ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

若い人に伝えたいこと

 原爆の日がまたやってくる。先日、ローカル番組を見ていたら、原爆被災者が中学校で平和学習を行う様子がニュースで流されていた。毎年この時期、原爆被爆者による平和学習が行われるようだ。当時、小学校1年生だった原爆被災者が、当時の状況を語る。一瞬にして両親や友達を失ったこと、町がすべて焼き尽くされたこと、生き残っても病気との長い戦いがあったことなどを話されていた。そして戦争だけは絶対してはいけない。戦争だけは絶対しないようにしてくださいと訴えていた。平和学習の質疑応答で中学生が質問した。「戦争は絶対してはいけないというのはわかりました。そのために、私たちは何をすべきだと思いますか?そのためにすべきことは何ですか?」という質問があった。被爆者の方は「誰とでも仲良くしてください。世界の人と仲良くしてください」と訴えていた。

 私は、この放送を見ながら、世界の人と仲良くしてくださいという答えに少し違和感を感じた。テレビでは、平和学習の全部を放送したわけではないので、被爆者の方は放映された以外にも、もっといろんな答えをしたかもしれないが、この部分だけを見ると私はその答えに不満を覚えた。

 中学生は「戦争をしてはダメだということはわかりました。そのために私たちはどういう行動をすべきですか」ということを聞いていた。もし私が尋ねられたら次のように言いたいと思った。
 「日本は、79年前、原爆を受け、戦争に負けて戦争が終わりました。戦争に負けるまで、ずっと戦争をしていました。ずっと戦争をしていたのは当時の国民が戦争を好きだったわけではありません。多くの国民は世界の国々と仲良くしたくないと思っていたわけではありません。多くの国民は世界の国々と仲良くしたいと思っていました。しかし、日本は戦争への道を進みました。誰が戦争を始めたかを考えてみてください。戦争は国民が始めたものではありません。戦争は、日本の国を指導する人々、日本の国のリーダが始めたのです。その時の失敗の反省に立つと、私たちは日本国のリーダがやることをしっかり監視する必要があります。日本国のリーダーは誰ですか。政治家です。特に国会議員は国の方向を決める役割を果たします。そのための法律を作っていきます。その政治家が何をやろうとしているのかしっかり監視してください。そして、もし、その政治家や政党が戦争への道へ進んでいると思ったら、はっきりとNoと発言してください。民主主義国家では黙認は賛成ととられてしまいます。明確に意思表示してください。皆さんがこれからやるべきことは、政治をしっかり監視すること、信頼できる政治家を育てること、戦争に進んでいく政治家や政党があれば、明確にNoを突きつけること。これを社会人の責任として実践してくださいと言いたいと思った。

 さらに、最近、行われた平和に関する全国世論調査において、首相が靖国神社に「参拝するべきだ」と答えた人は65%に上り、2015年調査の55%を大きく上回ったというニュースを見た。その中で、首相が「参拝するべきだ」と答えた人は若年層(30代以下)が72%と最も多かったと報道していた。
 これを見ると、若い人は、国のために命を捧げた人を慰霊する施設として靖国神社を支持している人が多いようだ。私は、この結果は若い人が近現代史を教えられていないからだと思う。近現代史靖国神社をみると、靖国神社は旧大日本帝国憲法の滅私奉公の象徴であり、教育勅語でいう“一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし”の舞台である。靖国神社は現在の日本国憲法とは相容れない主義主張をする場所である。靖国神社は、日本国憲法を改悪して大日本帝国憲法に戻したいと思う人たちの欠かせない装置である。若い人が言うような、純粋に国のために命を捧げた人を慰霊するものであれば、靖国神社ではなく、戦没者慰霊施設である国立墓地を作って慰霊すべきであると私は思う。戦後、自民党政権は、自分たちに不都合な歴史には触れさせないように教育を歪めてきた。その結果が若い人の靖国神社支持につながっていると思う。
 権力者はいつでも上手に国民を戦争に駆り立てる。騙されないように、厳しい目で権力者を監視していかなければと思う。先の大戦では国民の99%が国に騙されたと言った。騙す人が悪いのであって、騙された人は悪くないと思わないで欲しい。騙される者は騙されたという責任がある。しっかりと騙されないように監視して欲しいと思う。若い人とできるだけ話し合う場を持ちたいと思う。