ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「NHKから国民を守る党」とは?

 「NHKから国民を守る党」とは何だったのか?という本を読んだ。著者は選挙ウオッチャーのちだいさんという方であった。この本を読んでみたいと思ったきっかけは、兵庫県知事選での2馬力選挙を演じたNHK党首の立花孝志氏の行動をテレビで見て、立花孝志氏とはどういう人物なのだろうかと思ったからである。

 私は立花氏が、政治団体NHKから国民を守る党NHK党)」の党首であることは知っていた。そして、2024年7月に行われた東京都知事選挙において、NHK党が東京都知事選で19人の公認候補と関連する5人の計24人を擁立し、その候補者ポスター掲示板を一定の金額を寄付した人に、寄付者が独自に作成したポスターを最大24枚貼れるという活動を行った。その結果、選挙用ポスター掲示板に、候補者と無関係の格闘家や動物の写真、女性向け性風俗店などのポスターが貼られて物議を醸した。つまり立花氏は選挙ビジネスを展開する非常識な方ということは理解していた。

 兵庫県知事選挙においては、立花氏は立候補したが、立花氏自身の当選を目指さず、斎藤元彦氏(元知事)の応援を展開し「2馬力選挙戦」という新語まで作った方である。その立花氏は兵庫県知事選の取材では次のように語っていた。「当初、私は斎藤元知事は公益通報においても、パワハラについても問題があると思っていたが、いろんな情報を知ると、斎藤元知事こそ改革する知事で、それに反対する人たちが斉藤元知事を攻撃しているという図式がわかった。だから、真実を伝えるべきという信念で立候補した。正確に言えば、僕は斎藤さんを応援していない。真実を知ってくださいと言っているだけ。真実を知れば、自動的に斎藤さんの応援になる」と話しながら、立花候補者は斉藤候補と同じ時間に同じ場所で、お互い申し合せしたかのように前後しながら選挙演説を繰り返した。これが、2馬力選挙である。

 立花氏の選挙演説は、聞くに耐えないものであった。公益通報した方の公用パソコンに残っていたとして、10年間に10人の女性と不倫をしていた。高い地位にあるものが10年間に10人と不倫をするのは同意があったとは思えない。不同意による犯罪行為も考えられるなどと述べ、このような人が行った公益通報など信用できないなどと亡くなられた公益通報者について述べていた。

 そのような立花氏の奮闘もあって、斉藤元知事が兵庫県知事に再選されたが、選挙後、選挙期間中に行っていた公益通報した方の10年間の10人の不倫について、根拠を教えてくださいと問われた立花氏は「根拠は薄いです。ちょっと聞いた話です」と言って明確にしなかった。その発言が問題なると、後日、立花氏は「10人と言ったのは間違いでした。実際は7人でした。公用パソコンに残された人名は7名でした」と言って7名のリストを関係者に提示した。そのリストを見たという元国会議員の話ではその7名の人名は1名は女性だが6名は男性であった。これが証拠ですと言って出したリストには男性の名前が6名あり、発表されたものは疑問だらけであると書かれていた。何一つ信用できないのが立花氏であると思った。

 そういう中、ネットニュースで以下の配信記事を見た
立花孝志氏の『NHKから国民を守る党』をめぐり、注目の判決が下された。NHK党がジャーナリストの「選挙ウォッチャーちだい」こと石渡智大氏を名誉毀損で訴えていた訴訟で、東京地裁は11月27日、NHK 党の請求を棄却した。
 そもそも事の発端は、今年7月の東京都知事選挙におけるNHK党の選挙掲示板の使用に関し、ちだい氏がSNSや動画サイトで同党を「反社会的カルト集団」「サリンをまかないオウムみたいなもん」などと発言したことを受けて、原告のNHK党は「NHK党の社会的評価を低下させるものである」と名誉毀損を主張し、160万円の損害賠償を求めて提訴した。

 これにちだい氏側は「反社会的カルト集団」と論評した根拠となる18の事実を提示。NHK党側は大半について事実関係を争わなかったため「裁判上の自白」(民事訴訟法179条)が成立し、NHK党の訴えを棄却した。裁判長は「反社会的カルト集団」などの表現について「原告について、違法と評価される行為を平然かつ盲目的に次々と行う集団又は団体であると述べていると解される」などとし、「原告に係る特定の事実を摘示したものとは認められず、意見あるいは論評を表明したものと認められる」と述べた。
ちだい氏は判決後の会見で「裁判所はNHK党を『反社会的カルト集団』と呼んでもなんら問題がないとの判断を示した」と胸を張ったという記事が載った。

 この裁判所の判決文を読んで、ちだい氏の著書を読んでみたくなった。ちだい氏の著書には、反社会的カルト集団であるNHK党の愚行の数々が丹念に取材され記録されていた。兵庫県知事選選挙では、このような反社会的カルト集団の言うことを簡単に信じる人がいたことに驚いた。このことは、日本における議会制民主主義の今後の問題点であると思った。