「トランプ米大統領は2月6日、国際刑事裁判所(ICC)がパレスチナ自治区ガザへの攻撃を巡って、イスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を出したことについて、ICCの職員らに制裁を科す大統領令に署名した。
ICCは人道に対する罪や大量虐殺、戦争犯罪に問われた個人を訴追、処罰するための常設の国際刑事裁判所で、2002年オランダハーグに設置された機関である。現在の加盟国は日本を含め125か国・地域に及んでいるが、米国、ロシア、中国は未加盟である。ICCは2023年3月には、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐりプーチン大統領に対し、戦争犯罪の容疑で逮捕状を発行している。また、24年3月には日本人の赤根智子氏がICCシーの所長に就任している。
トランプ大統領がICC職員に制裁を科す大統領令に署名したことを受け、大統領令を批判する動きが全世界に広がっている。
米国ニューヨークに拠点を置くNPO『憲法権利センター』のビンセント・ウォーレン事務局長は2月6日、『ICCへのトランプ氏の制裁は法の支配に対する攻撃だ』とICCへの制裁を強く非難した。
またICCの赤根所長は2月7日、『裁判所の独立性と公平性を損ない、罪のない犠牲者から正義と希望を奪うことを求めるものだ。断固拒否する』と非難する声明を発表し、『世界のすべての国々にICCを擁護するために団結することを呼びかける』と訴えた。
さらにICCに加盟する125の国・地域のうち79カ国・地域も2月7日、『最も深刻な犯罪が免責されるリスクを高め、国際的な法の支配をむしばむ恐れがある』と批判し、『ICCの独立性、公平性、及び誠実性に対するゆるぎない継続的な支援を再確認する』との共同声明を出している。この共同声明にはイギリス、ドイツ、フランス、カナダ、オランダなどが名を連ねているが、日本は含まれていない。日本人の赤根氏がICCの所長を務めている上に、日本政府が日頃より国際社会における『法の支配』を強調していることを考えれば、日本も当然共同声明に加わるべきであった。
石破茂首相とトランプ大統領の会談に悪影響与えることを懸念したのかもしれないが、あまりにも腰が引けたた情けない対応といわねばならない。
日本政府は米国に対し、ICCへの制裁の撤回を求めるとともに、ICCを擁護する立場を明確にするべきだ」と書かれていた。
私はこの記事を読んで、日本政府は一体どのような考えを持っているのだろうかと疑問に思った。国際社会における法の支配はとても大事だと認識しているが、それ以上に今回のトランプ大統領令については、絶対的にトランプ大統領が正しいと判断する。だから全面的にトランプ大統領令を支持して、それに反対するす共同声明には参加できないというのであれば、それは一つの主張として認めよう。アメリカの大統領令に反対する79カ国・地域と対決してもトランプ大統領令が正しいと判断して支持するのであれば、共同声明に同調できないということになる。
この件ついて、鈴木法務大臣は記者会見で「他国であるアメリカの大統領令であり、われわれとして何かコメントをすることではないが、ICCが国際司法や法の支配の観点から果たす役割は極めて大きいと考えている。日本としてもICCの活動を引き続き支援していきたい」と述べたとあった。
法務大臣のコメントにはトランプ大統領令に対する熱い思いは微塵も感じられない。むしろICCの活動を今後も支援したいと語っている。国際社会における法の支配を絶対的に支持したいと言っている。全世界がいま、トランプ大統領令は国際社会の法の支配に対する攻撃と同じであると、全世界が反論している中で日本がそれに加わらないことは、日本はアメリカの属国で独立国ではないことを世界に向けて表明しているのと同じことだと思った。世界で一番軽蔑される国は独立心を持たない国であると書かれているのを以前読んだことがある。日本は世界からこうして軽蔑されていくのだろうかと思うと悲しくなる。