先日、れいわ新選組の参議院議員である伊勢崎賢治さんの講座を拝聴した。その講座は、2023年4月に行われた「ウクライナ危機から学ぶ日本の安全保障と国際平和」というタイトルの講座であった。その時の伊勢崎賢治さんの肩書は東京外国語大学名誉教授と書かれていた。
その講座を拝聴して1番ショックだったのが、「自動交戦装置」という言葉であった。この「自動交戦装置」というのは一言でいうと、日本が戦争を希望するしないに関わらず戦争に加担させられる仕組みのことであった。この「自動交戦装置」と呼ばれる条約が、アメリカと日本との間に結ばれているということであった。
アメリカは第二次世界大戦以後、80年間で24回他国に攻め入るなどして戦争を始めている好戦的な国である。21世紀の25年間でも9回戦争を始めている。いつも世界のどこかに侵攻し戦争をし続けているのがアメリカである。そのアメリカとの間に日本は「自動交戦装置」と呼ばれるとんでもない条約を締結しているというので大変驚いた。
アメリカが戦争を始める時、アメリカ国民は、その戦争遂行に賛成か反対かの意思表示をすることができるし、さらにその意思表示は政治において投票という形で自分の意思を行使することができる。しかし、日本国民は、アメリカの戦争遂行に賛成か反対かの意思表示をすることはできないのは当然である。しかし、「自動交戦装置」により、アメリカは日本の国民を自動的にアメリカの戦争に動員できるということであった。動員できるというより、日本はアメリカに従わなかればならないということであった。
なぜ、このようなとんでもない条約があるのかというと、それは、朝鮮戦争のときに結ばれた条約が、現在も効力を持ち続けているからということであった。
朝鮮戦争は、第二次世界大戦後の1950年から1953年にかけて、朝鮮半島で起こった国際紛争である。北朝鮮と韓国の間で勃発し、北朝鮮側には中国とソ連、韓国側にはアメリカを中心とする国連軍が参戦した冷戦化の代理戦争であった。1953年7月27日に休戦協定が結ばれ、以後、現在まで休戦状態が続いている。朝鮮戦争は今も終戦を迎えていない。休戦状態の韓国には今もアメリカ軍を中心とした朝鮮国連軍が存在している。戦争当事国の韓国と朝鮮国連軍との間には朝鮮国連軍地位協定が締結されている。その中で日本はアメリカ軍の指揮下に置かれて、それが現在も継続しているのである。朝鮮国連軍地位協定において、日本は朝鮮国連軍が戦争を開始すると同時に後方基地になるとされていて、朝鮮国連軍地位協定と日米地位協定は連動している。後方支援基地になるというのはどういうことかというと、我々が何もしなくても、日本が交戦国になるということである。これが自動交戦国である。
「安保法制の時に集団的自衛権を行使すると、戦争に巻き込まれるという話がありましたが、そんな問題ではありません。すでに、我々は息を吸っているだけでアメリカの一部ということです。アメリカの軍事部品なのです。意思決定に入っていないのに自動的に参戦するのです。
戦争を希望してもいないのに、なぜ交戦国になるのかと思われるかもしれない。ハーグ条約に中立法規という昔からの国際法(慣習法)があります。国際的に認められるには、これらが厳格に守られているかどうかが問題になります。簡単に言うと、お友達が戦争始めた場合、中立でいるには三つの条件があります。①国内に基地を作らせない ②国内を通過させない ③武器も含めて軍事供与しない(お金を出さない)。この3つです。日本は全部やってます。我々は中立を言えません。9条で戦争を放棄していても、我々は息を吸っているだけで、アメリカの軍事部品です。アメリカの意のままに戦争に加担させられます。
日本国の意思は無視され、戦争に加担させられていいですか。これを変えないといけないと思います。日本の独立に関することです。与党、野党関係ありません。戦争に加担させられる前に政治を動かして変えていきたいと思います」と伊勢崎さんは語っていた。
これほど重要なことが、闇に閉ざされたまま75年間ここまで来た。戦後すぐの時代には敗戦国としてやむを得ない判断であったと思う。しかし75年経た今も、依然として植民地時代の条約がそのまま残されているのは不合理である。これをそのまま放置した政治は日本国民に対する怠慢というしかない。伊勢崎賢治さんが言われるようにこの問題を解決することなしには日本の独立はない。「日本は独立する必要はない。今のままアメリカの意のままになる、アメリカの植民地でいい」という意見もあると聞くが、本当にそれでいいのかと思う。この問題は早急に国民全員で考えていくべきだと思う。