ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

G7広島サミットについて

 G7広島サミットが21日閉幕した。早速、報道機関が「G7広島サミット、あなたの評価は?」ということでアンケート調査を実施していた。アンケートは途中経過であったが、そこではとても評価する66.1%、どちらかというと評価する8.1%、どちらかというと評価しない6.5%、全く評価しない18.1%という結果を示していた。G7広島サミットについて、とても評価する、どちらかというと評価すると肯定的に考えている人は74.2%を示していた。単純に考えると、日本国民の四人中3人は肯定的に考えていることになる。翌日の新聞では岸田政権の支持率も上昇していると書かれてあった。

 しかし、私は、今回のG7広島サミットについて全く評価しない。なぜ評価しないかというと、今回のG7広島サミットは日本が議長国として行う会議である。しかも、あえて広島で行う会議である。さらに、悲惨なウクライナ戦争が現実に起こっている中に、日本が議長国となって、広島で行なわれたG7広島サミットで、今起きている戦争を終結する方向への動きが見られる会議、平和の足跡が聞こえてくる会議、戦争を地球からなくすための会議を期待していたが、全く逆で、むしろ分断が深まり、戦争へ加担するための会議になってしまった。G7広島サミットで来日していた国連のグレテス事務総長をして、「世界で新たな軍拡が始まり、軍縮の動きが完全に止まった」と言わしめた会議が成功であるはずがない。G7会議は平和を目的とする会議ではないと言われればそれまでだが、しかし、G7広島サミットで世界の分断が深まり、戦争がますます激化するのであれば会議をやる意味がない。これが、評価しない理由である。

 広島で被爆し、カナダを拠点に核兵器廃絶を訴えている被爆者のサーロー節子さん(91)は広島市で記者会見し『「G7広島サミットは大きな失敗だった。首脳たちの声明からは体温や脈拍を感じなかった」と批判した。「原爆資料館で何を感じ、何を考えたのか。その声を聞きたかった」とも指摘した。被爆者らは核保有国や「核の傘」の下にある日本などに核兵器禁止条約参加を求めてきたが、G7の共同文書「核軍縮に関する広島ビジョン」などで条約への言及はなかった。サーローさんは「声明には何も新しい内容がなかった」と述べた。ウクライナのゼレンスキー大統領の出席に関して「武器支援のことばかりで、話し合いによる解決策が聞こえてこない。広島でそうした話をされるのはうれしくない」と複雑な心情を吐露した』と書かれてあった。G7広島サミットについては、サーロー節子さんが言われることが全てである。広島を政治ショーの舞台に利用しただけという感じがしてならない。

 今回のG7広島サミットにおいて、ゼレンスキーウクライナ大統領を招待したことが大きな話題になっているが、招待したことが良かったのかどうか疑問が残る。ゼレンスキーウクライナ大統領を招待しておこなったことは、更なる武器許与を約束してさらに戦争に加担することであった。G7はウクライナ支持であることを表明することであり、分断を増長しただけであったと思う。

 ウクライナ戦争は、イギリスやフランスなどの欧州各国にとっては隣国の戦争であり、いつその火の粉が降りかかってくるかもしれないという緊迫した状況であると思うが、そもそも日本は、ロシアとウクライナとの間に起こっているウクライナ戦争に直接的関与はない。アジアの日本にとってはロシア、ウクライナとも等距離外交ができる立場にあった。その意味では仲介役ができる立場にあった。現に、ウクライナ戦争の和平の鍵を握るのはアジアの中国であるという国際的認識がある。本当にウクライナ戦争を終結させ和平を取り戻したいと思うのであれば、ゼレンスキーウクライナ大統領を招待するのではなく、G7広島サミットの議長国を務める日本国は、中国の習近平国家主席こそ招待すべきでなかったかと思う。そして、アジアの中国とともに、世界の和平を推し進める会議にすべきであったと思う。現実は、その中国に対して、G7広島サミット声明で、責任ある行動を求めるなど要求して終わった。大国中国に要求しただけで解決に向かうはずがない。日本がG7議長国という立場で和平に向けての何らかのアクションが起こせれば、G7広島サミットの意味もあったと思うが、そのような役割を日本国の首相に期待するのは、最初から夢のまた夢であったかもしれない。全てにおいて国際的に失敗としか言えない会議であったように私は思う。

 それにしても、今回のG7広島サミットの筋書きは、どこの国の誰が考えたのか知らないが、日本国首相はその筋書きに沿ってただ演じさせられただけであったように思う。岸田首相は会見で国際的平和と繁栄を守り抜く決意を世界に示すなどと述べていたが、言葉は立派だが、そのための具体的内容が空っぽで呆れてしまう。そして、計画通り、G 7はウクライナを支持して、この戦争を続けますよということを明確にすることは成功した。しかし、今回のG7広島サミットでグローバルサウスの諸国を仲間に加えようと画策したが、ブラジルはじめ明確に反対する国があって、その点は成功しなかったようだ。G7会議は戦争の同盟国を増やすための会議であれば意味がない。和平に益しない分断を深める会議を広島で行う意味があるのかと思った。