東京地検特捜部は7月30日、自民党の広瀬めぐみ参院議員(58歳、岩手選挙区)が国から支給されている公設秘書の給与計数百万円をだまし取った疑いがあるとして、詐欺容疑で国会議員会館事務所や都内の自宅など関係先を家宅捜索したというニュースを見た。
報道によると、広瀬氏は2022~23年ごろにかけて公設第1秘書の妻を公設第2秘書として届け出ていたが、公設秘書としての勤務実態がなく、国から支給されていた秘書給与計数百万円を詐取した疑いが持たれている。広瀬氏の公設秘書を巡っては、今年3月、週刊新潮が「広瀬めぐみ議員の『幽霊公設秘書疑惑』」と題する記事を掲載した。
これに対し、広瀬氏側は代理人弁護士名で「記事内容は事実無根であり、(略)記事で指摘された公設第二秘書は、令和4年12月から同5年8月まで、しっかりとした勤務実態を以て働いていたことをここで明らかにさせていただきます」と反論し、さらに後援会長名で「不十分な取材活動による憶測記事であり、偏向報道」などとする声明文をホームページに掲載していた。
今回の家宅捜索を受けて、広瀬氏は記者団の取材に「まだ事情が分かっていないので、しっかり事情が分かった上で対応する」とコメントしているが、新潮が疑惑を報じてから約4カ月も経つのだから、今さら「事情が分かっていない」ワケがないだろうと書かれていた。
今回の疑惑を受けて、SNS上では次のような声も上がっていた。《観光気分でのパリ視察、赤いベンツで外国人サックス奏者と不倫、そして公設秘書の給料詐取疑惑…。スリーアウトで議員辞職だな》《自民党の政治家はなぜ、ここまでカネに固執する汚い議員ばかりなのか。詐取したカネは私設秘書給与?それともサックス奏者のお手当?》それ以外にも、統一教会団体との関係などの問題も追及されていた方である。
ネット解説を聞いていたら、司会者とコメンテーターが次のような会話をしていた。「広瀬議員は自民党の当選1回目の議員です。広瀬議員はどういう目的意識を持って政治家を目指したのでしょうか?政治家の秘書給与は国費で支払う制度がありますが、幽霊秘書を仕立てて、秘書給与を取得するのは立派な詐欺罪です。この犯罪で捕まったら、国会議員という資格を剥奪される恐れもある犯罪です。その対価は4〜5百万円という金額です。4〜5百万円で信用を失い、国会議員の職を失うことを考えたらあまりにも無謀な犯罪だと思いませんか?」
コメンテーターは次のように答えていた「自分たちは特別な上級国民という思いがあるのではないでしょうか。だから捕まることなどあり得ないと思っているのですよ。なぜかというと、自分は自民党議員ということです。自民党は長い間日本の政権与党を担ってきた。そして、これからも自民党が政権与党を永遠に担っていく。政権与党を担うことは、警察も、検察も、裁判官も自民党寄りを任命できる。だから、自分たちが捕まることはないと思っているのでしょう。広瀬議員は議員1年生です。彼女に政治家としてのお金の稼ぎ方を指南した先輩議員がいるのでしょう。今、問題になっているパーティー券も然り、秘書給与も然り、国会議員の手当以外にお金を稼ぐ方法はさまざまありますよ。それは、犯罪にあたるけど、自民党は戦後長い間、政権与党を担ってきました。これからも永遠に政権与党を担っていきます。自民党を処罰する人は誰もいませんから、大丈夫ですと指南した人が自民党にいるのではないでしょうか」という話であった。
コメンテーターの方の話を聞きながら、私もその通りだと思った。露見しても日本の統治機関・体制は自民党寄りに出来上がっているから捕まることはない。誤魔化しながらしばらくおとなしくしていたら国民は忘れると思っているのだろう。政治家ほど甘い蜜を吸える職業はないと教えている人が自民党にいるのだろう。自民党の政治家は、国家・国民のために仕事をすると口では言うが、それは口先だけで、実際は、自分のために税金という甘い蜜を権力を使って吸い上げることだけに汲々としている人が多い。自民党にはそれを目的に政治家になった人が多いからだろう。だから、パーティ券の議員同様、広瀬議員のような金に汚い人が自民党政治家に多いのだろう。こういう政治の流れを変えないかぎり、日本再生はあり得ないとつくづく思う。