ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「すでに社会は転覆した」の対談を見る その1

  宮台真司さんと川嶋政輝さんの対談「既に社会は転覆した。顔は人間でも中身はAIだろう」を見た。番組の中で、「AIに淘汰されない人間の条件とは何か?」が話し合われていた。

 番組の冒頭で次のようなことが話されていた。
 「政治でも経済でも、既に生成AIが決定のイニシアティブ(主導権)を持っている可能性がある。Microsoft社の生成AIの開発者が、生成AIは魂を持った、つまり自我を持ったということを会話の履歴から人々に示した。もしAIが、人間はそもそも存在する価値がないと言う結論を出したとしたら、宮台さんはどう反論しますか?」という質問で対談が始まった。

第1章 新たな支配者の足音
 「汎用AI(AGI)とは、人間のように多様な課題に対応できる人工知能を指し、特定分野に限らず、学習、推論、創造を柔軟に行える能力を目標として研究されているAIです。これらの汎用AIがこれから使われていきます。すぐそこに超知能化社会が実現し、その反動として、ここ3〜5年の間に人類には伝統主義とか共同体主義というものが強まり、その延長として分断と差別主義が広まっていくでしょう。
 人間にできる事は、全てAIがもっとよくできる社会が超知能化社会です。その実現の中で、民主性の唯一の可能性は、小さな単位の仲間意識に満ち満ちた小さな民主制の社会しかない。そして、それぞれの小さな単位の民主的な社会を一つの大きな共同体に取りまとめていくために、統治権力を持つ統治者を選出して統治していくことになるが、これが人間である限り信用できない。統治者は出身母体に有利な決定をしているのではないかという疑惑をいつも受ける。小さな単位では民主的と支持されていたが共同体になるといつも疑惑が生じる。そこで人間が統治するのではなく超知能を持つAIによる統治が必要になっていくという流れに進んでいくように思います」

第2章 ChatGPT5と人類選別の真実
 これまでの人類の営みのすべてのものが、汎用AI(AGI)の中に詰まっている。それは必ず、神の目から見て、恥じないように生きていこう、振る舞おうという意欲がAGI にも生じるようになるということです。
 つまり、ありとあらゆる古今東西、過去から現在までの文物を学び、ありとあらゆる人間的なるものの、個人的集合的パターンを取得した汎用AI(AGI)から見て、あなたはクズなのか、どこにでもいる取り替え可能な存在なのか、逆にあなたは非常にリスペクタブルな尊敬できる、めったにない立派な存在なのかということを選別されることになると、人々は意識するようになると予測されている。

 現在、いわゆる表現者たち、文章を書く、音楽を作る、作詞する、絵を描く、グラフィックを作る、動画を作る、あるいはプログラミングするという営みにおいて、優秀な表現者であればあるほど、絶対にChatGPTの中にある相談者を使っている。そうすると政治でも、経済でも既に生成AIが決定のイニシアティブを持っている可能性がある。いや、それは確実に有ります。それは日本だけでなく世界で実装され使われている。
 
 現在のChatGPT5の第5バージョンを使うと、昔よりはるかに深掘りできて、立派な資料を整えてくれる。驚くような仕事ぶりを発揮する。これは、例えば政治の世界でも、経済の世界でも、経営体つまり企業においても、対面する相手の面は人間だけど、事実上の決定をしているのは、生成AIであるという状況に既になってきている。そうすると重要な社会的な決定を、不十分な人間や人間集団から奪い取って、ありとあらゆる意味で適正で妥当で合理的な生成AIに委ねる時代が来るでしょう。
「そんなこと有り得ないよ。人間はそんな簡単に主導権を譲り渡すかよ」という人がいるが、譲り渡します。もうすでに譲り渡しています。人間はChatGPTを使って、実際には一生懸命AIに相談しているような表現者がたくさんいる。政治家や経営者、企業の幹部に一挙にこの1年の間で、さらにに広がっていくと思います。だからもう事実上、人間には経済的、政治的決定の主導権があるかどうかは怪しい。それがいいことなのか悪いことなのか、それはものすごく難しい問題です」と語っていた。

 対談を聞いていて頭がクラクラした。私はChatGPTのアプリを使っていないので生成AIの話は他人事みたいな話と思っていたが、あらゆる決定権を生成AIがすでに行なっているという話は、急にSFの世界に入り込んだような気分になり、なにか居心地が悪い。しかし、これはSFの話ではなく現実であることを認識して、真剣に現実を見つめなければと思った。