所用があって大分市へ連れ合いと一緒に出かけた。大分に行くには自家用車、高速バス、JR九州での移動が可能だが、列車の旅が楽しそうと思い、JR九州の小旅行を楽しむことにした。大分までの往復の旅であるが、往路と復路が同じコースでなく、往路は湯布院経由、復路は小倉経由で利用することにした。
JRの予約は1ヶ月前から販売開始である。人気の列車は販売開始と同時に完売することもあるようだが、今回の旅はそんなに急ぐことはないだろうと思い、1ヶ月前を2日過ぎて緑の窓口に行ったら、予定していた10時37分鳥栖発大分行き「ゆふいんの森3号」は鳥栖・湯布院間がすでに満席で予約が取れなかった。「ゆふいんの森号」は相変わらず人気である。しかし幸いにも、9時43分鳥栖発湯布院行きの「ゆふいんの森1号」は空きがあったのでその予約をした。その結果、予定より1時間近く早く「ゆふいんの森1号」で湯布院に行き、湯布院で大分行きの「ゆふいんの森3号」の到着を待ち、大分へ向かうことにした。早出のご褒美で「ゆふいんの森1号」と「ゆふいんの森3号」の新旧二つの車両を同時に体験することができた。
7時45分発西九州新幹線かもめ8号に乗車する。西九州新幹線は開通して2年になるが、現在は長崎・武雄温泉間(66km)のみの運行である。所要時間31分の新幹線の旅は静かで揺れず快適である。この静粛性にはいつも驚かされる。武雄温泉では対面ホームに停車している特急リレーかもめに乗り換えて私たちは目的地の鳥栖へ向かう。
特急ゆふいんの森は、新旧2種のタイプの車両が使われている。どちらもメタリックグリーンのヨーロピアンスタイルの外観である。また、ハイデッカー構造で床が通常より高くなっており景色を存分に楽しめる作りになっている。「ゆふいんの森3号」は1989年生まれの一世で、「ゆふいんの森1号」は1999年生まれの3世で、よりスタイリッシュになったと言われている。
鳥栖で湯布院行き「ゆふいんの森1号」に乗車する。車内は満席である。それも中国人、韓国人などの外国人が多い。日本人は数えるほどしかいないようだ。車内は旅行を楽しむ外国人の会話に包まれながら目的地の湯布院に到着。
湯布院駅で下車して、約1時間次の列車待ちをする。湯布院駅の目の前には雄大な由布岳が聳えている。湯布院駅の前から商店街が続く。商店街を歩いている人はほとんど外国の方ばかりである。インバウンド効果はここにも十分及んでいるようだ。定刻に「ゆふいんの森3号」が到着。それに乗車して目的地大分へ行く
13時15分に予定通り大分に到着。娘夫婦が迎えに来てくれて、別府温泉観光に連れて行ってくれた。別府温泉は若い時行ったきりでほとんど覚えていなかった。別府温泉巡りをしながら別府温泉の歴史を知った。別府の温泉の記録は8世紀頃から残されており、別府湾一帯に及ぶ広大な敷地に及ぶ別府温泉は、昔から知られていたようだ。そのためこの広大な温泉地帯は農作物が育たない不毛の地として、嫌われ者扱いであったらしい。ところが昭和に入り、掘削技術の進歩や交通機関の発達により温泉開発の時代に入り一躍脚光を浴びて、現在に至っているという説明であった。文明の進歩によって不毛の地が、一転して宝の山に変わったというのが面白い。
2日目、所定の用事を済ませて、14時44分大分発博多行きソニック38号に乗車する。ソニックは博多・大分間を結ぶ東九州の都市間特急である。ソニック(音速)という名前の通り速さを売りにして、そのスピードと乗り心地を両立させるため制御振子式車両が導入されている。ソニックは白い885系とブルーメタリックの883系があり、今回は883系に乗車した。
16時49分ソニック38号博多駅定刻到着。私たちは長崎に帰るため、17時01分発武雄温泉行きリレーかもめ45号に乗車する。乗換時間12分だが、ホームがそんなに離れていなくて余裕で乗り換え完了。武雄温泉駅で対面ホームに停車中の新幹線かもめ45号に乗り換える。乗り換え時間3分無事乗り換え完了。そして所要時間23分で、18時21分長崎駅に無事到着。
JR九州を利用して、旅客運送業の定刻運行に改めて凄いことだと思った。無事にしかも定刻通りに運行することは不断の努力なしでは決して成し得ないことである。定刻運行は本当に有り難いことだと思った。