ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

岸田政権の3年間を振り返る

 岸田文雄首相は「私の特技は人の話をよく聞くことだ」などとアピールして2021年10月に政権を発足させたが、この3年間で岸田政権が成し遂げたことは①戦争する国家づくり、②統一教会との癒着隠し、③物価高騰への無策、④原発回帰への大転換など国を破壊することばかり推し進めてきた。岸田首相がアピールする、特技の聞く力は自分の利益につながる特定集団の声は聞くが、国民の声は全く聞かず、むしろ国民の声を無視して政策を推し進めたといってよい。

 特に、①戦争する国家づくりは、安倍晋三元首相から始まった米国隷属化の安全保障構想を菅義偉元首相を経て引き継ぎ、岸田文雄首相が最後の仕上げをして完成させてしまった。いよいよ日本は、自分の意思と関係なくアメリカの傭兵として戦争に駆り出される道を岸田政権は法律的に可能にした首相となった。日本は先の戦争で310万人という国民の犠牲を基に、二度と戦争をしない国として歩むことを決め、戦争を放棄する日本国憲法を掲げて再スタートした。それから、79年を経て、戦争放棄というその日本国の信念を、日本国憲法の基本的支柱を、岸田文雄首相は簡単に打ち捨ててしまった。政治家の役目は二つあると聞いたことがある。一つは国民を飢えさせないこと、もう一つは国民を戦争に駆り立てないことの二つである。政治家の役目のひとつは戦争しない国家をつくることである。岸田首相はその政治家の役目を放棄して、日本を戦争国家に変えてしまった。
 彼が、この3年間に戦争国家作りで取り組んできたことを振り返る。
岸田文雄首相が、政権を発足してまず推し進めたのは「専守防衛」を完全にかなぐり捨てた「戦争国家」づくりであった。まず、2021年12月、国会での所信表明演説で初めて「敵基地攻撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討する」と言明した。翌22年5月、アメリカ大統領を表敬訪問し、日米首脳会談を行い「軍事費の相当な増額」を実施することを表明した。このことは国会で討議する前にアメリカ大統領に約束したこととその隷属化が問題になった。同22年12月に安保3文書を閣議決定し、歴代政権の憲法解釈を180度転換して、敵基地攻撃能力を保有すると明記した。そして、5年間で43兆円もの大軍拡に踏み出した。2024年4月の日米首脳会談の共同声明では、自衛隊と米軍の「シームレスな(切れ目のない)統合」を明記した。これは事実上、情報でも装備でも圧倒的に優位にある米軍の指揮系統の下に自衛隊を組み込むものである。これは日本の若者の命をどうぞ自由に使ってくださいとアメリカに差し出したのと同様である。軍事費はこの2年間で2.5兆円増え、2024年度は過去最高の約8兆円に達している。物価高騰で国民の生活は苦しくなる一方、戦争国家づくりのための軍事費は青天井で増加している。
 広島選出の岸田首相は「核兵器のない世界」の実現をアピールする。しかし、核兵器禁止条約への署名・批准にも、締結国会議でのオブザーバー参加にも背を向けている。それでどころか、核兵器使用の脅迫によって、相手国を抑え込むという米国の「拡大抑止」に頼り、「核兵器のない世界」とは対極の道へ突き進んでいる。
 さらに、沖縄の民意を無視して、辺野古での米軍新基地建設を推進した。2023年12月には、軟弱地盤の改良工事に伴う設計変更を承認する「代執行」を強行した。日米同盟を絶対視して沖縄に強権を振る自民党政治は、米兵による性犯罪の隠蔽まで行った。
 日本国の主権をアメリカに売り飛ばし、まさに売国奴的政策をアメリカに隷属して進めてきたのが安倍政権、菅政権、岸田政権と繋がる自民党政権である。自民党政権の安全保障政策でますます戦争の危険が高まったと言わざるを得ない。今の自民党政権は首班が誰に変わっても同じ戦争国家作りに邁進するようだ。このような政権は今すぐにでも打倒しないと国民の命はアメリカに差し出される。


 今、世界はアメリカと中国の覇権争いが展開されている。日本はその覇権争いにアメリカの同盟国として参戦しようとしている。一旦、米中に戦争が勃発すれば、日本は自動的にその戦争に巻き込まれるような仕組みを岸田政権は作り上げてしまった。日本はアメリカ軍の下で2軍として使われることになる。同時に、米中間に戦争が勃発したら日本全国にある米軍基地と自衛隊基地はミサイル攻撃を受けることになる。つまり沖縄だけではなく、日本全土がウクライナみたいに戦場になるということである。これが現実味を帯びてきている。

 日本はアメリカの同盟国として戦争に加担することを岸田政権は日本国憲法を曲げて決定したが、日本以外のアジア諸国でそのような選択をする国は少ない。他のアジア諸国は米中に対して、「我が国を戦争に巻き込むな。我が国をどちらにつくかを選ばさせるな」といって米中と等距離外交を維持する国が多い。米中の覇権争いはあくまでも両国の問題であり、それに巻き込まれないように平和外交に徹するのがアジア諸国の実態であり小国の知恵である。しかし、日本はその代理戦争にお金も兵隊も自国で準備して参加しようというのだから馬鹿としか言いようがない。日本はアメリカの属国、植民地と言われても仕方がない。岸田首相は日本をアメリカに売り飛ばした人である。
 岸田政権の安全保障政策で日本が戦争する可能性は新しい戦前と言われるほど著しく高まっている。いつ日本は戦争状態に入ってもおかしくない状態にある。これを止めるには、自民党政権を倒さなければ止めることはできない。今度の選挙でぜひ自民党に鉄槌を下さなければならない。