ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

落矢ダム発八郎岳&兜岳ルートを歩く

青点をスタートして青点に戻る循環コース。距離8.98km、最低高度22m、最高高度589m、総上昇高度657m、天気晴れ、気温15度、湿度62%

 

 

八郎岳登山コースはいくつかのルートがある。よく使われる通常コースは道も整備され、上りやすいコースだが、登山口に駐車場がない。しかし、落矢ダムコースは落矢ダム登山口の近くに広場があり、そこに車を停めることができる。しかし、このコースは直登ルートで急峻な坂が続き健脚向きとされているコースである。私は健脚ではないので、このコースはいつも避けていたが、今日は健脚者の2倍の時間を考えてこのコースに挑むことにした。車を停めた場所の近くに、木に巻かれたロープが備えてある。ここが登山口である。

 

道は分かりにくい。多分こっちだと思って進むが確信を持てない。しかし、途中からペンキの印を見つけた。このペンキを目当てに進んでいく。

 

ペンキの印がなくなって、道は大丈夫かなと思いながら進んでいくと石が積んである。この石積みを見つけて方向は間違いないと確信する。人が通った後を探しながら登っていく。

 

林の中を歩いていくと斜面地に石積みの跡がある。この石積みは何の目的に作られたのだろうと考えるが、多分炭焼き場跡ではないかと思う。昔は、炊事の火も暖房の火も炭を使っていたが、ここでその炭を作っていたのではと思う。

 

香焼町と刻印された石柱を発見。落矢ダムは香焼町所有のダムであったため、これから先は香焼町所有地を表示する石柱である。現在、香焼町長崎市に合併されているので、現在は、長崎市所有地ということになるのだろう。近くに、シカ捕獲禁止区域の立札が立ててある。

 

道を見失わないようにペンキの印を探しながら林の中を歩いていく。今日のコースは花を少しも見ない。このコースについて、景色も見えない花もない地味なコースという説明があったが、確かに花も景色も見えないから華やかさはない。でも、私はこの静寂さはなかなか良いと思う。そして、やっとの思いで、県行造林の石柱に到着。ここまで来たら頂上まで標高差180m、残り距離0.4kmである。落矢ダムコースは標高差550m、距離1.7kmの健脚コースの登山ルートで健脚者で所要時間1時間のコースである。しかし、ここまでですでに2時間を要している。

 

急峻な坂にはロープが設けられてある。そのロープを使って登っていく。すでに予定した2倍の時間を使ってしまっているので気は焦るが、この厳しい坂では急げない、一歩一歩滑らないように手と足に力を入れて登っていく。

 

やっとの思いで、頂上到着。標高差180m、距離400mにさらに1時間を要して登ってきた。合計3時間かかってしまったが、これも仕方ないことと納得する。頂上の風がさやわかで気持ち良い。この景色を眺めながらお昼をいただく。いつものおにぎりがことの他美味しい。

長崎では、戦前山登りが禁止されていた。許可されたのは昭和20年(1945年)8月15日からである。長崎は造船所があり、そこで軍艦を造っていたため、スパイ防止の観点から厳しく長崎近辺の登山は禁止されていた。市内でも造船所の方を不注意に見たり、海の方を不注意に見ていたら監視している憲兵から挙動不審ということで現行犯逮捕され、厳しく処罰された。自由に見ることも叶わない時代があった。今は自由に山に登ることができるし、造船所も自由に見ることができる。いつまでも平和な時代が続いてほしいと切に思う。

 

 

八郎岳で昼食休憩した後は、次の目的地の兜岳へ向かう。兜岳に行くには熊が峰への登山道を進み、途中で分岐することになる。分岐点を見落とさないように注意して進んでいたら、手書きのような案内板が設置されていた。兜岳まで26分と時間まで書いてある。案内に沿って進むと23分後に兜岳頂上に到着。樹木に囲まれ展望なし。

 

兜岳で小休止した後、次は500mほど離れた所にある北兜岳(468m)を目指して進むことにした。兜岳は462mだからほぼ同じ標高だから平面を行くように想像していたが、実際は高度をどんどん下げていく。そして、アップダウンを繰り返して北兜だけに到着するようだ。途中まで行ったが、アップダウンを乗り越える元気がなく、途中で諦めて引き返すことにした。下山方向の南柳田バス停という分岐へ戻り、そこから下山を開始をする。

 

下山は下る一方だから、楽である。また最初は尾根道で道筋がはっきりしていたが、途中から尾根がなくなり道が判然としなくなった。さらに、電波の状態が悪くなり、現在地の表示が出なくなった。道を見失い、さらに現在地もわからない状態になった。周りを見るがどの方向にも降って行けそうに思えるが、どれも違うように見える。仕方がないので、もと来た道へ戻ることにした。携帯は常に現在地を表示してくれるから山歩きにはとても便利と思っていたが、電波が届かないと用をなさない。もとの道へ戻って行く。確か、こっちの方から来たと周りを見渡しながら戻っていく。周りを見回しながら戻っていた時に、木に巻きつけられた赤いテープを見つけた。このテープは下山コースかもしれないと思い、テープを探しながら下山を再開する。そして1時間ほど慎重に行動していたら、そのうち携帯も電波を受信して現在地を正確に表示するようになった。そして、テープは下山コースと確認でき、無事に今日の山歩きを終了した。

 

今日の健脚コースは少し疲れたが、その分達成感を感じることができた。また、今日の登山の経験で、低山でも山中は電波が届かないことがあるのを知った。電波が届かない時に地図とコンパスで安全に山を歩く知識の必要性を感じた。昔は、紙の地図とコンパスだけで山歩きしていたが、便利になった今、その知恵を忘れかけている。昔、習った地図の見方を復習しなければと思った。