国民的スター中居正広(52)の“醜聞”が連日、世間を騒がせている。発端は、12月19日発売の『女性セブン』が報じた『中居の“深刻”なトラブル』という記事である。記事によれば、昨年、3人での会食が予定されていたが、急きょ1人が来れなくなり、中居と女性で2人きりの状況になり、ここで女性との間にトラブルが発生し、後日、中居が解決金として9000万円を支払ったとされる記事である。
トラブルの詳細は伏せられていたが、中居の代理人弁護士は同誌の取材に対し、《本件については、以前に双方の話し合いにより、解決しておりますことをご理解ください》と回答するなど、トラブルが起こったことや、中居が巨額の示談金を支払っていたこと自体は否定していない。さらに、25日には「スポニチアネックス」と「文春オンライン」も独自にトラブルを報じていた。
2023年の年末、週刊文春によってダウンタウン松本人志の性加害疑惑が報道され、芸能界は騒然とした中で2024年を迎えた。松本人志問題は女性を上納させる理不尽な習慣や制度が問題になったが、今回の中居正広問題も同じような習慣や制度があるのではないかという情報がSNSには流れている。まさしく昨年の年末に起きた松本人志事件といい、今回の中居正広事件といい眉を顰めたくなるようなニュースを聞くと日本はどうなっているのだろうと憂鬱になる。
しかし、これらのニュースを冷静に見つめると日本の社会は明らかに変わりつつあるのではないかと思う。今、日本では不同意性交事件と公益通報事件のニュースが一番の話題になっている。不同意性交事件は今回の中居正広案件や女性検察官性被害事件や2023年末の松本人志案件である。また公益通報案件は鹿児島県警の公益通報案件や兵庫県の公益通報案件が代表的なものである。ひと昔前の日本では、不同意性交事件に関する事案が発生しても、公益通報に該当するような事案が起こっても、どちらも握りつぶされてきていた。どんなに被害者が理不尽なことをされても、被害を被っても権力者といわれる強い力を持つ者が、力で発言を封じ込めていた。また世間も権力者に忖度して、知っていても知らないふりをして権力者の言いなりになっていた。日本という社会では、権力者に逆らうとさまざまな不都合が生じることから、見ざる言わざる聞かざるに徹してきた。
しかし、現在、不同意性交事件や公益通報事件のニュースが話題になっていることは、今までとは違った社会の動きを感じる。今まで声を上げなかった女性が声を上げて当たり前になってきた動きを感じる。今回の中居正広事件は芸能界、テレビ業界において女性上納の習慣や制度があるのではないかと見られている。芸能界やテレビ業界では女性を提供するのは当たり前とする習慣があって、みんなやっているというテレビ関係者の発言もあった。一人の女性がまた犠牲になった。もう我慢できないといって、中居事件を知る周りの女性が週刊誌に情報提供したのが、中居事件の発端と言われている。
女性が被害になった今回のニュースを聞いて、伊藤詩織さん事件を思い出す。伊藤詩織さんはレイプされたことを顔出しして公表し抗議した。レイプした犯人は安倍晋三元首相のお友達の記者であったため、伊藤詩織さんのレイプ事件は、警察庁長官に抜擢された人物によって捜査中止が命じられ刑事事件としては立件できなくなった。警察は刑事事件としては取り上げなかったが、それでも伊藤さんは民事事件として訴えて伊藤詩織さんは勝訴した。
時の権力者のお友達であればレイプ事件は刑事事件として無罪になるのが日本であった。伊藤詩織さんは権力者に近い人物を訴えたことにより、さまざまな罵詈雑言を浴びせられながら民事事件を闘わなければならなかった。それが日本であった。
今回の中居事件といい、現在裁判中の女性検察官性被害事件といい、女性が泣き寝入りしないで声を上げ始めた。男性の横暴は許さないと声を上げている。これ以上、女性の被害を出さない社会を作るために、この問題を徹底的に追求しなければと思う。しかし、大手テレビ局はじめ、大手新聞は無言である。大手メディアは「見ざる言わざる聞かざる」に徹している。発言しないことは権力者に寄り添うことと同じである。忖度していることと同じである。報道機関は権力を監視し、権力者に過ちがあれば追求するのが重要な使命である。テレビ業界には女性を弄ぶ習慣が今なお蔓延っているということが言われているのに、この案件を報道しない大手メディアは報道機関の使命を放棄していると言われても仕方がない。大手テレビ局と大手新聞は表裏一体だから、知っていても報道しないようだ。女性が声を上げるという流れが日本社会を正常に正す唯一の方法である。この流れを絶やさないようにしていかねばと思う。