ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

「首都圏は米軍の訓練場」を読む

 著者は次のように語っていた。
「日本の国土には、巨大な米軍基地が全国に点在している。米軍が日本に基地を置ける根拠は、1951年に締結し、1960年に改定された日米安保保障条約である。日本を占領していた米軍の駐留を引き続き認めるためのもので、その骨格は、米国が日本を防衛する代わりに、日本が米国に基地用地を提供するバーター関係となっている。軍事同盟とは通常、両国が互いに防衛義務を負うものである。しかし、日米安保条約がそうなっていないのは、日本に「戦争放棄」と「戦力の不保持」を定めた戦後生まれの憲法の制約があるからである。このような構図を元に、米軍の中に「俺たちが日本を守ってやっている」と言う優越感が生じているのかもしれない。占領軍から駐留軍に変わった後も、横暴とも言える振る舞いが続けられている。
 その典型的な例の1つが、米軍機による騒音問題である。低空飛行を繰り返し、昼夜を問わず、爆音を響かせる。1970年代から大きな基地のある地域で、次々と住民訴訟が起こり、そのたびに日本の裁判所は被害を認定するのに、米軍は賠償金を決して払わず、日本政府が肩代わりしてきた。その額は2024年時点で数百億円にのぼっている。
 それ以外にも、近年は、基地周辺の地域の地下水などから、米軍基地が発生源とされる発がん性が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」の検出や米兵や米軍関係者による性的暴行事件もあとを絶たない。基地が集中する沖縄で特に多く、幼い少女が犠牲になることもある。ところが、米兵は基地人逃げ込めば日本の警察に原則逮捕されない。日本の捜査権が十分に及ばないのである。事件や事故を起こした米兵らが民事訴訟中に逃げるように帰国して、被害者が泣き寝入りを強いられるケースも起こっている。
 こうした問題の背景には、米軍に対し、国内法の適用除外など、様々な特権を与える日米地位協定の存在がある。だが、日本政府の腰は重く、1960年の締結以来、1度も改定されていない。周辺住民らは日本政府の姿勢に憤り、怒気を込めてこう批判する。「日本は米国に従属し、いまだに主権がない」
 正直なところ、私は在日米軍の取材を始めるまで、こうしたフレーズを聞いても半信半疑であった。基地のある街で暮らしたこともないため、騒音被害や米兵犯罪の恐怖などを肌感覚で知らない。だから、終戦からもはや80年。占領期から続く問題の多くは解消されているはずだ。残っているのは沖縄や大きな基地のある地域くらいだろう。「従属」はさすがに言い過ぎで、「陰謀論」のようなものと思っていた。

 そんな私の認識が変わったきっかけは、2020年の夏に、東京のど真ん中で、米軍ヘリの異常な飛行を目撃したことであった。大都会である東京の真上で、様々な軍用ヘリの訓練を観察した。東京スカイツリーを軸に周回を繰り返す米軍ヘリの異常な飛行を次々と目の当たりにした。首都圏上空には、巨大な米軍機の訓練用と見られる飛行ルートが張り巡らされていることもわかった。
 調査中に、米軍機の事故が相次いだ。2023年11月には、横田基地の米空軍輸送機CV22オスプレイが鹿児島県屋久島沖で墜落し、乗員8人が死亡した。2025年1月には、ブラックホークが米首都ワシントン近郊で旅客機と衝突し、67人が亡くなった。オスプレイブラックホークも東京を含む首都圏の住宅地、上空を飛び回っている機種である。日本政府は「日米同盟は、日本の外交、安全保障の基軸」とお題目のように繰り返すのに、同盟の中核を担う在日米軍のこうした活動実態は、日本の国民にはほとんど知らされていない。
 
 航空機は軍用機・民間機を問わず、飛行についてのルールが定められている。これは日本国のみならず全世界共通のルールでもある。航空法令上の「最低安全高度」に従えば、人工密集地では、建物の上端からさらに300メートル以上高く飛ばなくてはならない。建物からの水平距離も600メートル以上保つ必要がある。これはヘリが十分に安全を確保できる基準として定められているものである。この基準は、米軍は、厳格に米国においては遵守させられているルールである。また、米軍が駐留する他国においても、日本同様に敗戦国であったドイツやイタリアでは厳守されているルールである。米軍ヘリの首都圏の訓練飛行は明らかにルール違反でありそのことを記事にした。それについて、多くの意見が寄せられた。

米軍ヘリの都心での低空飛行について、「危険極まりない」「舐められている」「中止してもらいたい」などとする非難する意見もあったものの、それより目立ったのは報道のヘリやや毎日新聞の報道姿勢を批判する書き込みであった。
「新聞社のヘリの方がずっと害悪。日本人の命を守る日米同盟に心底感謝する」
マスゴミは偉いと思い、態度のでかい取材をしている。その方が問題だろう」
「特権を問う先は、毎日新聞を始めとするマスゴミの方である」
「中国やロシアの領空侵犯をなぜもっと批判し報道しないのか?毎日新聞はどこの国の新聞なのか?」
毎日新聞は、想像以上に中国に牛耳られているのかもしれないなぁ」
「異常?いいじゃん飛んでも。わざわざネガキャンして、国防の足並みを見出す毎日新聞の意図、どこか隣国の見方でもしてるんですか?」
「日本は米国に戦争で負けたのだから仕方がないじゃないか」などという意見が多くあった。

 この本を読みながら、日本の首都である東京上空で米軍のヘリがルール違反をしながら自由に飛んでいることを知って驚いた。そしてその新聞報道に対して、中国の見方をしている偏向報道であると非難が集中したことを知ってさらに驚いた。この問題は重要な問題である。大惨事になりかねない状況を、このまま放置することはとてもできない。当然である。アメリカと敵対すると言っているわけではない。米軍ヘリは日本国の航空法を守って日本の空を飛んでほしいと言っているだけである。日本はアメリカの植民地のままでいいのか、主権国家となるのか、一人一人の日本人が考えて答えを出すしかない。