ばってん爺じのブログ

年を重ねても、尚好奇心旺盛な長崎の爺じの雑感日記。長崎の話題を始め、見た事、感じた事、感動した事などを発信。ばってん爺じのばってんはバツイチではなく長崎の方言

雑誌を読んで感じたこと

 病院の待合室で順番待ちしながら病院の雑誌を読んでいたとき、次の投稿記事を見つけた。

それは、日本に滞在しているアジアの人の投稿記事であった。
「8月戦争特集では、日本では慰霊ムード一色になる。私も鎮魂の気持ちは理解できる。しかし、日本人はどうして自分たちがしたことには無言で、原爆の事ばかり言うのだろうかと思う。日本はアジア各地で大変な残虐なことをしてきたけど、そのような報道はほとんど見ない。終戦を機会に、戦争で命を奪ってきた他国の人のことも思って欲しい」それは、日本は加害の過去にも目を向けて欲しいという意見であった。

 この文書を読んで、私は日本の八月のことを思い返した。確かに日本では、八月は原爆のことが報道の中心になっているような感じがする。確かに、原爆の報道は被害者としての報道が主であるように思う。そういう意味では戦争の加害部分についてはほとんど報道されない。

 この投稿記事を読んで、私は、自分自身が確かに加害部分については明確に何も知っていないと思ったので、自宅に帰って十五年戦争における日本の加害について調べてみた。
 そして、戦後60年の2005年に、新聞社によってまとめられたアジア太平洋地域における各国の戦争犠牲者数(各国政府発表の数字、一部推計)を見つけることができた。
 それによると、日本人の戦争犠牲者(死者数)は軍人230万人、一般人80万人の合計310万人と書かれていた。そして、日本と戦ったアジア各国の戦争犠牲者数(死者数)は次のとおりであった。
中国1000万人以上、インドネシア400万人、ベトナム200万人、インド150万人、フィリピン110万人、韓国・北朝鮮20万人、ミャンマー10万人、シンガポール・マレーシア10万人、オーストラリア2.4万人、ニュージーランド1.2万人など合計2000万人以上であった。

 日本が行った十五年戦争における他国の戦争犠牲者が2000万人に上るという数字を見て驚いた。第二次世界大戦中、ドイツはユダヤ人に対してホロコーストという大虐殺を行い、その犠牲者は600万人と言われている。その数字と比しても、2000万人という数字は桁外れである。とにかくこれだけの犠牲者を出したことを私たち日本国民は、しっかり心に留めておく必要があると思った。

 しかし、私もそうであったように、現代に生きる私たち日本人は、日本の現代史を義務教育でほとんど学ばない。日本政府の意図的な扱いかどうかわからないが、歴史教育はいつも古代から始まり、現代史の学習はいつも年度末になり時間切れで終わる。ほとんど自学自習に任され、多くの日本人は現代史を教えられないまま、知らないまま大人になっているような感じがする。

 私たち日本国民は、日本の加害の歴史をほとんど教えられていないし、知らないのではないかと思う。今回のアジアの方の投稿は、日本人の歴史認識不足を嘆いているのかもしれないと思った。

 第二次世界大戦の敗戦国であるドイツは、「歴史に蓋をすることは、過去からの学びの機会を失い、未来を誤ることにつながる」として、過去の歴史と真摯に向き合い、ニ度と同じ過ちを繰り返さないよう、国をあげて過去の歴史を直視することに取り組んでいる。ドイツ国民は義務教育で、過去において、ドイツは600万人のホロコーストを行ったと学んでいる。ドイツ国民で600万人の数字を知らない人はいない。日本人は2000万人という数字をどのくらいの人が知っているだろうか。そのドイツに対して、「終戦を機会に、戦争で命を奪ってきた他国の人のことも思って欲しい」と他国の人が不満を漏らすことはない。この投稿記事は日本人とドイツ人の国際評価の差と考えることもできる。

 今、高市首相は軍備拡大に余念がない。そして、高市政権関係者からは核保有論まで飛び出した。彼らは歴史から何を学んだのであろうか。先の戦争で2000万人という他国の人の命を奪った国は、二度と軍国主義になってはいけないと思うが、高市首相初め彼らはそう思っていないようだ。もう一度、昔のように軍事大国化を目指すようだ。外国の方が、「日本はもっと過去に向き合ってほしい」というはずである。