の性能が人類の知能を超えると予測されているということであった。人工知能の性能が人類の知能を上回ると見込まれる瞬間点のことをシンギュラリティ(技術的特異点)と呼ぶらしいが、現時点で予測されているスピードでAIが進化を続けた場合、それが2045年らしい。シンギュラリティを超えた場合、機械的人工知能のバージョンアップが行われることになり、人類が予想もしなかった高度な技術による知性が誕生することになる。そうなれば、人工知能が人類に代わって地球における文明や歴史の主役に躍り出ることも、全くないとはいえなくなるらしい。そのシンギュラリティという転換点が2045年にやってくるという。読んでいて頭がクラクラしてしまった。AIが人間に代わって文章を作成したり、作曲したりするのは便利だと思うが、AIが人類の知能を超えて、地球における文明や歴史の主役に躍り出ることが予測されるというのは想像を絶する世界である。それが、遠い未来ではなく22年後というのだから信じられないという思いだが、化石のような私の頭脳では理解しにくいが、おそらくその予測通りにAIは進歩していくに違いない。

 本書の中で、「メタバース」の現状と未来が語られていた。私たちが現実に生活している世界をユニバース(現実)と呼び、それと別にネット上の仮想世界をメタバース(仮想空間)と呼ぶらしい。「メタバース」には自分の分身であるアバターを作って、そこで生活や交流を楽しむことができるようだ。そして、「メタバース」が出現したことで、今は「ユニバース」と「メタバース」の間で身体と精神の奪い合いが始まっているということであった。

 2021年のコロナ禍のハロウィン。リアルに渋谷に集まられては困るので、仮想空間の渋谷で仮想パーティーを楽しもうと行政までもが推進した「バーチャル渋谷 au 5Gハローウィーンフェス2021」が開催され、55万人が参加したようだ。いろんなところで、すでに「メタバース」パーティーが開催されているようだ。「メタバース」のリアルさは所詮「ユニバース」に劣ると思うのは間違いでフィジカルな部分は相当すすんでいるようだ。現時点では触覚と味覚と嗅覚はバーチャルで再現不能だが 、 脳内電気刺激で触覚、嗅覚、味覚を再現する研究が進められていて、五感すべての再現も時間の問題と言われている。
 この「メタバース」の誕生は、単に素晴らしい技術の進歩という話ではなく、この技術の進歩によってもたらされる状況を考えると恐ろしく「やばい」という状況が絶対確実にやってくると書かれていた。人々の関心が「ユニバース」から「メタバース」に移転してしまうことは十分に想像できる。「ユニバース」には、エネルギー問題、食糧問題、気候危機問題、戦争問題など解決すべき問題があるというのに、人々が「ユニバース」から「メタバース」に隔離されてしまうことと同じになる。その結果、「ユニバース」の政治は、今以上、特別の一部の人によって政治が行われることになるだろう。そして、その政治は信用できるという根拠も保証もない。
メタバース」を体験すると、「メタバース」の世界が本当の自分の居場所と思う人もいる。しかし、大人に訊けば現時点では8割が「メタバース」の人生は間違っていると答える。でも今の子供達が大人になる頃にはわからない。彼らにとって「メタバース」で過ごした時間が大半で「間違い」と答えるのは不可能になってくるだろう。私たちが現実社会における公正や正義を要求するのは「そこが自分たちの居場所だと思うから」である。だから、メタバースが発達して自分たちの本当の居場所はメタバースだと思うようになれば、現実社会における公正や公平など誰も要求しなくなる。そのような世界が現れることも想像できるなど語られていた。ほとんど理解不能な内容になってくるが、しかし、人工知能は確実に進歩していくことは間違いないと思う。

さらに本書では、人工知能の性能が人類の知能を上回るシンギュラリティを通過して、さらにAIが進化して、「人間よりはるかに人間的な AI 」が出現する一方で 「AIよりはるかに人間性において劣る人間」が量産されるようになった時 、AI の発展系に「改造哺乳類等」ができ、どの範囲に人権が与えられるべきか、社会の構成員を何だと考えるべきかという問題に直面することになると書かれていた。想像を超える話の内容で、私は、話にこれ以上ついていけなかった。理解不能という状況になった。しかし、そのような世界が間近に迫っていることだけは間違いないようだ。