仲間と一緒に七面山妙光寺へ紅葉狩りに行こうということになった。ここは昨年も同じ時期に紅葉狩りに行った場所である。昨年は見頃を過ぎて落葉が始まっていた。今年は暑い日が続き、いつもより紅葉が遅れているという情報があり、今年は昨年と同じ時期がちょうどいいはずという予想で出かけることにした。
紅葉狩りにふさわしい快晴の一日、集合場所に指定されていた諏訪神社一の鳥居に全員が定刻に集合。幹事さんから今日の行程について説明を受ける。「今日は午前中に紅葉狩りをしてお昼を一緒にして解散します。お昼の予約をしているので時間厳守でお願いします」と注意を受けてスタートする。諏訪神社は鎮西大社と称えられる長崎の総氏神様である。諏訪神社の大祭である「長崎くんち」は異国情緒のある祭りとして日本三大祭りに数えられ、国の重要無形民俗文化財に指定されている。私も毎年楽しみにしているお祭りである。
諏訪神社をスタートしてシーボルト通りを進んでいく。シーボルト通りは、その昔、出島に滞在していたシーボルトが西洋医学を教えるために鳴滝塾へ通った道路である。
シーボルト通りを進んでいくと、若かりし頃のシーボルトの銅像が立つシーボルト記念館の前を通る。ここは、シーボルトが幕府から許可を得て、日本人に西洋医学を教えた鳴滝塾である。もちろん、当時はこのようなコンクリートの建物ではなく日本家屋の建物である。長崎は日本における西洋医学発祥の地である。
シーボルト記念館を過ぎて七面山へ上っていく。七面山の駐車場に到着したが、周りに紅葉の気配は全くない。木によっては葉を落として裸木になっている。紅葉は大丈だろうかと心配しながら、さらに登っていくと紅葉が見えてきた。下の方は紅葉は見られなかったが高くなると紅葉が見えてきた。
七面山へ参拝する目的は二つある。一つは紅葉狩りで、他の一つは百八段の長坂を登ることである。百八段の長坂の階段を登ると煩悩を消滅することができるという言い伝えがある。この階段を登ると少しは利口になるかもしれないと思うと一歩一歩踏みしめて登っていく。
七面山大菩薩をお祀りしてある奥の院まで登ってくると紅葉が見頃を迎えていた。本堂からは住職のお経の声が響くように伝わってくる。そのお経の声は紅葉の盛りを褒め称えているように私には思えた。
今年も七面山妙光寺の紅葉を楽しむことができた。七面山の下の方はこれからだが、七面山の本堂辺りは紅葉が見事であった。今年も仲間と楽しく談笑しながら登ってきて、紅葉の美を十分に堪能できたことを感謝したい。本当に有難いことだと思う。住職のお経の声が、なお七面山に響きわたる。
今日の一句 全山を包むお経と紅葉と