ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

政府高官の核保有発言について

 政府高官の核保有発言が問題になっている。日本国民がこのような発言をすることもどうかと思うが、このような発言が政府関係者から出るのは問題というより異常事態というべきことである。この発言は、国際的に日本の存在価値を失いかねない大きな危機であると思う。この発言を受けて支持する人もいるようだが、日本はもう一度、敗戦のあの廃墟の中で考えた、出発点に立ち返るべきだと思った。

 1945年8月14日、日本政府はポツダム宣言を受諾し、8月15日にポツダム宣言受諾を国民に発表し、9月2日に連合国への降伏文書調印に至って日本は降伏し、太平洋戦争(大東亜戦争)は敗戦で終結した。
 明治以来、富国強兵で走り続けてきた結果、十五年戦争において日本国民310万人以上という戦死者をだし、また、日本の侵略戦争によってアジア・太平洋各国に2000万人以上の死者を含む史上最大の惨害をもたらし、国土は灰燼に帰し、戦争に負けて日本は全て終わった。
 
 その廃墟の中から、日本国は過去の過ちを踏まえ、二度と同じ過ちをしないということを国際社会に約束して国際社会に復帰することを願った。その約束は、二度と戦争をしないという不戦を貫く平和国家であった。これは、国際社会に復帰するために、その場しのぎの都合のいいことを言ったのではない。これは日本国の真剣な反省のもとに生まれた日本の生きる道として掲げたことであり、日本国憲法にそのことを記した。

 日本国憲法の三大原理は、①国民主権、②基本的人権の尊重、③平和主義である。平和主義は戦争を放棄し、戦力(大量破壊兵器)を持たず、交戦権を認めないという原則で、第二次世界大戦の経験から、世界の恒久平和を目指すために定めたものである。
 また日本国憲法前文においては、下記に示すように明確に日本国の進む道を示した。
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」

 日本国憲法のこの三大原理は憲法改正の対象にならない日本の骨格である。核保有発言は、日本国憲法の平和主義に反していることであり、決して容認できない。それを政府関係者が口にすることは、憲法遵守義務に反する行為であり、即刻罷免に値することである。

 そして何よりも、日本は先の戦争の敗戦国ということを忘れてはいけない。国連憲章には敵国条項があり、その敵国条項によって、日本が大量破壊兵器保有する徴候を見せたら、他国は国連の許可なく、日本に対し軍事的制裁を加えてよいという条項が残されている。日本の核保有は世界を敵として戦争することになりかねない。

 しかし、日本は核拡散防止条約(略称:NPT)を締結している。この条約は、核軍縮を目的にアメリカ・フランス・イギリス・中国・ロシアの核所有5か国以外の核兵器保有を禁止しようとする条約で、締約国数は191か国(2021年5月現在)にのぼっている。日本を含め世界のほとんど国が、国際的平和安定を願ってこの条約を締結している。この核拡散防止条約で、日本も核兵器保有しないことを約束している。しかし、核保有を目指すことはこの条約を破ることである。それは、他の条約締結国を敵にすることとと同じことであり、グローバル社会と言われる今日では、日本は国際的に生きていけないことは明白である。

高市首相は、国内的に威勢のいい意見を次々に述べて支持を集めておられるようだ。また、高市政権周辺からは核保有論まで飛び出した。一連の発言は、国際的には、軍国主義日本復活の情報をばら撒いていることと同じである。国内的には軍拡予算を正当化するための布石なのかどうか知らないが、こんな未熟な人間を総理にしていると日本は滅んでしまう。一刻も早く総理を辞めてもらいたいと思う。