千葉県知事選(16日投開票)に立候補した「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)が兵庫県神戸市で選挙演説を行ったというニュースを見た。今回の兵庫県での選挙活動は、兵庫県議会百条委員会の非公開データを漏洩したとして兵庫維新の会から離党勧告を受けた増山誠県議の応援のためと意味不明なことを語っていた。
立花氏の行動について、以前から疑問に思っていたことがある。それは昨年11月の兵庫県知事選での2馬力選挙である。「なぜ、当選する意思がないのに兵庫県知事選挙に立候補して、斎藤元彦知事を応援するのですか」と記者から問われて、立花氏は次のように語っていた。「私も真実を知る前は、斎藤知事は辞職した方がいいと皆さんと同じように思っていました。しかし、いろんな方面から情報を得ると、これはおかしいと気づいた。パワハラやおねだりを面白く騒ぎ立てているメディアが言っていることは何かおかしい。斎藤氏は悪いやつだと思い込まされている。斎藤氏は悪い奴に仕立てられて、知事職から追い落とされていると感じた。これではいけない。真実を語ろうと思って出馬しました」と語っていた。そして、「斎藤元彦知事は犯罪も違法行為もしていません。テレビの情報だけではなく、インターネットで調べてみてください」などと主張し続けて、多くの兵庫県民が「斎藤さんのイメージは悪かったが、立花さんのユーチューブを見て考えが変わった」「立花さんは正義感が強いし、勇気をもって主張しているってわかる」と共感の輪を広げ斎藤氏の支持を広げていった。
私は、立花氏の真実を伝えなければならないという思いから立候補したという話は俄かに信じられない。立花氏は正義感が強い人とは思わないし、選挙をビジネス化している振る舞いは正義感や道義心とは真逆の立場にある人ではないかと思う。ではどうして、立花氏が2馬力選挙と言われる選挙活動をしたのだろうかという疑問が残っていた。
それについて、作家の菅野完氏がYouTubeで面白いことを言っていた。この2馬力選挙の黒幕は維新のタニマチでもある大金持ちの方である。その大金持ちの方が金を出して立花氏を呼んで2馬力選挙をさせたという話であった。菅野完氏は名前は明らかにしていなかったが、菅野完氏の情報ならば信用できると思った。
斎藤元彦知事を知る人で、斉藤知事を政治家として高く評価している人はほとんどいない。それなのに、なぜ再選されたのか?兵庫県は関西圏の中心として利権が渦巻いていると言われている。そこのトップである県知事は、既得権益者の邪魔をしない、余計なことをしない、利権の既得権益者にとって都合の良い人物が求められていて、その対象として一番都合がいいのが斉藤知事ということである。利権渦巻く兵庫県政において、利権の既得権益者にとって斉藤知事は何としても再選させなければならない重要課題であったようだ。そして、斎藤元彦知事を再選させるために考えられたのが2馬力選挙であったようだ。このようなシナリオを書いて、それに沿って維新を含む斎藤陣営は動いていたようだ。
このシナリオでは、立花氏の2馬力選挙をすれば有権者を簡単に騙すことができるという筋書きであったが、まさしくそのシナリオ通りになったのが驚きでもあった。
しかし、このシナリオの話を聞きながら、私は小泉純一郎元首相の郵政改革選挙を思い出した。
小泉元首相時代に、どうしたら自民党の票を伸ばすことができるかの分析を専門家に依頼した。そのとき、政治意識の高い層ではなく、政治意識が低い層に対して重点に選挙対策を講じた方が確実に20%票が伸びるという報告書が出された。つまり、頭の悪い有権者をターゲットにした選挙対策が有効であるということを受けて、その提言に沿って「郵政選挙」というワンフレーズ政策が生まれた。小泉元首相は有権者に対して政治の中身の説明はしない。郵政選挙は「郵政改革」か「抵抗勢力」かの闘いだと言い続けた。中身は説明しないで「改革」か「抵抗」かのムードを盛り上げて、その結果大勝した。それ以来、政治意識の低い人をいかに獲得するかが選挙結果左右すると言われてきた。意識の低い有権者、つまり騙しやすい有権者をいかに騙して取り込むという手法がさらに進化したのが2馬力選挙だと思った。日本の政治はビジネス化して、中身ではなく、ますます騙しやすい人を騙すための選挙がさらに進んでいるのだと思った。私たち有権者は政治家を選ぶとき、まずその政治家は胡散臭い匂いはしないか、その政治家は何に取り組んだか、その政治家の答弁にごまかしは無いか、言行一致しているかなどを細かく見極めなければならないと改めて思った。